ポーラ銀座で沼田侑香、松村咲希ら12人展、幅広いコンセプトで

【銀座新聞ニュース=2023年1月20日】化粧品業界国内4位のポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)が運営するポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル、03-3563-5501)は1月20日から2月5日までグループ展「Chroma Distance」を開く。

ポーラミュージアムアネックスで1月20日から2月5日まで開かれる「Chroma Distance(クローマ・ディスタンス、色の濃度の距離)」のフライヤー。

現代アートのオンライン販売事業を展開する「TRiCERA(トライセラ)」(港区西麻布4-2-4、The Wall、03-5422-8370)との共同企画で、沼田侑香さんをはじめ12人の作家が新作を含む計約40点を展示している。ポーラミュージアムアネックスでは、「アイデンティティの親密な描写から、崩壊と生成、時代の交錯、過去の悲惨な事件の克服への切迫感の増大まで、作品は幅広いコンセプトの関心事を示して」いる作品としている。

TRiCERAは2018年に設立され、世界126カ国以上の若手アーティスト7300人以上の絵画、写真、彫刻などのアート作品約7万2000点をオンライン販売している。今回はその中で12人の作家を取り上げる。

また、ポーラ・オルビスホールディングスは2018年2月にスタートした社内ベンチャー制度で誕生した「CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)事業」の投資先のひとつがTRiCERAで、国内化粧品業界においては、最多規模の投資先数になっているという。

今回、出品しているのは、架空のスーパーマーケットをテーマに制作している沼田侑香さん、アクリルペイント、シルクスクリーンなどの複雑なレイヤーと立体感を持つ絵画作品で、抽象概念を視覚化しようと試みている松村咲希さん、「孤独感」をテーマに制作しているU-ku(ユ-ク)さん、古新聞などを用いたコラージュや油彩で人物を描く相川恵子さん。

MBS「プレバト!!」の丸シールアート査定の先生として出演している大村雪乃さん、写真家として活動しているチヒロボ(神崎千尋)さん、彫刻、立体作品を制作している堀川由梨佳さん、「歪んだキャラクターの一部が一見不規則でありつつも規則的な自然界の曲線状をたどり、旋律を奏でるように1つの全体の中に統合され、新たなものが再構築される、というテーマ」で描いているMaoka Ueda(マオカ・ウエダ)さん、「風景から感じる空気や感情を描」いているAyaka Nakamura(アヤカ・ナカムラ)さん。

「絵を通して本物のリアルを覗き、リアルと人間のつながりを知り、『なんかいい』をキャンバスに落とし込」んで描いているあおいけいさん、「知覚の痕跡を空間の位相として変換する」作品を作り出している高屋永遠(とおわ)さん、2016年頃よりアクリル絵の具とペンで崩壊と形成を繰り返す少女を描いているさめほしさん。

沼田侑香さんは1992年千葉県生まれ、東京藝術大学美術研究科絵画専攻を卒業、2019年から2020年に石橋財団奨学金奨学生に選ばれて、オーストリア・ウィーン美術アカデミーに留学し、2022年に同大学大学院美術研究科絵画専攻を修了、2019年に「A-TOM ART AWARD(アートアワード)2019」でグランプリを受賞している。

松村咲希さんは1993年長野県生まれ、2017年に京都造形芸術大学大学院芸術研究科修士課程芸術専攻ペインティング領域を修了している。

U-kuさんは1989年兵庫県神戸市生まれ、2012年に神戸女学院大学英文学科を卒業、外資系企業に勤めた後、2016年より作家として活動している。

相川恵子さんは1989年新潟県新潟市生まれ、2012年に長岡造形大学視覚デザイン学科ビジュアルアートコースを卒業、第66回新潟県美術展覧会で入選、「第5回Visual ART AWARD(ビジュアル・アート・アワード)」で入選、第23回黒潮マンガ大賞で佳作などを受賞している。

大村雪乃さんは1988年中国吉林省生まれ、2013年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画を卒業、在学中に文房具の丸シールで夜景を表現する絵画を発表し、2012年に「Tokyo Midtown Award(トウキョウ・ミッドタウン・アワード)」にてオーディエンス賞、2013年に卒業時に多摩美術大学卒業制作展で福沢一郎賞、国土交通省観光庁の要請により2018年にフランスで初の個展を開いている。

チヒロボさんは東京学芸大学美術科を卒業、写真家として活動、2010年よりコラージュ作品のシリーズを制作、2018年に「SHIBUYA AWARD(シブヤ・アワード)」でオーディエンス賞、同年に銀座画廊美の起原展で入選、2019年に文房堂アワードでグランプリ、同年にアートオリンピア2019で佳作、同年に枕崎国際芸術賞で入選している。

堀川由梨佳さんは1988年兵庫県神戸市生まれ、2011年に京都精華大学芸術学部造形学科洋画を卒業、2014年にグラナダ賞を受賞、同年にオーディエンス賞2位、2015年にターナー色彩株式会社のアンバサダーに就任している。

Maoka Uedaさんは英国ロンドン芸術大学セントラルセントマーチンズファウンデーションコースとチェルシー・カレッジ・オブ・アーツのグラフィックデザインおよびコミュニケーション部門で5年間、ロンドンでアートとデザインを学び、2020年にインディペンデント東京で審査員特別賞、2021年に兵庫県立美術館主催の「県展2021」で入選などをしている。

Ayaka Nakamuraさんは1988年東京都生まれ、2013年に武蔵野美術大学油絵学科版画専攻を卒業、2020年に大型新人発掘アートコンテスト「第1回ARTIST NEW GATE(アーティスト・ニュー・ゲート)」でグランプリを受賞している。

あおいけいさんは1993年岐阜県生まれ、2019年に第15回本巣市美術展の洋画部門で入選、同年に第29回日本アートサロン絵画大賞展の写実表現部門で入選、2022年に第4回ホキ美術館大賞で入選している。

高屋永遠さんは1992年東京都生まれ、2012年に英国ロンドン芸術大学セントラル・セントマーティンズカレッジファンデーションディプロマを修了、2015年に英国ロンドン大学ゴールドスミスカレッジを卒業、2009年に第83回国展で入選、2014年に「RAW TALENT 2014 Art EXHIBITION(ロー・タレント・2014・アート・エクスシビション)」で入賞、2017年に「ヤングクリエーターズアワード2017」で入賞している。

さめほしさんは1997年京都府生まれ、2020年に武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻を卒業している。

開場時間は11時から19時。入場は無料。会期中は無休。作品はいずれもTRiCERAのHP(https://www.tricera.net/ja)から購入できる。