東宝4月映画、5割増の100億円超、21年3月以来、GWも過去最高に

【銀座新聞ニュース=2023年5月16日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝（千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221）はこのほど、4月の映画営業部門興行成績（速報ベース）が前年同月比54.3％増の113億8854万円で、3カ月続けてプラスになったと発表した。月間の映画営業部門興行成績が100億円を超えるのは、2021年3月以来のこと。

4月は例年、7月などと並んで年間で観客動員数がそれなりに見込める時期で、2009年が49億円、2010年が57億円、2011年が55億円、2012年が79億円、2013年が46億円と主に40億円台から50億円台で推移してきた。

その後、2014年が70億円、2015年が78億円、2016年が35億円、2017年が76億円、2018年が82億円と70億円台から80億円台に拡大し、2019年に104億円と100億円を突破した。しかし、2020年は4月7日に「緊急事態宣言」が発動され、18日から全館休業したことや新作がすべて公開延期となったことから1億3887万円にとどまった。2021年は4月25日に東京都、大阪、京都府、兵庫県の4都府県に「緊急事態宣言」が発動されるなど、4都府県の映画館が全館が休業したり、新作が公開延期となったものの、89億円と2020年4月比では大幅に増えた。

しかし、2022年は3月21日に「まん延防止等重点措置」が解除され、4月は73億8250万円まで回復したものの、2021年4月比ではマイナスだった。

東宝によると、2023年は4月29日から5月7日までのゴールデンウィーク（GW）で東宝配給作品「名探偵コナン黒鉄の魚影（サブマリン）」と「劇場版TOKYO MER（トウキョウエムイーアール)-走る緊急救命室」などが好調で、それに加え、東宝東和配給の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が4月28日公開から10日間で、興行収入65億円を超えるロケットスタートとなったこともあり、TOHOシネマズとしてはGWにおいて、興行収入が44億7000万円と歴代最高記録となり、東宝の映画営業部門興行成績も4月だけで2021年3月以来、25カ月ぶりに100億円を超えた。

このため、TOHO（トーホー）シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館（686スクリーン）の4月の入場料収入は同41.7％増の73億7459万円と3カ月続けてプラスとなった。TOHOシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員については公表するのを止めている。

新たに4月に公開されたのは、14日公開の「名探偵コナン黒鉄の魚影（サブマリン）」、28日公開の「劇場版TOKYO MER-走る緊急救命室」の2本だった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、3月31日から4月2日の週は「映画ドラえもん　のび太と空の理想郷」が5週目も1位、「わたしの幸せな結婚」が3週目2位、「映画刀剣乱舞-黎明」が初週4位と、トップ10入りは前週と同じく3本だった。

7日から9日の週は「映画ドラえもん　のび太と空の理想郷」が6週目も1位、「わたしの幸せな結婚」が4週目2位、「映画刀剣乱舞-黎明」が2週目7位と、トップ10入りは前週と同じく3本だった。

14日から16日の週は「名探偵コナン黒鉄の魚影（サブマリン）」が初週1位、「映画ドラえもん　のび太と空の理想郷」が7週目で2位、「わたしの幸せな結婚」が5週目3位、「映画刀剣乱舞-黎明」が3週目10位と、トップ10入りは前週よりも1本増えて4本だった。

21日から23日の週は「名探偵コナン黒鉄の魚影（サブマリン）」が2週目も1位、「映画ドラえもん　のび太と空の理想郷」が8週目で4位、「わたしの幸せな結婚」が6週目7位、「映画刀剣乱舞-黎明」が4週目も10位と、トップ10入りは前週と同じく4本だった。

28日から30日の週は「名探偵コナン黒鉄の魚影（サブマリン）」が3週目2位、「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室」が初週3位、「映画ドラえもん　のび太と空の理想郷」が9週目で6位、「わたしの幸せな結婚」が7週目10位と、トップ10入りは前週と同じく4本だった。

4月に映画館で上映された東宝配給作品は「TOKYO MER-走る緊急救命室」（4月28日公開）、「名探偵コナン黒鉄の魚影（サブマリン）」（4月14日公開）、「映画刀剣乱舞-黎明」（3月31日公開）、「生きる LIVING（リビング）」（3月31日公開）、「わたしの幸せな結婚」（3月17日公開）、「映画ドラえもん　のび太と空の理想郷」（3月3日公開）、「ワールドツアー上映『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」（2月3日公開）、「すずめの戸締まり」（2022年11月11日公開）など。