【銀座新聞ニュース=2022年11月15日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)はこのほど、10月の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年同月比10.0%減の26億4066万円で、5カ月続けてマイナスになったと発表した。
10月は例年、9月と並んで需要の端境期で、年間を通じて比較的観客が少ないため、売上高も40億円前後で推移することが多い。2012年が32億円、2013年が40億円、2014年が21億円、2015年が46億円、2016年がアニメ「君の名は。」の大ヒットの影響で85億円と80億円を超えたが、2017年が39億円、2018年が27億円、2019年37億円にとどまった。しかし、2020年は「鬼滅の刃」が大ヒットし、166億円と大幅に伸ばしたものの、2021年は29億円と平年並みに戻った。
2022年は1月7日から「まん延防止等重点措置」が沖縄県など3県に、東京都など1都9県に1月27日から発動され、その後、順次適用地域の拡大と期限延長を繰り返したが、3月21日付で全国的に「まん延防止等重点措置」が解除され、8月、9月に続いて10月も行動制限のない月となった。
一方、トーホー(TOHO)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館の10月の入場料収入は同1.7%増の36億8378万円だった。トーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのは止めている。
新たに10月に公開された映画は7日公開の「七人の秘書 THE MOVIE(ザ・ムービー)」、と21日公開の「線は、僕を描く」の2本だった。
興行通信社の映画興行ランキングによると、10月1日、2日の週は「沈黙のパレード」が3週目も2位だが、トップ10入りはこの1本のみで前週と同じく1本だった。
8日、9日の週は「沈黙のパレード」が4週目で3位、「七人の秘書 THE MOVIE」が初週で4位と、トップ10入りは前週より1本増えて2本だった。
15日、16日の週は「沈黙のパレード」が5週目で5位、「七人の秘書 THE MOVIE」が2週目で7位と、トップ10入りは前週と同じく2本だった。
22日、23日の週は「線は、僕を描く」が初週で5位、「沈黙のパレード」が6週目で7位、「七人の秘書 THE MOVIE」が3週目で8位と、トップ10入りは前週より1本増えて3本だった。
29日、30日の週は「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」が4月15日公開したが、今回、ハロウイン再会(リバイバル)上映と題し、10月28日から11月7日までの期間限定上映で、29週目にして3位に再登場し、「線は、僕を描く」が2週目で7位、「沈黙のパレード」が7週目で9位と、トップ10入りは前週と同じく3本だった。
10月に映画館で上映された配給作品は「七人の秘書 THE MOVIE」(10月7日公開)、「線は、僕を描く」(10月21日公開)、「新海誠 IMAX 映画祭」(9月30日から期間限定)、「沈黙のパレード」(9月16日公開)、「百花」(9月9日公開)、「アキラとあきら」(8月26日公開)、「キングダム2 遥かなる大地へ」(7月15日公開)など。