フード協、外食22年13%増、3年ぶり、12月9%増も飲酒業は苦戦

【銀座新聞ニュース=2023年1月26日】一般社団法人「日本フードサービス協会」(港区浜松町1-29-6、浜松町セントラルビル、03-5403-1060)は1月25日に2022年と12月の「外食産業市場動向調査」(全店ベース)を発表した。

ワタミグループの「三代目鳥メロ」は2月28日まで「三代目鳥メロ新橋銀座口ガード下店」(港区新橋1-3-10、050-1709-1129)などで「居酒屋に行こう!『鳥メロ名物 復活祭』」を開いている。生ビール218円、ハイボール218円、串物は88円からで提供している。
営業時間は店舗に問い合わせを。

それによると、コロナ禍も3年目となった2022年の外食産業は、3月に「まん延防止等重点措置」による営業制限が解除され、価格改定による客単価上昇もあり、全体の売り上げは前年比13.3%増となった。2019年(前年比1.9%増)以来、3年ぶりのプラス(2020年15.1%減、2021年1.4%減)となった。

しかし、営業制限解除後も、夜間の外食需要と企業などの大口宴会需要はなかなか戻らない状況が続き、2019年比では5.8%減となった。また、業態間に明らかな差が見られ、「ファーストフード」(FF、特に洋風FF)以外はコロナ前の売り上げを回復しておらず、特に、2021年に酒類の提供制限で大きな影響を受けた「パブ/居酒屋」は2019年比では売り上げは50.8%減となっている。

さらに2月に始まったロシアのウクライナ侵攻や日銀の金融緩和政策に起因する原材料費やエネルギーコストなどの高騰、人手不足による売り上げ機会のロスなどが、回復途上の外食産業の経営を圧迫している。

業態別では、「ファミリーレストラン(FR)」(前年比18.1%増、2019年比16.2%減)が2年連続プラス、「ディナーレストラン(DR)」(同31.7%増、2019年比23.4%減)が3年ぶりのプラス、「喫茶」(同16.8%増、2019年比20.0%減)が2年連続プラス、「パブ/居酒屋」(同80.9%増、2019年比50.8%減)が2008年以来、14年ぶりのプラスなど、店内飲食業態は、回復基調にあるものの、コロナ前には戻っていない。

これに対して、「ファーストフード」(同7.9%増、2019年比8.6%増)は2年連続プラスと、引き続き、「洋風」を中心にテイクアウト、デリバリーの下支えに加え、注文方法の多様化などによる顧客利便性の向上などもあり、売り上げ好調を維持している。

一方で、12月はコロナの新規感染者数が増加傾向の中、年末にかけて個人客や家族客の外食需要が増え、価格改定の後押しもあり、外食の全体売り上げは前年同月比8.6%増、2019年12月比で0.6%増となった。前年同月比では2021年12月から13カ月連続プラスとなった。

フォーシーズグループのFOUR SEEDS FOODS EXPRESSが運営するグルメバーガーレストラン「クア・アイナ丸ビル店」(千代田区丸の内2-4-1、丸の内ビルディング、03-5220-2400)などで2月1日から4月25日まで特製バーベキューソース使用の「BBQバーガーシリーズ」4種類を発売する。ハワイ産マウイオニオンに果実の酸味を加えたバーベキューソースを使い、アメリカ産モントレージャックチーズをサクラチップでスモークし、トッピングにスモークマヨネーズとスモークペッパーを加えた新商品の「BBQスモークジャックチーズバーガー」(1380円、画像)のほか、「BBQ厚切りチェダーチーズバーガー」(1320円)、「BBQコルビージャックチーズバーガー」(同)、「BBQアボカドバーガー」(同)を発売する。

しかし、夜間需要や大人数の忘年会需要は戻らず、FR、DR、飲酒業態など店内飲食中心の業態は、コロナ前の売上に届かない状況が続いている。特に店舗数が2019年の7割台に減少した「パブ」と「居酒屋」は、売り上げも2019年12月比ではそれぞれ32.1%減、45.3%減となっている。

業態別では、ファーストフード(FF)業態は、10.6%増(2019年12月比12.2%増)となった。2021年3月から22カ月続けてプラスとなっている。

「洋風」は、クリスマス前後の季節商品の販売が好調で、13.2%増となった。「和風」は、テレビCM効果や季節限定メニューの好調により、6.7%増。「麺類」は、価格改定と客足の回復で12.2%増。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「回転寿司」の年末需要が増加し、8.1%増だった。

ファミリーレストラン(FR)業態は4.7%増、2019年12月比では6.3%減となった。「洋風」は、単価が高めの販促メニューの好評や年末集客の好調などにより4.4%増。「和風」は、年末に家族客が増え5.5%増。「中華」は、価格改定による客単価増と、店内需要、店外需要がともに好調で7.4%増。「焼き肉」は、年末の家族客を中心に底堅い支持があり、2.3%増となった。

パブ・居酒屋業態はコロナの新規感染者数が増えたが、訪日外国人観光客(インバウンド)を含む来客数への影響は限定的で、飲酒業態全体の売り上げは前年比8.3%増となった(「パブ・ビアホール」19.4%増、「居酒屋」3.3%増)。しかし、忘年会シーズンにもかかわらず二次会など遅い時間帯の来店は減り、また、コロナ第8波のピークを警戒してか、企業の大口宴会はキャンセルが続き、「パブ・居酒屋」の売り上げは2019年12月比で41.4%減にとどまった。

ディナーレストラン(DR)業態は企業の忘年会需要は得られなかったが、少人数の客が増え、8.8%増となった。しかし、店舗の人手不足により最少人数の店舗運営をしているところもあり、予約や来店があっても応じきれない例が増えている。

喫茶業態は年末の客数が増えて、8.3%増。ただ、オフィス立地の店は勤労者の働き方の変化を反映して売り上げ回復が頭打ち傾向となっている。

日本フードサービス協会の統計は会員(事業社数)が225社(2022年11月214社、10月230社、9月232社、8月239社、7月223社、6月230社、5月237社、4月228社、3月221社、2月223社、1月227社、2021年12月225社、11月224社、10月225社、9月226社、8月229社、7月219社、6月211社、5月212社、4月229社、3月225社、2月213社、1月222社、2020年12月214社、11月215社、10月221社、9月219社、8月225社、7月214社、6月203社、5月208社、4月191社、3月203社、2月205社、1月188社)。

店舗数が3万6874店(2022年11月3万6802店、10月3万6996店、9月3万6749店、8月3万7059店、7月3万6882店、6月3万7099店、5月3万6985店、4月3万6735店、3月3万6422店、2月3万5916店、1月3万6624店、2021年12月3万6573店、11月3万6743店、10月3万6679店、9月3万6354店、8月3万7603店、7月3万7763店、6月3万6772店、5月3万6600店、4月3万7788店、3月3万7389店、2月3万6757店、1月3万7475店、2020年12月3万7648店、11月3万7684店、10月3万7939店、9月3万8669店、8月3万8106店、7月3万7810店、6月3万8139店、5月3万8059店、4月3万7982店、3月3万9165店、2月3万9662店、1月3万5001店)が対象。

内訳はファーストフードの事業社数が57社(2022年11月54社、10月57社、9月58社、8月58社、7月56社、6月58社、5月61社、4月57社、3月55社、2月57社、1月54社、2021年12月56社、11月61社、10月56社、9月57社、8月62社、7月58社、6月56社、5月55社、4月57社、3月58社、2月55社、1月56社、2020年12月54社、11月56社、10月61社、9月57社、8月57社、7月59社、6月52社、5月54社、4月50社、3月53社、2月55社、1月49社、2019年12月52社、11月50社、10月52社、9月51社、8月52社、7月52社、6月55社、5月57社、4月56社、3月57社、2月57社、1月56社)。

店舗数が2万1265店(2022年11月2万1288店、10月2万1243店、9月2万1316店、8月2万1364店、7月2万1287店、6月2万1337店、5月2万1456店、4月2万1292店、3月2万1233店、2月2万1097店、1月2万1127店、2021年12月2万1264店、11月2万1434店、10月2万1302店、9月2万1422店、8月2万1556店、7月2万1309店、6月2万1545店、5月2万1093店、4月2万1608店、3月2万1620店、2月2万1356店、1月2万1693店、2020年12月2万1774店、11月2万1807店、10月2万2003店、9月2万2093店、8月2万2070店、7月2万1635店、6月2万1806店、5月2万1703店、4月2万1821店、3月2万1552店、2月2万2261店、1月1万8957店)。

ファミリーレストランの事業社数が66社(2022年11月64社、10月66社、9月68社、8月69社、7月65社、6月66社、5月69社、4月66社、3月63社、2月63社、1月64社、2021年12月65社、11月62社、10月62社、9月62社、8月65社、7月60社、6月60社、5月61社、4月65社、3月61社、2月60社、1月63社、2020年12月61社、11月56社、10月57社、9月60社、8月59社、7月56社、6月55社、5月56社、4月54社、3月55社、2月55社、1月50社)。

店舗数が1万0534店(2022年11月1万0439店、10月1万0619店、9月1万0251店、8月1万0770店、7月1万0642店、6月1万0625店、5月1万0379店、4月1万0458店、3月1万0335店、2月9822店、1月1万0142万店、2021年12月1万0146店、11月1万0166店、10月1万0154店、9月9989店、8月1万0305店、7月1万0019店、6月1万0145店、5月1万0204店、4月1万0592店、3月1万0151店、2月9980店、1月1万0096店、2020年12月1万0437店、11月1万0280店、10月1万0153店、9月1万0692店、8月1万0161店、7月1万0456店、6月1万0638店、5月1万0753店、4月1万376店、3月1万395店、2月1万534店、1月9556店)。

パブ・居酒屋の事業社数が33社(2022年11月32社、10月35社、9月34社、8月34社、7月34社、6月35社、5月36社、4月36社、3月35社、2月36社、1月37社、2021年12月35社、11月35社、10月38社、9月37社、8月37社、7月32社、6月31社、5月32社、4月37社、3月38社、2月36社、1月38社、2020年12月35社、11月38社、10月38社、9月38社、8月39社、7月34社、6月34社、5月35社、4月32社、3月36社、2月35社、1月34社)。

店舗数が1927店(2022年11月1958店、10月1989店、9月1996店、8月1849店、7月1832店、6月2017店、5月2048店、4月1847店、3月1694店、2月1835店、1月2061店、2021年12月1871店、11月1883店、10月2110店、9月1961店、8月2503店、7月2349店、6月2108店、5月2302店、4月2472店、3月2341店、2月2335店、1月2484店、2020年12月2163店、11月2420店、10月2419店、9月2539店、8月2404店、7月2334店、6月2305店、5月2332店、4月2476店、3月2849店、2月2771店、1月2326店)。

ディナーレストランの事業社数が29社(2022年11月25社、10月28社、9月30社、8月31社、7月27社、6月28社、5月27社、4月28社、3月27社、2月28社、1月30社、2021年12月29社、11月26社、10月30社、9月30社、8月27社、7月30社、6月29社、5月30社、4月31社、3月29社、2月31社、1月30社、2020年12月28社、11月32社、10月31社、9月30社、8月33社、7月30社、6月28社、5月32社、4月26社、3月28社、2月29社、1月26社)。

店舗数が1028店(2022年11月981店、10月996店、9月1081店、8月922店、7月990店、6月1009店、5月959店、4月995店、3月1018店、2月1040店、1月1100店、2021年12月1129店、11月1098店、10月1090店、9月923店、8月940店、7月944店、6月1002店、5月1012店、4月1084店、3月1075店、2月1137店、1月998店、2020年12月1057店、20年11月1162店、10月1159店、9月1126店、8月1229店、7月1135店、6月1141店、5月1182店、4月1114店、3月1177店、2月1071店、1月983店)。

喫茶の事業社数が22社(2022年11月23社、10月24社、9月23社、8月25社、7月24社、6月24社、5月25社、4月22社、3月23社、2月22社、1月22社、2021年12月21社、11月22社、10月20社、9月21社、8月21社、7月20社、6月19社、5月19社、4月18社、3月21社、2月18社、1月17社、2020年12月19社、11月17社、10月18社、9月20社、8月21社、7月18社、6月17社、5月16社、4月14社、3月15社、2月14社、1月13社)。

店舗数が1893店(2022年11月1913店、10月1900店、9月1887店、8月1901店、7月1900店、6月1856店、5月1901店、4月1897店、3月1905店、2月1908店、1月1963店、2021年12月1918店、11月1924店、10月1783店、9月1831店、8月2100店、7月2894店、6月1809店、5月1815店、4月1775店、3月2009店、2月1815店、1月1962店、2020年12月1992店、11月1830店、10月2014店、9月2055店、8月2053店、7月2062店、6月2067店、5月1886店、4月2004店、3月2049店、2月1876店、1月2042店)。

外食産業(上場企業)の売上高上位4社の12月の既存店売上高は1位のゼンショーホールディングス(すき家、国内店舗数1940店)が5.4%増と2021年3月から22カ月続けてプラス、2位のすかいらーく(全グループ、国内外店舗数3054店)は同2.1%増と9カ月続けてプラス、3位の日本マクドナルド(国内直営店とフランチャイズ店の店舗数2967店)が同15.2%増と2020年7月から30カ月続けてプラス、4位のコロワイド(全グループ、直営店とフランチャイズ国内外2785店)が同5.6%増と9カ月続けてプラスだった。