丸善丸の内で磯部光太郎、花菱慧、川上真子ら「万葉言の葉」展

【銀座新聞ニュース=2022年9月20日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は9月21日から27日まで4階ギャラリーで「第3回万葉の言の葉-注目作家9人の表現」を開く。

丸善・丸の内本店で9月21日から27日まで開かれる「第3回万葉の言の葉-注目作家9人の表現」に出品される磯部光太郎さんの「Biotop(バイオトップ)喜雨」。

「万葉集」の時代に「日本人の思惟や感性の多くは形成していたとされ、その言葉からは面影、音、肌ざわりなど、生み出される情景と雰囲気が伝わってくる」(丸善)。今回は「さまざまな万葉の言葉の中から特別に浮かび上がる、個性あふれる表現空間へとご案内」する。

2018年9月に第1回目を4人で開き、2020年の第2回目は6人に増え、今回は日本画の磯部光太郎さん、川本淑子さん、楚里勇己(そり・ゆうき)さん、花菱慧さん、八木恵子さん、陶芸家の川上真子さん、田中陽子さん、田村星都(せいと)さん、渡辺秀代さんの9人が「万葉の言の葉」の中から特別に浮かび上がる作品を展示する。

ウイキペディアによると、万葉集は7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集で、天皇、貴族から下級官人、防人(さきもり)などさまざまな身分の人間が詠んだ歌4500首以上を集めており、成立は759(天平宝字3)年以後とみられている。

日本文学における第一級の史料であると同時に、方言による歌もいくつか収録されており、そのなかには詠み人の出身地も記録されていることから、方言学の資料としても重要な史料とされている。

万葉集の成立に関しては詳しいことはわかってないが、大伴家持(おおともの・やかもち、718-785)編さん説が最有力とされている。ただ、1人の編者によってまとめられたのではなく、巻によって編者が異なり、大伴家持の手によって20巻に最終的にまとめられたとするのが妥当とされている。

磯部光太郎さんは1970年東京都生まれ、1995年に東京芸術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業、在学中の1994年に蓮華寺天井絵制作に参加、1997年に同大学大学院美術研究科日本画専攻の修士課程を修了、天龍寺天井絵制作にアシスタントで参加、富村村営公共施設壁画制作に参加した。

1998年に国宝中尊寺金色堂(内陣巻柱)の復元模造、復元模写図を担当、2010年にアートアワード・ネクスト審査員賞、2013年に鎌倉市観光協会より「うちわ」原画制作を依頼され、2016年に絵本「あまがえる、のはらへ」(福音館書店)の原画を制作している。

川本淑子さんは1979年神奈川県横浜市生まれ、2003年に東京藝術大学美術学部デザイン科を卒業、2004年に第2回前田青邨記念大賞展で入選、2005年に同大学大学院美術研究科修士課程デザイン専攻を修了、2008年から銀座などで個展を開いている。

楚里勇己さんは1985年愛知県長久手市生まれ、2010年に東京芸術大学美術学部絵画科日本画を卒業、2014年に伊藤忠商事のカレンダーに採用され、2019年に共同印刷のカレンダーに採用されている。

花菱慧さんは東京都生まれ、東海大学工学部生命化学科を卒業、KENZAN(ケンザン)2017でみうらじろうギャラリー賞と新人賞を受賞している。

八木恵子さんは1986年佐賀県生まれ、2009年に筑波大学芸術専門学群日本画専攻を卒業、2016年に佐賀県美術展覧会で佐賀新聞賞、女性ゆめ育芸術祭でひよ子特別賞、2018年に「美術新人賞デビュー2019」で、準グランプリ、2020年に池袋アートギャザリングで栗原画廊賞、KENZAN(ケンザン)2020で池永康晟賞を受賞している。

川上真子さんは神奈川県生まれ、2012年に石川県九谷焼技術研修所を卒業、山本長左さんに師事し、2016年に独立、石川県能美市で染付を中心に絵付磁器を制作している。

田中陽子さんは1992年石川県生まれ、2015年に金沢美術工芸大学工芸科を卒業、2017年に同大学大学院美術工芸研究科修士課程を修了、同年に金沢卯辰山工芸工房技術研修者陶芸工房に入所している。

2013年に第69回金沢市工芸展エムザ社長賞(2016年に北陸放送社長賞)、現在形の陶芸萩大賞展3(2016年に岩国美術館賞)で佳作、2014年に京展で館長奨励賞、2014年に国際滝富士美術賞で優秀賞、2015年に「マイヤー×信楽大賞」日本陶芸の今一伝統と革新で入選している。

田村星都さんは1980年石川県小松市生まれ、2004年に筑波大学国際総合学類を卒業、毛筆細字三代目の父親、田村敬星さんに師事し、2007年に石川県立九谷焼技術研修所実習科を修了し、2010年より石川県小松市に工房を構えて制作している。

渡辺秀代さんは2019年に石川県立九谷焼技術研修所を卒業している。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)まで。入場は無料。