東宝5月映画、44倍の30億円、鬼滅の刃等牽引も、新作ゼロ響く

【銀座新聞ニュース=2021年6月11日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)はこのほど、5月の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年同月比4476.7%増の30億8703万円で、8カ月続けてプラスだったと発表した。

2020年10月16日に公開され、5月23日までの累計で興収400億1694万円を突破した。また、45カ国と地域で上映され、日本を含めた全世界での累計来場者数は約4135万人、総興行収入は約517億円に達した「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」((C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable)。

5月は例年、70億円前後と年間で5月、8月、12月に次いで売り上げが多い月のひとつで、2009年が67億円、2010年が61億円、2011年が65億円、2012年が85億円、2013年が43億円、2014年が77億円、2015年が81億円、2016年が82億円、2017年が66億円、2018年が67億円で推移し、2019年は114億円と5月として初めて100億円台を突破した。

しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、4月7日に「緊急事態宣言」が発令され、18日から全館休業を余儀なくされ、5月は6896万円と1億円を割った。

今年は4月5日から宮城県、大阪府、兵庫県に「蔓延防止等重点措置」が発令され、12日から東京都23区と多摩地区、京都府、沖縄県も同措置の対象となり、20日から埼玉、神奈川、千葉の3県も同措置が適用された。

25日から東京都、大阪府、兵庫県、京都府が3度目の「緊急事態宣言」を発令し、5月12日から福岡県と愛知県に同宣言の対象となり、16日から北海道、岡山県、広島県に同宣言を適用、5月31日まで延長された後、現在は6月20日まで延長されている。

これに伴い、5月末までは映画館は宣言適用地では自治体から休業を要請され、その後6月20日まで延長されたが、入場者数を制限することで6月から観客を入れて、営業を再開している。このため、2020年に続いて、5月の興行収入が30億円にとどまり、2019年比では73.9%減と大幅な減収となっている。

一方、トーホー(TOHO)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館(695スクリーン)の5月の入場料収入は前年5月に休業を強いられた反動もあって、同3002.5%増の17億7542万円だった。トーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのを止めている。

新たに5月7日に公開予定だった「ヒノマルソウル-舞台裏の英雄たち」は緊急事態宣言の発令に伴い、6月18日に延期され、新作はゼロだった。

また、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は5月30日までの累計で動員563万人、興収86.1億円を突破している。

さらに、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は2020年10月16日に公開され、5月23日までの累計で興収400億1694万円を突破している。また、4月23日からはアメリカをはじめ、台湾、香港、オーストラリア、中南米など45カ国と地域で上映され、日本を含めた全世界での累計来場者数は約4135万人、総興行収入は約517億円に達した。

興行通信社の映画興行ランキングによると、5月1日、2日の週は「名探偵コナン 緋色の弾丸」が3週目も1位、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が8週目で3位、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が29週目で4位、「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」が5週目で6位、「モンスターハンター」が6週目で7位、「奥様は、取り扱い注意」が7週目で9位と、トップ10入りは前週と同じく6本だった。

5月8日、9日の週は「名探偵コナン 緋色の弾丸」が4週目も1位、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が9週目で3位、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が30週目で5位、「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」が6週目で8位とトップ10入りは前週より2本減って4本だった。

5月15日、16日の週は「名探偵コナン 緋色の弾丸」が5週目で2位、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が10週目で4位、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が31週目で6位とトップ10入りは前週より1本減って3本だった。

5月22日、23日の週は「名探偵コナン 緋色の弾丸」が6週目で5位、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が11週目で6位、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が32週目で8位とトップ10入りは前週と同じく3本だった。

5月29日、30日の週は「名探偵コナン 緋色の弾丸」が7週目で4位、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が12週目で6位と、ついに「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が33週目にして初めてトップ10入りを逃し、前週より1本減って2本だった。

5月に映画館で上映された配給作品は「名探偵コナン 緋色の弾丸」、「劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班」、「映画モンスターハンター」、「奥様は、取り扱い注意」、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」など。