東宝5月映画、3倍増の87億円に、コナン、ウルトラマン等が好調

【銀座新聞ニュース=2022年6月10日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝（千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221）は6月9日に5月の映画営業部門興行成績（速報ベース）が前年同月比182.4％増の87億1920万円で、3カ月ぶりにプラスとなったと発表した。

5月は例年、70億円前後と年間で5月、8月、12月に次いで売り上げが多い月のひとつで、2009年が67億円、2010年が61億円、2011年が65億円、2012年が85億円、2013年が43億円、2014年が77億円、2015年が81億円、2016年が82億円、2017年が66億円、2018年が67億円で推移し、2019年は114億円と5月として初めて100億円台を突破した。

しかし、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、4月7日に「緊急事態宣言」が発令され、4月18日から全館休業を余儀なくされ、5月は6896万円と1億円を割った。2021年は4月5日から宮城県、大阪府、兵庫県に「蔓延防止等重点措置」が発令され、4月12日から東京都23区と多摩地区、京都府、沖縄県も同措置の対象となり、4月20日から埼玉、神奈川、千葉の3県も同措置が適用された。

4月25日から東京都、大阪府、兵庫県、京都府が3度目の「緊急事態宣言」を発令し、5月12日から福岡県と愛知県も同宣言の対象となり、5月16日から北海道、岡山県、広島県に同宣言を適用、5月31日まで延長された後、6月20日まで再度延長された。これに伴い、5月末までは映画館は宣言適用地では自治体から休業を要請された。このため、2020年に続いて、2021年5月の興行収入も30億円にとどまり、2019年比では73.9％減と大幅な減収となった。

2022年は3月21日に「蔓延防止等重点措置」が解除され、4月は1月以来の70億円台を回復し、5月は前年比でほぼ3倍増となり、2022年では最高になった。

一方、トーホー（TOHO）シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館（695スクリーン）の5月の入場料収入は同238.2％増の60億406万円だった。トーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのを止めている。

新たに5月に公開された映画は13日からの「シン・ウルトラマン」1本のみだった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、4月30日、5月1日の週は「名探偵コナン　ハロウィンの花嫁」が3週目も1位、「映画クレヨンしんちゃんもののけニンジャ珍風伝」が2週目も2位、「劇場版ラジエーションハウス」が初週で4位、「映画ドラえもん　のび太の宇宙小戦争（リトルスターウォーズ）2021」が9週目で8位と、トップ10入りは前週と同じく4本だった。

7日、8日の週は「名探偵コナン　ハロウィンの花嫁」が4週目も1位、「映画クレヨンしんちゃんもののけニンジャ珍風伝」が3週目で3位、「劇場版ラジエーションハウス」が2週目で6位、「映画ドラえもん　のび太の宇宙小戦争（リトルスターウォーズ）2021」が10週目で10位と、トップ10入りは前週と同じく4本だった。

14日、15日の週は「シン・ウルトラマン」が初週で1位、「名探偵コナン　ハロウィンの花嫁」が5週目で2位、「映画クレヨンしんちゃんもののけニンジャ珍風伝」が4週目で4位、「劇場版ラジエーションハウス」が3週目で8位と、トップ10入りは前週と同じく4本だった。

21日、22日の週は「シン・ウルトラマン」が2週目で1位、「名探偵コナン　ハロウィンの花嫁」が6週目で3位、「映画クレヨンしんちゃんもののけニンジャ珍風伝」が5週目で5位と、トップ10入りは前週より1本少なく3本だった。

28日、29日の週は「シン・ウルトラマン」が3週目で2位、「名探偵コナン　ハロウィンの花嫁」が7週目で4位、「映画クレヨンしんちゃんもののけニンジャ珍風伝」が6週目で5位、「劇場版呪術廻戦 0」が23週目で8位に返り咲き、トップ10入りは前週より1本多く4本だった。

5月に映画館で上映された配給作品は「シン・ウルトラマン」（2022年5月13日公開）、「劇場版ラジエーションハウス」（4月29日公開）、「名探偵コナンハロウィンの花嫁」（4月15日公開）、「映画クレヨンしんちゃんもののけニンジャ珍風伝」（4月22日公開）、「映画『おそ松さん』」（3月25日公開）、「映画ドラえもんのび太の宇宙小戦争 2021」（3月4日公開）、「劇場版呪術廻戦 0」（2021年12月24日公開）など。