インド、新変異株12州に拡大、世界1周中の占い師Mayuに触発(86)

【モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記=2021年12月28日】12月15日現在、「オミクロン株」が世界77カ国に急速な広がりを見せる中、インドでもカルナータカ(Karnataka、3人)、マハラシュトラ(Maharashtra、28人)、デリー(Delhi、6人)、ラジャスタン(Rajasthan、17人)、グジャラート(Gujarat、4人)、ケララ(Kerala、1人)、アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh、1人)。

アメリカ・ニューヨーク港内、リバティ島にある自由の女神像(画像はいずれもウィキペディアより)。私もいつか、軟禁から解放されて、自由に飛び立てる日が来るだろうか。

テランガナ(Telangana、3人)、連邦直轄領チャンディガール(Chandigarh、1人)、西ベンガル(West Bengal、1人)、パンジャブ(Punjab、1人)、タミルナドゥ(Tamil Nadu、1人)ら12州で計67例の新変異種が見つかり(著者注:17日付け101例、2週間で100超)、現在カルナータカ・マハラシュトラ・ラジャスタン3州(著者注:ケララも後日追加)は、日本の水際対策の強制隔離措置3日間を義務付けられている。

南アフリカ、ナイジェリアなどのアフリカ諸国とインドのビジネス交流は盛んで、特に南アとは同じ元英植民地で20年来、経済・文化面での交流があるため、未だ外国人の入国禁止措置が取られない以上、流入は止められず、今後の蔓延が憂慮される。

デルタ株に比べ、症状はマイルドと軽視されがちの世論が広まる中、イギリス(18日付陽性者は9万人台と最多マーク)では同株による初の死亡者が出て、ボリス・ジョンソン(Alexander Boris de Pfeffel Johnson)首相は、ブースター接種を加速化している。にもかかわらず、15日には、既に新変異株の市中感染は20万人以上の人に広まっているとの推定から、アフリカ南部11カ国からの隔離措置を免除した(南アフリカと周辺10カ国は政府指定のホテルで2週間隔離)。

WHO(World Health Organization、世界保健機関)は世界の過少評価の動きに警鐘を鳴らし、既にほとんどの国に広がっている現状を懸念、ブースターに走る先進各国に、10%未満の接種率の低い途上国が41カ国にのぼることをあげ、ワクチン格差を憂えている。

インド全土(人口13億8000万人)の新規陽性者数は7000人を切り(6984人、感染総数3470万人、死者47万6000人、新規死者247人)、減少し続けているが、感染力の強い新変異株が地方に広まるのは時間の問題で、第3波は免れないだろう。

ただし、デルタ大爆発で集団免疫ができている都市部は、第2波ほどのTSUNAMI(ツナミ)ではないだろうとの希望的観測も出ている。

ニューヨーク市マンハッタン区のミッドタウンにある繁華街、タイムズスクエア。私が心酔する占い師マユさんはニューヨーク到着夜、颯爽と単身バーに乗り込み、大都会のナイトライフを満喫、コロナどこ吹く風のマスクゼロ密バーのるつぼに、インドで囚人生活に甘んじている私は羨望と驚きを禁じえなかった。

日頃から疫病が蔓延する衛生環境だけに、無菌社会の先進国に比べ強い免疫体質が培われていることも、有利に働くのではと予測されている。

当オディシャ州(Odisha、人口4600万人、感染総数105万人、新規175人、死者8437人、新規死1人)では、いまだオミクロン株は見つかっておらず、当地プリー(Puri)も依然経済活動が活発化しているが、南隣のアンドラプラデシュ州と北隣の西ベンガル州での発見を受けて、州境は流入者への警戒を強めている。

嵐の前の静けさというか、結婚シーズンの今は大・中ホテルが式場に早変わり、賑やかな婚礼バンドを引き連れた行進が路上を占拠、練り歩く縁者の乱舞に合わせて大音響のヒンディー映画音楽が鳴り渡る昨今た。

クリスマスから年末にかけては旅行者も殺到し、まずは平和な年明けが迎えられるのではないかと想像しているが、1、2月の急増が予測され、波乱含みの新年となることは避けられそうにない。

推論通り、重症者や死者が少なく、5月のデルタ大爆発時のように阿鼻叫喚の地獄の二の舞とならぬことを祈るばかりだ。

〇Mayuさん、ニューヨークへ!/「本物の自由を手に入れるためには」(Mayu Synergy)

以前紹介したタロット占いはじめのスピリチュアル関連動画を発信するマユさんが、3年暮らした東京のアパートを引き払って、世界一周の旅に出た。

動画で前もって予告されていたので、近々とは思っていたが、14日のサブチャンネルでは既にニューヨークのホテルに着いており、あっと驚く素早さで圧倒された。

彼女の行動力に、凄い!のコメントが殺到していたが、文字通りオーサムの言葉しかない。背負うものが何もないゼロからの出発で、真の自由を手に入れて、じわじわと背後から湧き上がってくる泡粒のような感動に突き動かされて、視聴者にメッセージを伝える彼女のパワーに圧倒された。

5年前彼女が離婚に至った経緯は、愛憎問題からではなかった。公認会計士の夫と3人の子ども、高級マンションで恵まれた主婦としての毎日を送っていたが、満たされなかった。自分に備わっていると感じていたスピリチュアル能力を試したかった、直感で人々を救える、たくさんの人が私を待っていると思ったのだ。

それでも、嫌いになったわけでない夫や、成人したとはいえ3人の子どもたちに自分のわがままから見切りをつける決心がつかず、長いこと悩み続け、ついにどうにもならなくなって、逃げるように飛び出すことを余儀なくされた。離婚したあとは金欠、電話占いや知り合いのバーの手伝いをしながら食いつなぐ。

そして、ある日なけなしの金をはたいてiPhoneを購入、ツールを電話からネットに変えて、タロット占い動画を発信し始め、徐々に登録者数も増えて、月60万円稼げるYouTuberへと鮮やかな変身を遂げたのだ。

私自身、この2年間のインドの隔離生活中、いろんなことがあった。日本の母に最期の対面叶わずして死なれたのは、ことにきつかった。そんなハードシップの中、タロット占いはカウンセラーのような役割を果たし、私の拠り所、支えとなってくれた。何人ものタロット動画を見たが、1番パワフルなメッセージをくれたのがマユさんだった。サンフランシスコに10年の滞在歴があり、英語に堪能なことも、海外在住の私には、ピンとくるものがあった。

彼女の動画でスペインのバーチャルツアーを楽しみ、今またメキシコをも楽しもうとしている。いずれも、私が行きたいと焦がれていた国だ。いつか現実に行けることを夢見て、先陣を斬る風のようなマユさんを憧れの目で追い続ける。

まるで存在そのものがパワースポットのような彼女を。魂の欲求に忠実に従うと、パンデミック(世界的大流行) 下の旅行ですら、なんの支障もなく、スムーズに運ぶという奇跡をマユさんは身を持って、教えてくれた。

行きたいと思ったときがベストタイミング、自ら行動指針を示し、勇気とパワーをくれる彼女、自分に正直で飾らず、弱ささえも臆することなくさらけ出して、視聴者をインスパイアし続ける彼女、動画越しながら出会えた奇跡に感謝したい。

いつかきっと、マユさんの足跡を辿る旅に私も出る、歳は関係ない、いくつであろうと、がんじがらめの窮屈な人間の型から抜け出て、規格外れのモンスターになるのは遅くないと教えてくれたのはマユさんだ。

そのとき、私は真の自由を手に入れて、愛の伝道師として、大勢の人にポジティブな刺激を与える救世主、Mayu2世になっていたい。

(「インド発コロナ観戦記」は「観戦(感染)記」という意味で、インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いており、随時、掲載します。モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、コロナウイルスには感染していません。また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。

2021年12月19日現在、世界の感染者数は2億7470万2686人、死者は535万4456人(回復者は未公表)です。インドは感染者数が3474万6838人、死亡者数が47万7554人(回復者は未公表)、アメリカに次いで2位になっています。

ちなみにアメリカの感染者数は5084万6828人、死亡者数が80万6439人(回復者は未公表)、日本は感染者数が173万0473人、死亡者数が1万8392人、回復者が171万0975人(ダイヤモンド・プリンセス号を含む)。インドの州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています。

また、インドでは2020年3月25日から4月14日までを「ロックダウン1.0」とし、4月14日から5月3日までを「ロックダウン2.0」、5月1日から17日までを「ロックダウン3.0」、18日から31日を「ロックダウン4.0」、6月1日から6月末まで「アンロックダウン(Unlockdown)1.0」、7月1日から「アンロックダウン2.0」と分類していますが、原稿では日本向けなので、すべてを「ロックダウン/アンロックダウン」と総称しています。

ただし、インド政府は2020年5月30日に感染状況が深刻な封じ込めゾーンについては、6月30日までのロックダウンの延長を決め、著者が住むオディシャ州は独自に6月末までの延長を決め、その後も期限を決めずに延長しています。この政府の延長を「ロックダウン5.0」と分類しています。2021年3月から第2波に突入するも、中央政府は全土的なロックタウンはいまだ発令せず、各州の判断に任せています。マハラシュトラ州や首都圏デリーはじめ、レッドゾーン州はほとんどが州単位の、期間はまちまちながら、ローカル・ロックダウンを敷いています。編集注は筆者と関係ありません)。