ヴァニラで最合のぼると須川まきこ「暗黒絵本」刊行記念展

【銀座新聞ニュース=2021年11月15日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は11月16日から28日まで、須川まきこさんと最合のぼるさんによる「暗黒メルヘン絵本シリーズⅣ 甘い部屋」出版記念原画展を開く。

ヴァニラ画廊で11月16日から28日まで開かれる須川まきこさんと最合のぼるさんによる「暗黒メルヘン絵本シリーズⅣ 甘い部屋」出版記念原画展のフライヤー。

作家の最合(もあい)のぼるさんが文章と写真を手がけ、イラストレーターで、過去に血管肉腫により、右脚を切断している須川まきこさんがイラストを担当した「暗黒メルヘン絵本シリーズⅣ 甘い部屋」(発行・アトリエサード、発売・書苑新社、2481円)が11月19日に刊行されるのを記念して原画展を開く。

「暗黒メルヘン絵本シリーズ」は最合のぼるさんが内外の童話に着想を得た5巻完結のシリーズで、各巻ごとに幻想的な少女作品を描いているイラストレーターを起用し、2019年10月に第1巻「暗黒メルヘン絵本シリーズ 一本足の道化師」を刊行し、イラストは黒木こずゑさんがてがけた。第2巻が2020年3月の「夜間夢飛行」で、たまさんがイラストを担当、第3巻は2021年1月に「青いドレスの女」で、イラストは鳥居椿さんが担当した。

第4巻の「甘い部屋」は1.「ファニー・ドリーム 一寸法師/御伽草子」、2.「ロスト・エイジ 竹取物語」、3.「お買いもの 手袋を買いに/新美南吉」、4.「甘い部屋 鶴の恩返し」の4編が載っている。

最合のぼるさんは2001年に劇場作品「クリスマス・イヴ」の映画脚本でデビュー、ライトノベルや小説を執筆、2004年に実験的試みの小説「Hooichi(ホウイチ)-活字絵巻もう一つの耳なし芳一」を刊行、同書の出版記念イベントでは、自著の朗読と総合演出を行う。

2005年に「雨宮コクト」名義でBL(ボーイズラブ)系作品「幻想少年譚 月彦」の原作小説本を刊行、シリーズプロデュース&ドラマCDの脚本を担当、2006年ころより、「あらしのよるに」や「千の風になって」などドラマCDの脚本を手がけ、2007年にテレビドラマ「地獄少女」の4、5話、最終話前後編の脚本を担当した。

2008年にドラマCD「なかよし公園」で演出を担当、2009年に「もあいのぼる」名義でライトノベル「グレイスドア」シリーズを刊行、2011年11月に体感型ビジュアルサウンドドラマ「ヒカリ」の脚本を担当、2012年に黒木こずゑさんとの競作集「真夜中の色彩 闇に漂う小さな死」でブックデザインを担当した。

レイアウトやタイポグラフィなどで視覚効果もある独特の物語空間をつくり、ブックデザインも自ら手がけ、自著の世界観を具現化したオブジェの制作や、音楽家との朗読ライブの企画演出なども行っている。

須川まきこさんは和歌山県田辺市生まれ、京都造形芸術短期大学専攻科を卒業、デザイン事務所「広告丸」に入社し、イラストを描き、その後、個展や国内外の企画展に参加、海外ではイタリア・ローマのギャラリーで個展、ポートランド、フロリダ、パリなどでも作品を発表した。

ヨーロッパのファッション雑誌「ニコ・マガジン(Nico magazine)」をはじめ海外の雑誌の表紙も手がけ、2016年に六本木ヒルズで行われたファッションショー「ホワイトヴィーナス」の一連のコスチュームデザインを担当した。小さな大展覧会大賞、高島屋クリスマスイラスト展大賞などを受賞している。紀の国トレイナートでは南部駅の駅舎に絵を描き、JR西日本公認アーティスト駅長に任命されている。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日17時)で、入場料は800円。事前にオンラインで予約する。期間中、無休。

また、ヴァニラ画廊限定で「甘い部屋」を購入すると(通販含む)、男性一人ユニット「アニュウリズム」さんによるイメージ曲「夜の声」(作詞はアニュウリズムさん、最合のぼるさん、作曲・唄はアニュウリズムさん)オリジナル音源ダウンロード特典がある。