ポーラ銀座で上村洋一とE・トゥタッチコワが「知床」展

【銀座新聞ニュース=2021年7月20日】化粧品業界国内4位のポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)が運営するポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル、03-3563-5501)は7月21日から8月29日まで上村洋一さんとエレナ・トゥタッチコワさんによる「Land and Beyond|大地の声をたどる」を開く。

ポーラミュージアムアネックスで7月21日から8月29日まで開かれる「Land and Beyond(ランド・アンド・ビヨンド)|大地の声をたどる」に出品される上村洋一さんの「phantom power(ファントム・パワー)」(2019年、サウンド・インスタレーション、流氷を溶かした水、グラス、ウーファースピーカー、鉄板、サウンド、Photo by Ken Kato)。

聴覚や視覚から風景を知覚する方法を探り、主にフィールド・レコーディングを素材にサウンド・インスタレーションや絵画作品、映像作品、サウンド・パフォーマンス、音響作品などを制作している上村洋一さんと、歩くという行為を通し、土地に秘めた物語を探り、写真、映像、文章、ドローイングなどで表現するロシアの上村洋一さん(Elena Tutatchikova)さんが、相互に交差する世界観を「知床」という土地(Land)から出発しながら、土地と人との関係をより普遍的に喚起しうるもの(Beyond)として、見る側に投げかける作品を展示する。

知床や北方圏をリサーチする四方幸子さんをゲストキュレーターに迎え、3者の現地滞在を含む対話を介して生み出された作品となる。上村洋一さんが4点、エレナ・トゥタッチコワさんが13点を展示する。

同じく出品されるエレナ・トゥタッチコワさんの「ひつじの時刻、北風、晴れ」より(2018年 c-print)。

エレナ・トゥタッチコワさんは、2014年に知床と出会って以来、何度もこの土地に赴き滞在し、現地では峰浜や朱円地区で人々と過ごし、周辺の浜辺や道、森を繰り返し歩き、「土や水、植物、動物、人間などあらゆる存在がそれぞれの言語で土地の物語を表現している」としている。

上村洋一さんは、フィールド・レコーディングを通じて海の波音や光、匂いに向き合う中で、世界が常に変化し、流動していることを身体で感じてきたという。かねてから流氷に惹かれ、2019年冬にフィールド・レコーディングのため知床を訪れ、厳寒の夜、流氷の上に佇み漆黒の闇にマイクを差し出し、その行為を「瞑想的な狩猟」と呼んでいる。

今回は、それぞれの思いで知床と向き合ってきた上村洋一さんとエレナ・トゥタッチコワさんの最新の歩みを、「ひとつの空間において交差させる試み」としている。

上村洋一さんは1982年千葉県生まれ、2008年に東京藝術大学油絵科を卒業、2010年に同大学大学院美術研究科修士課程を修了、同年に東京で個展、2011年に茨城県で個展、2015年に東京で個展、2019年に東京で個展、2021年に東京で個展を開いている。ほかに多くのグレープ展などに参加している。

エレナ・トゥタッチコワさんは1984年ロシア・モスクワ生まれ、2003年まで11年間、モスクワ国立音楽院付属中央専門音楽学校で音楽を学び、その後、ロシア国立人文大学の東洋文化・古典古代学部では日本文学を専攻、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現領域博士後期課程を修了している。

2015年に東京で個展、2016年に東京で個展、2017年に山梨、東京、京都などで個展、2018年に北海道と東京で個展、2020年に京都で個展、2021年に香川で個展を開いている。ほかにワークショップなども行っている。

開場時間は11時から19時で、入場は無料。