銀座三越で深川惠以子展、絵画、磁器等、芸術家のスカーフも

【銀座新聞ニュース=2021年4月14日】国内最大手の百貨店グループ、三越伊勢丹ホールディングス(新宿区新宿5-16-10)傘下の三越伊勢丹(新宿区新宿3-14-1)が運営する銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は4月14日から20日まで本館7階ギャラリーで深川惠以子さんによる個展「安穏 ANNON」を開く。

銀座三越で4月20日まで開かれている深川惠以子さんの個展に出品されている作品。イタリアのデザイナー、Paolo Lomazzi(パオロ・ロマッツィ)さんと深川惠以子さんの共作による「ランプ(SUMI LAMP)」。

1894(明治27)年に創業した陶磁器メーカーの「深川製磁」(佐賀県西松浦郡有田町原明乙111、0955-46-2251)のデザイナーで元常務の深川惠以子さんが3年ぶりに銀座三越で個展を開く。

深川惠以子さんはフランスのマーグ・ファンデーション(Maeght Foundation、マーグ財団)所属のアーティストで、2018年に「2019 Foulards d’Artistes(フラール・アーティスト、芸術家のスカーフ)」のアーティストに選ばれている。このスカーフはヴェルサイユ宮殿に絹織物を納めるリヨンの絹織物工房ブロシェにて指定された職人とアーティストにより制作され、マーグ財団により選ばれた世界のアートコレクターだけが所有できる。

三越によると、「Foulards d’Artistes」は1957年から続いている事業で、スペインの画家、ジョアン・ミロ(Joan Miro i Ferra、1893-1983)、フランスの画家、ジョルジュ・ブラック(Georges Braque、1882-1963)、ロシア(現ベラルーシ)出身のフランスの画家、マルク・シャガール(Marc Chagall、1887-1985)、スイスの彫刻家、画家、アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti、1901-1966)、フランスの詩人、小説家のジャン・コクトー (Jean M.E.C.Cocteau、1889-1963)らも選ばれている。

今回、マーグ財団の3代目オーナー、イザベル・マーグ(Isabelle Maeght)さんから要望された数点の絵画をはじめ、自由な発想による磁器という素材の可能性を追求した作品群、オブジェ、ランプ、絵画陶額、器等約80点を展示する。また、特別に幻のスカーフと呼ばれている「芸術家のスカーフ(Foulards d’Artistes)」を参考展示する。

深川惠以子さんは「具象画で断片的に捉えても表しきれないもの、何が描かれているかではなく、どう感じるか。ただ、貴方の内にある『安穏」に語りかけ、心に薫る美『静かな平和』を見つけていただければ」としている。

銀座三越で3年ぶりに個展を開く深川惠以子さん。

深川惠以子さんは1953年生まれ、1976年に慶應義塾大学文学部哲学科を卒業、1998年に深川製磁に入社、2000年に明治神宮創建80周年記念展「明治の陶磁意匠展」の宝物殿開催を総合プロデュース、2001年に国際交流基金後援「日本の四季」と題し、パリ日本文化会館で開かれた深川製磁の展覧会を総合プロデュース、2004年に深川製磁ブランドマネージメント部長、2005年にイタリアのインテリア家具見本市「ミラノ サローネ」に初出展(以降、ほぼ毎年出品)、2007年に取締役に就任した。

2013年にミラノ市より「イタリア ミラノ サローネ ベスト エクスポジション」を表彰され、2016年に常務、同年にフランス・パリのギャラリー「Galerie Maeght(ギャラリー・マーグ)」にてフランスで初の個展、全作(約500点)をギャラリー・マーグが購買、以後マーグ・ファンデーション所属アーティストになる。2018年にマーグ・ファンデーションにより「2019年度世界のアーティスト」に選ばれ、2019年にマーグ・ファンデーションの依頼により「芸術家のスカーフ」を制作し、同年に深川製磁の常務を退任している。

開場時間は10時から20時(最終日は18時)まで。