【銀座新聞ニュース=2022年10月19日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は10月24日から12月3日まで「クラシックカー好きが飾りたくなる写真展『時代を象徴するクルマたち』」を開く。

Art Gallery M84(アート・ギャラリー・エムハッシー)で10月24日から12月3日まで開かれる「クラシックカー好きが飾りたくなる写真展『時代を象徴するクルマたち』」に出品される「1954,Jaguar XK120 Van Johnson」((C)The Kobal Collection/G.I.P.Tokyo)。
今回は、1924年から1964年までに生産販売されたクラシックカーと、ハリウッドスターのを組み合わせた、時代を象徴するような華やかなクルマの写真約30点を展示する。世界有数の写真コレクションを誇る「The Kobal Collection(コバール・コレクション)」から選んだモノクロ作品を当時のゼラチン・シルバー・プリント(Gelatin silver print)で展示する。
ウイキペディアによると、自動車はフランスで初の蒸気機関で動く蒸気自動車が1769年にフランス陸軍の技術大尉ニコラ=ジョゼフ・キュニョー(Nicolas-Joseph Cugnot、1725-1804)によって製作された「キュニョーの砲車」が最初とされている。この自動車(モータービークル)は前輪荷重が重すぎて旋回が困難だったため、時速約3キロしか出なかったにもかかわらず、パリ市内を試運転中に塀に衝突して自動車事故の第1号となった。
英国では、1827年ごろから定期バスとして都市部および、都市間で広く用いられ、1860年ごろにはフランスでも用いられるようになった。1885年に、フランスのレオン・セルポレ(Leon Serpollet、1858-1907)が開発し、1887年に自動車に搭載したフラッシュ・ボイラーによる蒸気自動車は2分でスタートできるまでに短縮された。
1900年ごろにはアメリカで、石炭の代わりに石油を使った蒸気自動車が作られ、さらに普及していった。この頃は蒸気自動車の方がガソリン自動車よりも騒音が少なく運転が容易だった。アメリカでは1920年代後半まで蒸気自動車が販売されていた。
1865年に英国で「赤旗法」が施行された。当時普及しはじめた蒸気自動車は、道路を傷め馬を驚かすと敵対視されており、住民の圧力によってこれを規制するのが「赤旗法」で、この法律により、蒸気自動車は郊外では時速6.4キロ、市内では時速3.2キロに制限され、人や動物に予告するために、赤い旗を持った歩行者が先導しなければならなくなった。その結果、英国での蒸気自動車の製造・開発は、この赤旗法が廃止される1896年まで停滞することになった。
日本では1904(明治37)年に、電気技師の山羽虎夫(1874-1957)が制作した蒸気自動車が最初で、これが日本産自動車の第1号といわれている。1870年にユダヤ系オーストリア人のジークフリート・マルクス(Siegfried Samuel Marcus、1831-1898)によって初のガソリン自動車「第一マルクスカー」が発明された。
1876年、ドイツ人のニコラウス・オットー(Nikolaus August Otto、1832-1891)が石炭ガスで動作する効率的な内燃機関のオットーサイクルを発明すると、ゴットリープ・ダイムラー(Gottlieb Wilhelm Daimler、1834-1900)がこれを液体燃料を用いるガソリンエンジンへと改良して二輪車や馬車に取り付け、走行試験を行った。1885年にダイムラーによる特許が出されている。
1885年、ドイツのカール・ベンツ(Karl Friedrich Benz、1844-1929)は、ダイムラーとは別にエンジンを改良して、車体から設計した3輪自動車をつくった。ベルタ・ベンツ夫人(Bertha Benz、1849ー1944)はこの自動車を独力で運転し、製造者以外でも訓練さえすれば運転できる乗り物であることを証明した。
ベンツは最初の自動車販売店を作り、生産した自動車を数百台販売した。また、ダイムラーも自動車会社を興した。現在、ガソリン式自動車の発明者はダイムラーとベンツの両者とされることが多い。1898(明治31)年には、フランスから日本に輸入されたガソリン自動車「パーナル・ルヴァッソール」が、日本国内最初の自動車として登場した。日本国産のガソリン自動車は、1907(明治40)年に誕生した「タクリー号」が最初で、名称の由来は、道を「がたくり、がたくり」と音を立てて走ることからきている。
19世紀の自動車は手作りであるためひじょうに高価であり、貴族や富裕層だけが所有できた。彼らは自分たちが持っている自動車で競走をすることを考え、このころに行われた初期の自動車レースで活躍したのが、ルノー(Renault)、プジョー(Peugeot)、シボレー(Chevrolet)、フォード(Ford)といった現在も残るブランドだった。
このころはまだガソリン自動車だけでなく蒸気自動車や電気自動車も相当数走っており、どの自動車が主流ということもなかったが、1897年のフランスでの自動車レースでガソリン自動車が蒸気自動車に勝利し、1901年にはアメリカのテキサス州で油田が発見されてガソリンの供給が安定する一方、当時の電気自動車や蒸気自動車は構造上の問題でガソリン自動車を越えることができず、20世紀初頭には急速に衰退していった。
今回、展示されるクラシックカー(年代順)は、1924年のアメリカ車、Humpmobile(ハップモービル)、1927年のアメリカ車、Cadillac(キャデラック)、1928年のCadillac、英国車、Rolls Royce(ロールス・ロイス)、アメリカ車、Packard(パッカード)、1930年のPackard、アメリカ車、Stutz(スタッツ)、アメリカ車、Duesenberg(デューセンバーグ)、1932年のアメリカ車、Packard Twin Six(パッカード・ツイン・シックス)、アメリカ車、Chevrolet(シボレー)。
1933年のアメリカ車、Ford V8 Speedster(フォード V8 スピードスター)、アメリカ車、Pierce Arrow(ピアース・アロー)、1934年のイタリア車、Isotta Franscini(イソッタ・フラスキーニ)、1935年のCadillac、Duesenberg、1936年のアメリカ車、Plymouth(プリムス)、アメリカ車、Pontiac&Auburn V8 Speedster(ポンティアックとオーバーン V8 スピードスター)、1937年のアメリカ車、Ford V8(フォード V8)、アメリカ車、Cord Special(コード・スペシャル)、英国車、Bentley(ベントレー)。
1941年のアメリカ車、Buick(ビュイック)、1949年のアメリカ車、Lincoln Continental(リンカーン・コンチネンタル)、1950年のアメリカ車、Mercury(マーキュリー)、1954年のBuick、英国車、Jaguar XK120(ジャガー・XK120)。
クルマとともにいるハリウッドスターはアメリカの俳優、Alan Ladd(アラン・ラッド、1913-1964)、アメリカの女優、Anita Page(アニタ・ペイジ、1910-2008)、アメリカの喜劇俳優、Buster Keaton(バスター・キートン、1895-1966)、デンマークの俳優、歌手、Carl Brisson(カール・ブリッソン、1893-1958)、英国の俳優、Cary Grant(ケーリー・グラント、1904-1986)。
アメリカの俳優、Clark Gable(クラーク・ゲーブル、1901-1960)、アメリカの女優、Constance Benett(コンスタンス・ベネット、1904-1965)、アメリカの女優、Dorothy Sebastian(ドロシー・セバスチャン、1903-1957)、アメリカの俳優、Gary Cooper(ゲイリー・クーパー、1901-1961)、アメリカの俳優、Henry Fonda(ヘンリー・フォンダ、1905-1982)。
英国の女優、Ida Lupino(アイダ・ルピノ、1918-1995)、アメリカの俳優、James Stewart(ジェームズ・ステュアート、1908-1997)、アメリカの女優、Joan Crawford(ジョーン・クロフォード、1904頃-1977)、オーストリア・ハンガリー帝国出身の水泳選手、俳優、Johnny Weismuller(ジョニー・ワイズミュラー、1904-1984)、アメリカの女優、Leila Hyams(レイラ・ハイアムズ、1905-1977)。
アメリカの女優、Lilian Gish(リリアン・ギッシュ、1893-1993)、ドイツの女優、歌手、Marlene Dietrich(マレーネ・ディートリヒ、1901-1992)、アイルランドの女優、Maureen O’Sullivan(モーリン・オサリヴァン、1911-1998)、カナダの女優、Norma Shearer(ノーマ・シアラー、1902-1983)、アメリカの女優、Rita Hayworth(リタ・ヘイワース、1918-1987)。
アメリカの俳優、Robert Montgomery(ロバート・モンゴメリー、1904-1981)、アメリカの俳優、第40代大統領、Ronald Reagan(ロナルド・レーガン、1911-2004)、アメリカの俳優、歌手、Van Johnson(ヴァン・ジョンソン、1916-2008)、アメリカの俳優、Wallace Beery(ウオーレス・ビアリー、1885-1949)、アメリカの俳優、William Collier(ウイリアム・コリアー、1902-1987)、アメリカの俳優、インテリアデザイナー、William Haines(ウイリアム・ハインズ、1900-1973)ら。
ゼラチン・シルバー・プリントは「銀塩フィルムで撮影され、銀塩印画紙にプリントされた写真」で、一般には「銀塩写真」と呼ばれている。「写真の技法解説」によると、19世紀末に発明され、今日でも使われている白黒写真の印画紙の総称で、この印画紙は光に感じやすいので、暗室で感光させたあと現像液に入れて現像する。
コバール・コレクションはオーストリア生まれの英国人映画史家、ジョン・コバール (John Kobal、1940ー1991)が1969年に英国ロンドンに「ジョン・コバール財団」を創設し、1960年代の始めにロンドンで俳優として短期間仕事をしたが断念し、そこで映画に関するあらゆる資料を収集し始める。
それらの資料をもとに、ニューヨークでフリージャーナリストとしての道を拓き、同時に写真、ポスター、フィルムをコレクションするようになる。現在のコバール・コレクションは、質・量ともに優れた世界各国のフィルムフォトグラフィーのコレクションとして名高い。特に1950年代ごろの“黄金時代”と呼ばれてきたハリウッド俳優たちのポートレート、スチールなどの写真はシネマ関係において、あらゆる本の情報源としてリーダー的存在となっている。
開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)。入場料は500円。日曜日は休み。展示している作品はすべて販売する。