サニーヘルス、1日の食事回数は自分で決める、1回も5回も損得あり

【銀座新聞ニュース=2021年4月24日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「ダイエットのためには1日何食を食べるのが正解?」を発表した。

日本において1日3食が一般化したのは江戸時代の元禄期以降とされている。車浮代さんによると、1657年の明暦の大火以降に江戸の復興のため、各地から大工、左官屋などの職人が集められ、食を取りまく事情が変化したと考えられている。

「朝昼晩の1日3食、規則正しく食事を摂る」というのは現代の日本においては一般的な考え方だが、さまざまな健康法やダイエット法、はたまた国によっても正しいとされる食事回数はまちまちで、1日1食や、トータルが同じ量になるよう小分けにして1日5回に分けて食べる方法など、考え方によって異なっている。それでは「ベストな食事回数」の正解はあるのだろうか。

●1日3食が常識化したのはいつ?

日本において1日3食が一般化したのは歴史的には近年で、江戸時代の元禄期(1688年から1704年)以降だといわれている。それ以前は公家も庶民も1日2食だったようで、日本のみならず諸外国においても、昔は1日2食がスタンダードだったとみられる。

栄養学の側面から1日3食が提唱されたのは1935(昭和10)年のことで、「栄養学の父」と呼ばれる佐伯矩(さいき・ただす、1876-1959)医学博士が唱えた。その根拠としては、当時の成人男性に必要な1日の摂取カロリーは2500キロカロリーから2700キロカロリーとされ、それを実現するためには1日3食が必要とした。

現代では成人に必要な摂取カロリーは平均1800キロカロリーから2200キロカロリーとされている。昔と現代では乗り物の発達や肉体労働の量などが大きく異なるため、当時の摂取カロリーのほうが多くなっている。

1日3食が推奨されるようになってから86年が過ぎ、環境やライフスタイルも多様化している。それにもかかわらず1日3食を基本にするというのは、誰もに当てはまる正解とは限らないのではないだろうか。

人によって食べるもの、量、時間は異なるので、必ずしも3食にこだわらなくてもいいと思える。そこで3食より少ない回数、多い回数の場合についてそれぞれ解説する。

●1日1食、1日2食の場合

お昼の国民的番組司会者だったあの有名人をはじめ、他にも多くの歌手や俳優らも実践していることを公表しているのが、1日1食のみの食事法だ。夕食のみという場合が多いようで、1日2食の人は忙しい人に多く、朝食を取らず昼と夜のみの食事パターンがほとんど。

普段2食もしくは3食の人にとっては、たったの1食では1日中空腹感がずっと続いて辛いのでは、と思うかもしれないが、実践している人によると、慣れると空腹感が気になることもなく、体は常に軽く頭はすっきりし快適なのだとか。

例えば、その1食でボリュームのあるものをしっかり食べるとしても、1食で食べられる量には限度があるから、1日の総摂取カロリーはおのずと少なくなる。摂取カロリーを気にせず好きなものが食べられるというのが、1日1食の大きなメリットいえる。

また、食べたものが胃で消化され腸から吸収されるには、ある一定の時間がかかる。食べる回数を減らすことで、その間胃腸を休ませることができるし、食後の眠気と戦うことも減る。

1日1食のみの食事法では、夕食のみという場合が多く、朝、昼は野菜ジュース類にとどめ、夕食を自由に食べられるが、1日の摂取カロリーは少なくなる。

現代人のように慢性的な運動不足に重ね、間食をし、夜は遅くまでお酒を飲んだり、おつまみを食べたりといった生活を送っていたら、1日3食食べていれば太ってしまうのは火を見るよりも明らか。だが、せめて健康的にと毎食節制しながら食べるのもなかなか難しい。であれば、1日1食にして、その1食は好きなように食べる方が、精神的な満足度は大きいだろう。

ノーベル賞を受賞した東京工業大学の大隅良典栄誉教授による研究では、空腹時間が続くことで、「オート・ファジー」と呼ばれる細胞のリサイクル化が起きることがわかっている。古いタンパク質を除去して新しく作り直すため、体は若返り免疫機能が高まるほか、腸内環境も整うため、便秘なども改善されるという。

食べたいものを食べられるという、ストレスフリーで体型を維持するには一見よいように思われる1日1食にもデメリットはある。

まず、1日3食に戻した時にリバウンドしやすいということ。1日1食をずっと続けるのであればこの恐れはないが、仮に一度トライし、目標体重まで落ちたから1日3食に戻すと、ひじょうにリバウンドしやすい。

また、空腹時間の長い1日1食や2食だと体が飢餓を感じ、次に入ってきた食事の栄養をしっかり蓄えようとする体になってしまう。

血糖値が急激に上がるリスクも考慮しなければならない。1食、2食の場合に限ったことではないが、かなりの空腹状態から一気に食べてしまうと血糖値の急上昇、急降下を起こし、その結果食べたものは中性脂肪になりやすい。これを防ぐには、食物繊維の多いものから食べ始める「食べる順番ダイエット」が有効だ。

●食事回数を増やしてみる1日4食、1日5食の場合

1日3食よりも回数の多い、1日4食や5食が一般的な国もある。例えばスペインだ。スペインでは1日5食がスタンダードだが、日本の3度の食事量を5回も食べているわけではない。

夕食を家族団欒(だんらん)の時間にし、ボリュームのあるものを持ってくることが多い日本に対し、スペインでは昼食が1日のうちのメインで、職場や学校でも昼休みの時間は長く取られ、一度帰宅し家族で食べるなど、会話をしながらゆっくりと食事を楽しむ。

その分、昼食以外の他の食事は、あくまでも軽めの傾向にある。そんなスペインの食文化だが、美に関心の高い海外セレブの間でも、1日5食がダイエットに効果的ということで数年前に話題となった。空腹に耐える必要がなく、ストレスが少なく、方法も簡単であることから人気が出たようだ。

また、特定の食べ物ばかりに制限されることもなく、食事の楽しみを維持できることもその特徴といえる。食事自体がカロリーを消費する行為なので、食事の回数と比例して1日のうちに体の代謝が上がる回数が増えること、また、栄養がこまめに補給されると脳が体内の栄養を消費してよいと判断し脂肪を蓄えなくなる、これが食事回数を増やすダイエットの仕組みといわれている。

海外の研究によると、3食の人より5食の人のほうが体脂肪率が少ないというデータが得られたそうだ。1日2食以下のように、過度な空腹から急激に満腹になることがないため、血糖値の上昇が緩やかになるというメリットがある。

5回も食べてダイエットになるの?と疑問が出てくるが、5回すべてをしっかり食べるのではなく、3度の食事量を5食に分けて食べるイメージだ。なので、量を少し減らした3度の食事プラス2度の軽食と考えられる。

食事のタイミングは、朝、昼、夜の3度の食事と、朝昼の間、昼夜の間の時間にそれぞれ軽食を摂る。これにより、ダイエットに付き物の空腹のストレスを感じることがない。空腹時間を短くすることで、1度の食事量は自然と減り、摂取カロリーもそれに伴い減少する。血糖値の急激な上昇も抑え、体脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できる。

2度の軽食に何を食べるかも大切になる。果物、野菜、卵料理、ナッツ(無塩のノンオイルローストタイプ)、チーズ、ドライフルーツなど、食物繊維やビタミン、ミネラルを補給できる栄養価の高いものを食べるようにしたい。避けてほしいのは、ドーナツ、ケーキ、クッキー、スナック菓子など脂質や炭水化物の多いものだ。

●1日3食にとらわれる必要なし!

1日の合計摂取カロリーや栄養素に極端な過不足がなければ、食事回数自体は自分のライフスタイルによって自由に変えられる。「食事は1日3回」という常識は一度取り払い、食欲がなければお腹が空くまで食べる必要はないし、自分に合った食事回数にしてみてもいいのではないだろうか。

農水省では現在も「1日3食を規則正しくとること」を推奨している。食事回数によって太る、やせるというのはさまざまなデータがあるが、夕食の量が多いと太りやすいのは確か。夜勤でもない限りは、夕食は軽めを心がけたい。