ホットペッパー調べ外食4月、14カ月ぶり増も19年比で5割減

【銀座新聞ニュース=2021年6月3日】大手情報会社のリクルート(4月1日付でリクルートライフスタイルを統合、千代田区丸の内1-9-2、グラントウキョウサウスタワー、03-6835-3000)の「食」に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」はこのほど、4月の「外食市場調査」を発表した。

串カツ田中ホールディングスは「串カツ田中築地店」(中央区築地6-9-5、03-6264-2794)など都内20区(葛飾区、足立区、江戸川区を除く)で6月13日までUberEatsを導入している店舗で「配達料無料キャンペーン」を実施している。

それによると、4月の首都圏・関西圏・東海圏(東名阪)の3圏域の外食市場規模は前年同月比108.5%増の1610億円と14カ月ぶりに前年を上回った。前年4月は第1回目の緊急事態宣言期間中だったため、市場規模としては倍増した。ただ、コロナ禍の影響がなかった2019年4月比では53.0%減で、3月(同51.3%減)からは1.7ポイント悪化している。

圏域別では首都圏が1014億円(同139.7%増、17カ月ぶりに増)、関西圏が373億円(同54.8%増、15カ月ぶりに増)、東海圏が223億円(同106.5%増、14カ月ぶりに増)と、いずれも前年を上回っている。ただ、圏域別の市場規模の2019年比では、首都圏で51.6%減、関西圏で60.6%減、東海圏で42.4%減といずれも下回っている。

外食単価は前年比236円プラスの2306円と6カ月ぶりに上昇(同11.4%増)、外食頻度(外食回数)が月3.36回で同0.18回増えて、昨年3月以来14カ月ぶりに上昇、外食実施率は同22.6ポイントアップの51.4%と2019年12月以来、17カ月ぶりに増加した。

外食実施率、頻度、単価すべてが前年比では回復傾向にあるが、前月比では外食実施率(3月56.1%)と単価(同2360円)が前月の水準を下回り、市場規模(同1788億円)も前月比では178億円減となっている。

また、主要16業種(調査は26分類)を対象とした外食市場規模は、すべての業種が前年比ではプラスとなった。しかし、2019年比では「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」の31.4%減が最高で、コロナ禍前の水準に戻った業態はないとしている。

外食単価は「フレンチ・イタリアン料理店(ファミリーレストラン以外)」が670円高の4065円、「カラオケボックス」が490円高の2713円、「和食料理店(すし、割烹、料亭、郷土料理専門店等)」が448円高の3649円など11業種が上昇した。

一方で、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」が1429円安の6742円、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」が1834円安の3447円、「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」が537円安の3248円、「ファミリーレストラン、回転すし等」が499円安の1458円など5業種が下落した。

調査は首都圏、関西圏、東海圏の各圏域中心部からの鉄道距離が、おおむね首都圏90分圏、関西圏80分圏、東海圏60分圏の市区町村に住む20歳から69歳までの男女を対象にインターネットによって実施した。

実施時期は事前調査を3月22日から4月1日まで49万8407件を対象に行い、回収数が3万2483件(回収率は6.5%)。本調査は4月30日から5月10日まで1万2200件を対象に実施し、回収数が1万0251件、回収率は84.0%、有効回答数が1万0125件だった。

本調査での「外食(実施率)」とは、夕方以降の時間帯で店で食事した場合を対象とし、1日2回までの外食を含んでいる。また、2019年4月から調査対象にコンビニなどの「イートイン」の選択肢を追加している。