ラオックスが「ニューメルサ」に銀座2号店、ユザワヤ等撤退

【銀座新聞ニュース=2015年5月27日】大型免税店を展開するラオックス(港区芝2-7-17、住友芝公園ビル)は9月18日に「銀座EXITMELSA店」(中央区銀座5-7-10、ニューメルサ内)を開店する。

9月18日にリニューアルオープンする「イグジットメルサ(EXITMELSA)」の完成イメージ図。

9月18日にリニューアルオープンする「イグジットメルサ(EXITMELSA)」の完成イメージ図。

ラオックスが銀座に店舗を出店するのは、2013年11月に開店した「ラオックス銀座本店」(中央区銀座7-9-17、03-6858-3231)に続いて2店舗目で、全体では24店舗目になる。

旧「ニューメルサ」は名古屋鉄道(愛知県名古屋市中村区名駅1-2-4)の子会社、メルサ(愛知県名古屋市中区栄3-7-13)が中村積善会ビル(中村積善会が所有)を全館借りする形で1977年に開業したファッションビルで、リニューアルするため2015年1月31日で営業を終了していた。

メルサは9月18日にリニューアルオープンするのに伴い、「ニューメルサ」を「イグジットメルサ(EXITMELSA)」に改称することを決めた。地上8階、地下2階、37店舗が入店する予定。今回、出店を決めたのはラオックスのほか、イタリアンのシューズブランド「ザ・フレックス(The FLEXX)。

鎌倉のシャツ店「メーカーズシャツ(Maker’s Shirt)鎌倉銀座店」、ロシア料理店の「渋谷ロゴスキー 銀座本店」、レストランの「ラシーヌ ミートボール&ファームショップ(RACINES Meatball&Farmshop)」などだ。

ラオックスが展開するのは4階の一部と5階、6階の全フロアで、「ラオックス銀座イグジットメルサ(EXITMELSA)店」(仮称)は、銀座本店よりも、「モダンで“ポップ”な日本のイメージをコンセプトに、お客さまにゆったりとおくつろぎいただける空間と人気のメイドインジャパン商品、ラオックスでしか買えない商品を多く取り揃え」るとしている。

売り場面積は4階が69.26平方メートル(20.95坪)、5階と6階が1517.36平方メートル(459坪)。

ニューメルサの5階はユザワヤが全フロア借り、6階はウイッグユキ銀座店、嵩山堂はし本、青花堂、広池ヨーガ健康研究所が出店していた。これらが撤退し、今回、ラオックスが進出することになった。

ウイキペディアによると、ラオックスは谷口正治(たにぐち・まさじ、1913-2009)が1930年に東京都墨田区で創業した電気器具の行商が始まりで、1939年に「谷口商店」を開店し、戦時中に谷口正治が海軍に招集されたことにより休業し、終戦後に神田須田町に谷口商店を再建した。

1948年には「谷口電機株式会社」に商号を変更、家電小売部門を分割して「朝日無線電機株式会社」を設立、1963年の千葉店の開店を皮切りに郊外に多店舗展開をはじめた。1976年9月に「ラオックス株式会社」を設立、10月には朝日無線電機の店舗の営業を譲り受け、ラオックスとして営業を開始した。

1970年代後半から1980年代前半にかけてはオーディオ機器、1980年代後半からはパソコン関連を中心に業績を伸ばし、地場量販店との業務提携や子会社化を通じて店舗網を拡大し、2000年代初頭には年商2000億円以上にまで拡大した。

しかし、その後、業績が悪化、郊外店をすべて手放し、2009年8月に中国で約1500店の家電量販店を展開する蘇寧電器(そねいでんき)が資本参加し、同時に中文産業と日本観光免税の社長である羅怡文(ら・いぶん)さんが社長に就任し、中国人をはじめとする外国人観光客向けの免税店として再建を図った。

その結果、2014年12月期に連結売上高501億9600万円、営業利益17億3600万円、純利益12億4200万円と2001年3月期以来14期ぶりとなる最終黒字を達成している。現在、株主は蘇寧電器グループの「グランダ・マジック」(約50.6パーセント)と「グランダ・ギャラクシー」(14.1パーセント)が64.7パーセントを占め、日本観光免税が12.4パーセントで中国系企業3社で77.1パーセントを所有している。

営業時間は11時から20時。