東宝21年映画、2年連続減で700億円割れ、12月は半減

【銀座新聞ニュース=2022年1月13日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)は1月12日、2021年の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年比7.3%減の666億4726万円と2年続けて前年を下回ったと発表した。

12月10日から一般公開された「あなたの番です 劇場版」((C)2021「あなたの番です 劇場版」製作委員会)は12月だけで動員136万人、興収18億円をあげている。

2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により2020年に休業に追い込まれるなど大幅な減収だった反動をを受けて、前半は増収基調だったが、8月以降感染の再拡大により、減収を強いられ、結果的には2018年の605億円以来、3年ぶりの700億円割れと低迷した。

過去の映画営業部門興行成績をみると、2008年が前年比12.8%増の739億1460万円、2009年が同11.4%減の654億9331万円、2010年が同14.3%増の748億6961万円、2011年が同21.0%減の591億1111万円、2012年が同25.4%増の741億3577万円、2013年が同9.2%減の673億2289万円。

2014年が同8.4%増の729億6541万円、2015年が同0.3%増の731億5117万円、2016年が同16.8%増の854億2671万円と2014年から2016年まで3年連続で700億円を超え、とくに2016年は「君の名は。」の大ヒットもあって歴代1位の成績で、初めて800億円を超えた。しかし、2017年はその反動で同21.4%減の620億2311万円に落ち込み、2018年も配給作品数が少ないこともあって、同2.4%減の605億3664万円と2年連続で600億円台にとどまった。

2019年は同27.4%増の771億318万円と700億円台を回復、2020年も同6.7%減の719億2370万円と2年ぶりのマイナスだったものの700億円台を維持した。

一方、2021年12月の映画営業部門興行成績(速報ベース)は前年同月比45.4%減の70億1961万円と、3カ月連続で前年を大幅に下回った。

12月は例年、3月や8月と並んで観客動員数がもっとも多い需要期で、過去をみると、月別の映画営業部門興行成績を発表している2009年が39億円、2010年が62億円、2011年が49億円、2012年が42億円だったが、2013年に99億円、2014年に102億円、2015年に67億円、2016年に72億円、2017年に40億円と2013年から2016年まで60億円超で推移してきた。

2018年は22億円と月別数字を公表した2009年以来、初めて20億円台にとどまったが、2019年は33億円、2020年12月は2014年以来、6年ぶりに128億円と100億円の大台を突破していた。

また、TOHO(トーホー)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館(695スクリーン)の2021年の入場料収入は前年比8.7%増の465億8989万円だった。

12月の入場料収入は同2.0%減の52億6519万円と4カ月続けてマイナスだった。TOHOシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員については公表するのを止めている。

新たに12月に公開されたのは、10日の「あなたの番です 劇場版」、24日の「劇場版 呪術廻戦 0」の2本だった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、12月4日、5日の週は「劇場版 きのう何食べた?」が5週目で6位、「土竜の唄 FINAL(ファイナル)」が3週目で9位と、トップ10入りは前週と同じく2本だった。

11日、12日の週は「あなたの番です 劇場版」が初週1位、「劇場版 きのう何食べた?」が6週目で9位と、トップ10入りは前週と同じく2本だった。

18日、19日の週は「あなたの番です 劇場版」が2週目で2位と、トップ10入りは前週より1本減って1本だった。

25日、26日の週は「劇場版 呪術廻戦 0」が初週1位、「あなたの番です 劇場版」が2週目3位と、トップ10入りは前週より、1本増えて2本だった。

12月に映画館で上映された配給作品は「劇場版 呪術廻戦 0」、「あなたの番です 劇場版」、「土竜の唄 FINAL」、「劇場版『きのう何食べた?』」、「燃えよ剣」、「マスカレード・ナイト」など。