ヴァニラ画廊でQpa10周年展、麻倉唯、重花、依子らBL作品

【銀座新聞ニュース=2021年10月6日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は10月6日から31日まで「Qpa展-10th Anniversary-Midnight Party」を開く。

ヴァニラ画廊で10月6日から31日まで開かれている「Qpa(クパ)展-10th Anniversary(10周年)-Midnight Party(ミッドナイトパーティ)」のフライヤー。

ボーイズラブ(BL)のデジタルコミック誌「クパ(Qpa)」(竹書房)は、「エロXロマンス→エロス」をテーマに2011年12月27日にスタートし、毎月1回(毎月24日)、「個性溢れる作家陣による、豊かなストーリーとキャラクター造形、そして骨太で大胆なエロティシズム表現で、数多の名作を生み出し」(ヴァニラ画廊)てきて、今年度で10周年を迎えた。

今回は、10周年を記念して、79人の作家陣によるコミックの名シーンや、単行本を彩ってきたカラー作品、展覧会のための描き下ろし作品を展示する。また、会場では作品の販売に加え、展覧会限定グッズも発売する。

出品するのは、碧本(あおもと)さりさん、麻倉カムイさん、麻倉唯さん、あずみつなさん、アラタアキさん、幾田むぎさん、イクヤスさん、いぬおかにいさん、上田アキさん、上原ありさん。

ウノハナさん、S井ミツルさん、おげれつたなかさん、お吉川京子さん(原作は阿賀直己さん)、おわるさん、かさいちあきさん、重花さん、春日絹衣さん、片霧ライラさん、加東鉄瓶さん。

鴨川ツナさん、烏間ルさん、久喜わかめさん、楔ケリさん、隈世アキさん、コウキさん。、児島かつらさん、紺子ゆきめさん、こん炉さん、佐久本あゆさん。

櫻川なろさん、爺太さん、末広マチさん、奏島ゆこさん、高崎ぼすこさん、高橋なめ子さん、篁アンナさん、多摩緒べべさん、珠きゅうりさん、ちしゃの実さん。

蔓沢つた子さん、寺嶋かなえさん、鳥丸太郎さん、中田アキラさん、那木渡さん、夏原サイケさん、なりた晴ノさん、なるせいささん、喃喃(なんなん)さん、仁神(にかみ)ユキタカさん。

にたこさん、はいしま潮路さん、灰田ナナコさん、はらださん、はるさん、ヒサオさん、緋汰しっぷさん、ひつじま羊さん、昼寝シアンさん、風呂前有さん。

ぺそ太郎さん、MAE(まえ)さん、松吉アコさん、ミギノヤギさん、三坂二ウムさん、みちのくアタミさん、芽玖いろはさん、望月うたさん、桃尻ひばりさん、森嶋ペコさん(原作:姉村アネムさん)。

山口すぐりさん、山佐木うにさん、やまちさん、雪国ウムさん、百合アズルさん、吉田ゆうこさん、依子さん、輪子湖わこさん、碗島子さん。

ウイキペディアによると、ボーイズ・ラブ(和製英語)とは、日本における男性(少年)同士の同性愛を題材とした小説やマンガなどのジャンルのことで、1990年代中盤から後半に使われるようになった。元々は「耽美(たんび)」や「ジュネ(JUNE)」の言い換え語だったようだが、のちにBL(ビーエル)と略されるようになった。

作家、編集者のほとんどは女性、読者の大多数も女性で、ゲイの男性向けの作品とは分かれている。確固とした概念ではなく、ボーイズラブとそれ以外のジャンルを明確に分けることはむずかしい。現在では、2次創作同人誌やウェブ上の作品もBLと呼ぶこともあるが、BLは基本的に商業出版寄りの言葉とされている。

1991年12月に「イマージュ」(白夜書房)が創刊され、キャッチコピーに「ボーイズラブコミック(BOY’S LOVE COMIC)」と冠した。BLロギア(logia)のぶどううり・くすこは、これが「ボーイズラブ」という言葉の初出であると考えられるとし、考案者は編集プロダクション「すたんだっぷ」代表の荒木立子(白城るた)さんとされている。マンガ家の河内実加さんも、自身のブログで「ボーイズラブ」はあらきりつこ(荒木立子)さんが命名したとしている。

2000年代初頭の10年ほどの間で、「やおい」や「BL」ジャンルの総称は、やおいからBLに移行している。マンガ、小説、ドラマCD、アニメ、ゲームといった異なるメディアの作品があり、相互に影響しあって発展してきた。

2014年の「美術手帖」の特集では、「BLのどこに魅力を感じるかは十人十色だが、 特筆すべきは”関係性”の表現にあると言えるだろう」や「描き手/読み手の心を時に癒し、時に興奮させ、ジェンダーやセクシュアリティーに対する固定観念を揺さぶり、 愛することや欲望の発露について思考をめぐらせるきっかけとなる」と紹介されている。

BL関連の日本の市場規模は、オタク市場に限れば215億円(2012年)、その他の市場まで含めれば350億円(2013年)ほどといわれ、レーベルは小説とコミックス合わせて100程度存在する。巨大な商業BLジャンルの背後には、それを上回る規模の同人、2次創作の世界が存在し、商業BLへの同人界からの影響はかなり大きいとされている。

日本を代表するポピュラー文化として国際的に知られ、海外各地でファン向けコンベンションの開催、日本の作品の翻訳、その影響を受けた海外作家の作品の出版が見られる。このようにグローバル化しながらも、各地でローカル化も進んでいる。

近年のボーイズラブはハッピーエンドのロマンスが多いが、シリアスからギャグまで多様であり、時代もの、ファンタジー、SF、ミステリーなど幅広い。西村マリさんは、マンガと小説が両立して存在する点でもめずらしいと述べている。

元々は少年同士、男性同士の同性愛を扱う作品は「耽美」または、耽美で背徳的、シリアスな少年・青年の同性愛ものを扱う女性向け雑誌「ジュネ(JUNE)」の名前からそのまま「ジュネ(JUNE)」と呼ばれていた。

「ジュネ」は、国内外、現在過去を問わず、小説やマンガ、イラストだけでなく、映画、音楽などあらゆる文化の「耽美」な部分をクローズアップして紹介し(例えば、ゲイ文学研究者・翻訳家の柿沼瑛子さんが洋書ガイドを連載していた)、さまざまな作品を掲載して美しい男性同士の関係が描かれた創作物「耽美」と呼ばれるジャンルを確立した。女の子向けの男性同士の恋愛ものが増えた初期には、書店では「耽美」というコーナー名が付けられ、少年愛ものと呼ばれることもある。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日、最終日17時)まで。入場料は800円。