サニーヘルス、根菜、果実、穀類等で善玉菌増、糖質制限で腸内悪化も

【銀座新聞ニュース=2021年6月19日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「糖質制限は腸内環境を悪化させ太りやすくなる?」を発表した。

ダイエットを効率よくするには食物繊維が欠かせない。

糖質(炭水化物)は太りやすい食べ物とされ、控える人が増えており、糖質制限ダイエット(炭水化物抜きダイエット)は依然として人気のダイエット法となっている。しかしながら、糖質制限によってやせる人は確かに存在する一方で、体調を崩したり、やせてもリバウンドしたりする人もいることは見逃せないので、知識のない人が安易に飛びつくのはリスクがあるといえる。

しかも、やみくもに糖質制限をすると、腸内環境が悪化することはあまり知られていないのではないだろうか。一時的に体重が落ちたとしても、腸内環境の悪化により、太りやすい体質になってしまう可能性がある。

●腸内細菌により体質が左右される

「腸活」や「菌活」などのワードがポピュラーになったここ数年で、ダイエットや健康には腸内環境がひじょうに大きく関わっていることが広く知られるようになった。栄養の消化吸収を行い、有害なものは排出する器官である腸には、およそ100種から1000種、100兆個にも及ぶ腸内細菌が存在している。この菌群は腸内フローラ(腸内細菌叢=ちょうないさいきんそう)と呼ばれていて、菌の種類は大きく3つに分類され、善玉菌、悪玉菌、日和見菌がある。

菌の種類やバランスは、生活習慣、食べ物、年齢、ストレスなど多くの要因によって変化し、体調や体質までをも左右する。やせやすいか、太りやすいかという体質も、善玉菌の量やバランスによって変わってくる。

玄米、もち麦、全粒粉パン、ライ麦パン、そばなど色のついたもののほうが腸内で発酵する食物繊維が豊富に含まれている。

●善玉菌が作る短鎖脂肪酸がダイエットに有効

善玉菌は、食べ物に含まれる食物繊維やオリゴ糖を発酵させ「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」という物質を生成する。短鎖脂肪酸には酢酸、酪酸、プロピオン酸などがあり、脂肪の合成を防ぎ、過剰なエネルギーを脂肪細胞に取り込まないようにする働きや、全身の代謝を活性化するなど、生活習慣病や肥満対策には欠かせない物質とされる。

短鎖脂肪酸の働きはほかに、腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の活動を抑制、腸のぜん動運動を促進して便通を良くする、殺菌、抗炎症作用、腸のバリア機能を高める、幸せホルモン「セロトニン」の分泌を促進するなど、ひじょうに多岐に渡る。腸内の善玉菌が悪玉菌よりも優勢な状態であることにより、その力が最大限に発揮される。

●善玉菌のエサとなる「発酵性食物繊維」

短鎖脂肪酸は、消化されにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵させることにより生成される。糖質制限ダイエットで避けられている穀類には、糖質も多く含まれていると同時に食物繊維も含まれているため、穀類の摂取量を制限してしまうと、多くの善玉菌がエサ不足の状態となり、悪玉菌に対して劣勢、つまり腸内環境が悪化してしまう。

では、食物繊維を摂取するのであれば、糖質である穀類ではなく、野菜やきのこ類をたくさん食べればいいのでは?という疑問があるかもしれない。しかし、答えはノーで、それが大きなポイントとなる。

オートミールはダイエット中の腸活にもオススメの食品といえる。

●腸内で発酵するまでの時間差を利用する

食物繊維とひとくくりにいっても、食べ物の種類によって腸のどの部分で発酵するのか、発酵するまでの時間も異なる。大腸の入り口付近で善玉菌のエサとなり発酵するのは、玉ねぎやごぼうなど根菜類だ。食べてから4時間後から発酵がスタートし、同時に短鎖脂肪酸も発生する。

大腸の中間あたりでは、オートミールやフルーツが発酵する。大腸の出口付近で発酵するのは、小麦ふすま(小麦粒の外皮の部分や胚芽などの「表皮の部分」)や玄米などの全粒穀物、冷めた米や芋類に含まれているレジスタントスターチなど。食べてからおよそ10時間後に発酵がピークを迎え、同時に短鎖脂肪酸が生成される。

根菜、フルーツ、穀類といった食品をまんべんなく食べることで、腸内では善玉菌の活動が絶えず行われ、発酵が続き、より多くの短鎖脂肪酸を生み出すことができる。

●穀類は食べるべき 正しい糖質制限とは?

糖質制限ダイエットをしている人がリバウンドしやすいのは、腸内環境の悪化が原因という説がある。善玉菌で知られるビフィズス菌が生息しているのは、大腸の奥のほうのエリアであることが研究により明らかになっているが、大腸の奥まで届くことができるのは穀類の食物繊維だ。つまり糖質制限ダイエットで穀類や芋類を食べないと、ビフィズス菌がエサ不足に陥ることになる。

糖質制限ダイエットで制限するべき糖質は、穀類ではなく砂糖が使われたお菓子などだ。穀類は白米や白いパン、うどんなどではなく、玄米、もち麦、全粒粉パン、ライ麦パン、そばなど、色のついたもののほうが腸内で発酵する食物繊維が豊富に含まれている。間違った糖質制限はやめて、普段の主食はこうしたものを選ぶようにしたい。

腸内環境が変わるスピードは速く、24時間程度といわれている。なので、腸内発酵をする食物繊維が多い食事をしても、単発では効果は期待できない。続けることが何よりも重要なので、最低でも2週間は毎日こうした食生活を継続してみてほしい。今現在、自分の体質を何とかしたいと考えるのであれば、食べ物や生活習慣を見直す必要があるかもしれない。