蔦屋書店で岡田佑里奈、神農理恵、山田康平ら若手4人展

【銀座新聞ニュース=2021年10月1日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座 蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は10月2日から13日まで6階「GINZA ATRIUM」で「RISING STARS展」を開く。

銀座 蔦屋書店で10月2日から13日まで開かれる「RISING STARS展」のフライヤー。

岡田佑里奈さん、神農(しんのう)理恵さん、スピリアールト・クララ(Spilliaert Clara)さん、山田康平さんの4人が、絵画、写真、立体など異なる表現方法を用いた多様な作品を展示する。

岡田佑里奈さんは、絵画と写真を組み合わせた表現方法により、モデリングペーストに転写した写真の表面をひび割れをさせることによって偶然性を生み出し、写真に対して新たなアプローチを試みる。

岡田佑里奈さんは、「この作品はコントロールの仕切れない一回性と偶然性により成り立っている。それは真の新たな見え方を表現した」とし、「自分自身の挑戦でもあり、写真に対して新たなアプローチ」という。

神農理恵さんは、クレヨン、ガムテープ、道で拾った石、ブロックなど、さまざまな物体を実際に眺めたり、触れたりすることで、形状、触感、色彩を理解し、硬質な素材と淡い色合いの組み合わせが特徴的な立体作品を制作している。

神農理恵さんは「制作は『あそぶ』ことであり、『あそぶ』ことをどこで止めるか見定めることである。いつも手探りな状態で居ることを保ち、『新たな良さ」を制作途中に見出して手を止めた瞬間に作品が完成する。それはまるで自分ではなくて作品そのものに意志が宿っていると感じる瞬間の時」としている。

主にベルギーを拠点に活動しているスピリアールト・クララさんは、異なる文化、歴史の中で人間が築いてきた自然界、動植物との関係を表わすことに関心を持ち、そこに自らの感覚を加えて新しいシンボルを生み出すために制作している。

スピリアールト・クララさんは「中世修道女が創り上げた『閉ざされた園』と、いけばなの世界を融合させた精密画シリーズから、一連の陶芸作品が生まれた。壺はふくらみ、母性と植物の繁殖力が重なり合う。最新作では結婚式の鳩を通して、人間の手と自然の関わり、シンボルとしての動植物という一貫した制作テーマを探」っている。

山田康平さんは刷毛(はけ)でグラデーションを作る、刷毛で重ね合わせて面を作る、線で輪郭を作るという3つのパターンを組み合わせて制作しており、言葉では表せないような「見えない力」、またそのようなものを作品にさらに取り込こもうとしている。

山田康平さんは「絵を描く時に、オイルを画面にたっぷりと垂らしてから筆を動かし始める。そうすることで、画面の中ではノイズを保ちながら、絵の具が滲み、垂れ、混ざることで様々な記憶、記号が湧き上がってくる。四角い画面の中で絵にするために、形になるものとならないものの行き来を画面の中で行っている」。

岡田佑里奈さんは1995年兵庫県生まれ、2018年に京都造形芸術大学を卒業、卒業時に卒業制作展で奨励賞、2020年に同大学修士課程を修了している。2017年に「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD#7(第7回東京フロントライン・フォトアワード)」で後藤繁雄賞、2018年に「ART AWARD MARUNOUCHI(アート・アワード・丸の内)2018」で後藤繁雄賞、2019年に「The Art of Color DIOR(アート・オブ・カラー・ディオール) 2019」で入選している。

神農理恵さんは1994年三重県生まれ、2015年に名古屋学芸大学メディア造形学部ファッション造形学科を中途退学、2018年に名古屋造形大学造形学部造形学科美術専攻コンテンポラリーアートコースを卒業、2020年に武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻彫刻コースを修了している。2019年に「群馬青年ビエンナーレ2019」で入賞、2020年に「CAF賞2020」で名和晃平審査員賞を受賞している。

スピリアールト・クララさんは1993年東京都生まれ、2009年にベルギーのAcademie Kunsthumaniora Brugge(アカデミー・クンシュマニオラ・ブルージュ)ファインアーツ科に留学、2011年に卒業、2014年にLUCA School of Arts(ルカスクール・オブ・アーツ) ファインアーツ版画ドローイング科を卒業、2015年に同学校ファインアーツ視覚芸術科を修了、2021年に同学校ファインアーツガラス陶芸科を卒業している。2020年に「CAF賞2020」で最優秀賞をを受賞している。

山田康平さんは1997年大阪府生まれ、2020年に武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻を卒業、京都芸術大学大学院修士課程芸術研究科芸術専攻に在籍している。2017年に「日本表現派展」で準同人賞、2019年に「kaya art competition(カヤ・アート・コンペティション)」で入選、「学生選抜展」で奨励賞、2020年に「FACE(フェイス)2020損保ジャパン日本興亜美術賞展」で入選、「CAF賞2020」で入選している。

時間は11時から19時。入場は無料。