資生堂パーラーで八甲田牛カレーや帆立貝のスープカレー等

【銀座新聞ニュース=2022年7月29日】国内最大の化粧品メーカーの資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)が運営する「資生堂パーラー銀座本店」(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル、03-5537-6241、0120-471-004)は8月2日から31日まで「真夏のカレーフェア2022」を開く。

資生堂パーラー銀座本店で8月2日から31日まで開かれている「真夏のカレーフェア2022」で提供されるカレーライス。左下から時計順に、八女茶のリゾットと函館産殻付き帆立貝のアクアパッツァ風スープカレ、アナゴのフライと果実味たっぷりのカレーライス、
幻の“八甲田牛“プレミアムカレーライス、津軽鴨“モモ肉のコンフィスープカレー、和牛サーロインステーキのカレーライス。

幻の「八甲田牛」(日本短角種)を使ったプレミアムカレー、和牛サーロインステーキのカレーライス、アナゴのフライと果実味たっぷりのカレーライスなど今回も資生堂パーラーならではの、オリジナルカレーを提供する。

「幻の“八甲田牛“プレミアムカレーライス」(5500円)は八甲田牛のなかでも柔らかい部位だけを選び、じっくり煮込み、とろけるような牛肉と玉ネギの甘みを感じるカレーソースと組み合わせている。カレーソースには資生堂パーラー特製のカレーソースにデミグラスソースとトマト、ビーフシチューソースを合わせたオリジナルという。

「和牛サーロインステーキのカレーライス 夏野菜添え」(4800円)は和牛サーロインを資生堂パーラー特製のカレーソースで召し上がるというもので、ギャルソンが仕上げにコニャックでフランベする。パプリカの赤色と黄色のソースが鮮やかで、ステーキの脇にはメイクイーンのテリーヌにズッキーニのピューレをのせたものと、ナスにラタトゥイユをのせて焼き上げたものを添えてある。

「アナゴのフライと果実味たっぷりのカレーライス」(3300円)はさまざまな果実と南国フルーツ特有の味わいをルウに溶け込ませ、フルーティーなカレーソースに仕上げてある。アナゴのフライとの相性もよく、マンゴー果肉も添え、ウニライスで食べる。

「北海道函館産 殻付き帆立貝のアクアパッツァ風スープカレーと八女茶のリゾット」(3300円)は魚介類(鮮魚、エビ、帆立貝)とアスパラガス、カボチャ、ブロッコリー、プチトマトといった野菜をスープ・ド・ポワソン(魚のスープ)でアクアパッツァ(魚をオリーブオイルやにんにくでソテーし、白ワインやトマト、あさり、水などで煮込んである)に仕立てあげたスープカレーで、福岡県産の「八女茶」を使ったリゾットと一緒に食べる。

「“津軽鴨“モモ肉のコンフィ エピス香るスープカレー ジャスミンライスを添えて」(2800円)は青森県産の純血フランス鴨(バルバリー種)のモモ肉を使い、低温でやわらかく調理し、ゴーヤ、ナス、ゴボウとサフランで黄色く色付けしたゆで卵を添えてある。スパイシーなスープカレーにはトマトピューレ、チキンブイヨン、スパイス、オニオンを加え、タイ米をジャスミン茶で炊き上げたライスと一緒に味わえる。

ウイキペディアによると、カレーライスはインド料理を元に英国で生み出され、それに日本でアレンジが加えられたとされている。インドのカレーより、とろみが強く、英国海軍のメニューに採用されたとき、船の揺れに対応するためという説や、ソースを重視するフランス料理の手法を取り入れたとの説がある。

日本に初めてカレーライスの調理法を紹介したのは、1872年に出版された「西洋料理指南」で、食材として「ネギ、ショウガ、ニンニク、バター、エビ、タイ、カキ、鶏、アカガエル、小麦粉、カレー粉」を挙げている。同書にはインドのチャツネも掲載されているが、カレーとは結び付けられていないという。

また、同年に出された「西洋料理通」では「牛肉、鶏肉、ネギ、リンゴ、小麦粉、ユズ、カレー粉」を挙げている。しかし、カエル肉を使ったレシピは普及せず、ネギ(長ネギ)も大正時代にほぼタマネギに替わられた。大正時代後期(1923年の関東大震災後)には、そば屋がカレー南蛮やカレー丼のような和洋折衷料理を出すようになり、国産の安価なカレー粉が登場したことで、このころに現在の日本のカレーライスの原型が完成したと考えられている。

1873年に陸軍(幼年生徒隊)食堂の昼食メニューにライスカレーが加えられ、1876年に札幌農学校(現北海道大学)の教頭だったウィリアム・スミス・クラーク(William Smith Clark、1826-1886)が「生徒は米飯を食すべからず、但しらいすかれいはこの限りにあらず」という寮規則を定めた。

1877年に東京の洋食食堂「風月堂」が初めて日本でライスカレーをメニューに載せた。1908年に帝国海軍が配布した「海軍割烹術参考書」に「カレイライス」のレシピが載せられた。その後、新宿中村屋や資生堂パーラーや阪急百貨店などでカレーライスが発売されたが、1941年から1945年まで食料統制のため、軍用以外のカレー粉製造販売が禁止され、陸軍ではライスカレーのことを「辛味入汁掛飯」と言い換えた。1946年にカレー粉の製造販売が再開され、カレーメーカーは宣伝カーを使用して主婦へカレーのレシピを教えるなど、一般家庭への普及に努めた。

現在、日本の家庭ではカレー粉、小麦粉、油脂、うま味成分などを固形化した「インスタント・カレールウ」を使って調理することが多い。1926年にハウス食品(当時は浦上商店)が「ホームカレー粉」の商品名で初めて発売し、固形製品は1954年にエスビー食品が初めて発売した。また、カレーの具としてジャガイモ、ニンジン、タマネギが不可欠となっている。

農林水産省総合食料局食品産業振興課によると、2008年度のカレー粉の生産量(同年度で調査終了)が8406トン(前年度比10.1%減)、金額が71億円(同2.0%減)、カレールゥの生産量が10万5164トン(同1.6%増)、金額が860億円(同4.0%増)となっている。とくにカレールゥの生産金額は2000年度の856億円から2006年度まで減少が続いていたが、2007年度に増加に転じている。日本経済新聞によるとカレールゥのシェアはハウス食品が約61%、エスビー食品が約28%、江崎グリコが約10%と推計され、ほぼ3社による寡占市場となっている。

また、日本海軍では土曜日の昼食はカレーライスと決められていたが、これは海上自衛隊にも引き継がれている(週休2日制からは金曜日に変更)。長期航海中に曜日の感覚を取り戻すためだとも、休日前に食料庫の整理をするためともいわれている。また、陸上自衛隊では各部隊ごとに独自のレシピによるカレーがあり、催事などで一般の見学者に振舞われている。

資生堂パーラーのカレーソースは3日かけて作られている。ラードで玉ねぎ、にんにく、しょうがをゆっくり揚げ、香りが移ったら、小麦粉とカレー粉を合わせて炒め、オーブンへ入れて1時間焼き、焼き色がついて深みのあるとび色になると、鶏ガラ、香味野菜、ブイヨンを加えて煮込み、ていねいにこして、まろやかでコクがあるカレーソースが出来上がるという。ごはんは銀製のアントレディッシュに、カレーソースはソースポットで提供される。

また、8月2日から31日まで「シェフのお薦めコース」を提供する。「ランチAコース」(6500円)は前菜、本日のスープ、魚料理または肉料理、デザート、コーヒー。「ディナーAコース」(7500円)はアミューズ、前菜、スープ、魚料理または肉料理、デザート、コーヒー。「ランチBコース/ディナーBコース」(9800円)はアミューズ、前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザート、コーヒー。

ランチAコースにある「本日のスープ」は「トマトの冷製スープ“ガスパチョ”」というトマトの冷製スープを提供する。

「前菜」は「京鴨とフォアグラのテリーヌ ポルト酒の香り」で、京鴨とフォアグラのテリーヌには甘辛く煮込んだナスのチャツネを添えてある。

魚料理は「クレピネットで包み 蒸し焼きにしたスズキ 赤ワインソース」で、アボカドをグラタン風に焼き上げ、ゴルゴンゾーラチーズの上に蒸し焼きにしたスズキをのせている。

肉料理は「ベーコンで巻いた豚フィレ肉のロースト オレンジソース」で、ベーコンで巻いた豚フィレ肉のローストの上にはオクラをのせてある。オレンジジュースとフォンドボーを合わせたソースと共に食べられる。また、2000円追加すると「和牛フィレ肉のステーキ お好みのソースで」に代えられる。

「デザート」は「ヨーグルトとブルーベリーのコンビネーション」、もしくは「プラリネとショコラのマリアージュ」から選べる。

営業時間は11時30分から21時30分。ほかにサービス料が10%かかる。月曜日が休み(祝日は営業)。