丸善丸の内でかとうあじゅ「じっちょりん」原画展、8年ぶり新作

【銀座新聞ニュース=2023年3月3日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は3月3日から30日まで3階児童書売場壁面ギャラリーでかとうあじゅさんによる「じっちょりんのたんじょういわい」原画展を開いている。

丸善・丸の内本店で3月30日まで開かれているかとうあじゅさんの「じっちょりんのたんじょういわい」原画展に展示されている絵本の表紙。

絵本作家のかとうあじゅさんが3月7日に「じっちょりんのたんじょういわい」(文溪堂、税込1540円)を刊行するのを記念して原画を展示している。

「じっちょりん」シリーズはかとうあじゅさんが2011年5月に「じっちょりんのあるくみち」(文溪堂)を刊行した絵本のデビュー作が第1弾で、2012年9月に第2弾「じっちょりんとおつきさま」(文溪堂)、2013年7月に第3弾「じっちょりんのなつのいちにち」(文溪堂)、2014年12月に第4弾「じっちょりんのふゆのみち」(文溪堂)とこれまでに4冊が発行されており、今回がおよそ8年ぶりの新作で第5弾となる。

絵本ナビ編集長の磯崎園子さんによると、「小さな小さな主人公、じっちょりん一家のお話を通して、コンクリートや道の隙間から力強く生えている、名前も知らない『雑草』たちに目を向けるきっかけを作ってくれた『じっちょりん』シリーズ」で、「春になればせっせと植えた野の花の種たちが咲き誇り、暑い夏には日陰を探しながら種探し、秋になれば池の近くでおつきみを楽しむじっちょりんたち」と1冊ずつ「じっちょりん」一家の生活に焦点を当てている。

第1弾の「じっちょりんのあるくみち」についてのレビューの中で、「サンサンフラワー」さんという50代のせんせいが「わたしは女の子と学校の校庭を散歩してたくさんの野草を摘みました。それを押し花にして図書館から図鑑を借りて名前を調べて・・・。この本にはそれらの花のほとんどが描かれていました。ちゃんと名前付きで!女の子は『じっちょりんて何?』と笑顔でいい、『この花こんな名前だったんだ!』と驚き、じっちょりんが踏まれないようによけたり、靴に乗ったりする絵に喜びました。幼稚園の名前やお店の名前にも、私よりも先に気付き、笑いました」と書いている。

今回の「じっちょりんのたんじょういわい」は桜の花びらの舞うころは、じっちょりんが生まれる季節、かたばみ、なずな、ほとけのざ・・・道ばたに花が咲くなか、赤ちゃんをむかえるじっちょりんの家族は、ワクワクしながらたんじょういわいの準備をしていると、ついに赤ちゃんが・・・、と新しい家族が誕生する話を書いている。

かとうあじゅさんは東京都生まれ、絵本ワークショップ「あとさき塾」で学び、「ただ よんだだけ」(おはなしプーカ、学研)や「じっちょりん」シリーズなどを刊行している。

開場時間は9時から21時(最終日は19時)まで。