東宝8月映画、半減で3カ月連続、新作1本のみ、ポケモン3本も及ばず

【銀座新聞ニュース=2022年9月10日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)は9月9日、8月の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年同月比45.7%減の41億5082万円で、3カ月続けてマイナスになったと発表した。

7月15日に公開された「キングダム2 遥かなる大地へ」((C)原泰久/集英社(C)2022 映画「キングダム」製作委員会)は8月23日までに累計で動員が320万人突破、興収が45億3000万円で、前作の2019年公開の「キングダム」(興収57億3000万円)と合わせて、100億円を突破した。

2022年は1月7日から「まん延防止等重点措置」が沖縄県など3県に、東京都など1都9県に1月27日から発動され、その後、順次適用地域の拡大と期限延長を繰り返したが、3月21日付で全国的に「まん延防止等重点措置」が解除され、8月は行動制限のない夏となった。

8月は例年なら、100億円前後と毎年最大の需要期で、2013年が113億円、2014年が120億円、2015年が111億円、2016年が104億円、2017年が80億円、2018年が123億円、2019年が115億円で推移してきた。しかし、新型コロナの感染拡大により、2020年が89億円、2021年が76億円と2年連続で100億円を割っていた。2022年8月は行動制限がないものの、感染拡大が続いており、前年の半分以下にとどまった。これで6月26億円、7月42億円、8月42億円と3カ月続けて50億円以下を割った。

一方、トーホー(TOHO)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館の8月の入場料収入は同53.4%増の78億7172万円だった。トーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのを止めている。

新たに8月に公開された映画は26日の「アキラとあきら」の1本のみだった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、8月6日、7日の週は「キングダム2 遥かなる大地へ」が4週目で4位、「今夜、世界からこの恋が消えても」が2週目で6位、「ゴーストブック おばけずかん」が3週目で7位と、トップ10入りは前週と同じく3本だった。

13日、14日の週は「キングダム2 遥かなる大地へ」が5週目で4位、「劇場版ポケットモンスター水の都の護神ラティアスとラティオス」が初週で7位、「今夜、世界からこの恋が消えても」が3週目で8位、「ゴーストブック おばけずかん」が4週目で10位と、トップ10入りは前週より1本増えて4本だった。

20日、21日の週は「劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション七夜の願い星 ジラーチ」が初週5位、「キングダム2 遥かなる大地へ」が6週目で6位と、「今夜、世界からこの恋が消えても」が4週目で7位と、トップ10入りは前週より1本減って3本だった。

27日、28日の週は「アキラとあきら」が初週3位、「劇場版ポケットモンスターダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」が初週5位、「キングダム2 遥かなる大地へ」が7週目で8位と、トップ10入りは前週と同じく3本だった。

8月に映画館で上映された配給作品は「夏の思い出、ゲットだぜ!25周年ポケモン映画祭」(8月11日から9月8日まで3作品を公開)、「アキラとあきら」(8月26日公開)、「今夜、世界からこの恋が消えても」(7月29日公開)、「ゴーストブック おばけずかん」(7月22日公開)、「キングダム2 遥かなる大地へ」(7月15日公開)、「シン・ウルトラマン」(5月13日公開)、「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」(4月15日公開)など。