丸善日本橋でディオール画家のグリュオ展、エルメス、ヴィトンも

【銀座新聞ニュース=2021年6月15日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は6月16日から29日まで3階スパインスペースで「ルネ・グリュオ作品とフランスヴィンテージブランドアート展」を開く。

丸善・日本橋店で6月16日から29日まで開かれる「ルネ・グリュオ作品とフランスヴィンテージブランドアート展」に出品される「CAFE(カフェ)」(リトグラフ、限定300部、自筆サイン入り、1989年)。

フランスのイラストレーターで、「20世紀モード画の歴史はグリュオの歴史」(丸善)ともいわれ、「線の魔術師」と呼ばれたルネ・グリュオ(Rene Gruau、1909-2004)のモード画や広告作品をはじめ、1920年代から1950年代のエルメス(Hermes)、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)などフランスのヴィンテージ広告作品を展示販売する。

ルネ・グリュオは1909年イタリア・リミニ生まれ、父親がイタリアの貴族、母親がフランス人で、幼少の頃から絵を描くことが得意で、両親の離婚に伴い、1924年に母親とともにパリに移り、14歳ころから雑誌に作品を発表し、18歳の頃にイタリアの雑誌「リデル(Lidel)」に取り上げられ、イラストレーターとしての地位を確立した。

1947年にフランスのファッションデザイナー、クリスチャン・ディオール(Christian Dior、1905-1957)の広告(ポスター)を手がけ、クリスチャン・ディオールのブランド画家となり、その後、オートクチュール全盛時代の1950年代、1960年代もクリスチャン・ディオールのポスターを継続的に制作し、さらに「マリークレール」や「ヴォーグ」、「フィガロ」などのモード雑誌の表紙を担当した。

その画風は「グリュオ・スタイル」と呼ばれ、フランスの画家、トゥルーズ=ロートレック=モンファ(Henri Marie Raymond de Toulouse-Lautrec-Monfa、1864-1901)と江戸時代末期の浮世絵師、歌川広重(1797-1858)の影響を受けて、大胆な線の流麗さ、洗練された構図、見る人をハッとさせるアイデアなどで時代を先駆けた。

自らの作品を効果的に見せるため、イラスト以外の作品のレイアウトなども自分で行い、広告の主流がイラストから写真に移っても、2004年3月3日に亡くなるまでイラストレーターとして描き続けた。「アイビーオンライン」によると、逝去に際して、フランスのメディアは「20世紀のファッションの歴史が逝った」と伝えた。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。