ポーラ銀座で八木マリヨ、八木夕菜「地殻」展、鉄の素材や地面を写す

【銀座新聞ニュース=2022年9月16日】化粧品業界国内4位のポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)が運営するポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル、03-3563-5501)は9月16日から10月23日まで八木マリヨさんと八木夕菜さんに「地殻を辿る」を開いている。

ポーラミュージアムアネックスで9月16日から10月23日まで開かれている八木マリヨさんと八木夕菜さんの「地殻を辿る」に出品されている八木マリヨさんの「鉄の惑星ー東経110度 北緯50度地点 2022年」(2022年、鉄鋼一般構造用圧延鋼材料S400)と「鉄の惑星-東経110度 北緯50度地点 2000万年後」(2022年、鉄鋼一般構造用圧延鋼材SS400)。

「金沢21世紀美術館」(石川県金沢市広坂1-2-1、076-220-2800)のチーフ・キュレーターの黒澤浩美さんをゲストキュレーターに迎え、環境芸術家の八木マリヨさんと現代美術家、写真家で、八木マリヨさんの長女、八木夕菜さんが「地殻を辿る」と題して、「2人の作品の相乗によって、大いなるエネルギーの生まれるコスモロジーの空間を都市の中に創出する」展示会を開いている。

今回は八木マリヨさんは地球の創生に関わる鉄を材に選び、地球生命と人間の未来の道筋を探究する新作を発表している。

八木夕菜さんは、生命の営みの儚さや豊かさを紡ぐ「種覚ゆ」のシリーズや、時間の流れや光の軌跡を可視化した写真作品など、自然と対峙する表現に取り組んでいる。最新作は地面を敷き写すシリーズで、悠久の時を経た地球の表情の現在形とでもいうようなものになるという。また、金沢21世紀美術館は八木夕菜さんの作品を所蔵している。

八木マリヨさんは1948年兵庫県神戸市生まれ、1970年に京都市立芸術大学環境デザイン科を卒業、1970年代にアメリカの彫刻家、イサム・ノグチ(1904-1988)に師事し、1975年に第7回ローザンヌビエンナーレで入選(その後も繰り返し入選)、1976年に英国ロンドンの「ミニアチュールテキスタイル展」で入選した。1980年代に建築、庭園、広場のランドスケープ、噴水彫刻などの総合環境芸術を制作するため土木建設有資格者となり、1990年代から「縄ロジィー」を提唱し、国連開発計画のグローバルフォーラムのメンバーとなり、社会芸術、縄リンクプロジェクトを推進している。

八木夕菜さんは1980年兵庫県生まれ、2004年にニューヨーク・パーソンズ美術大学建築学部を卒業、坂茂建築設計ニューヨーク支社を2007年にドイツ・ベルリンに移り、2010年に京都を拠点に制作している。2016年に「KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー)京都国際写真祭」でポートフォリオ・レビュー最優秀ハッセルブラッド賞、2019年に「DESIGNART(デザインアート)2019」でBIG EMOTIONS AWARDS(ビッグ・エモ-ションズ・アワード)を受賞している。

開場時間は11時から19時で、入場は無料。会期中は無休。