資生堂で70年代の雑誌広告展、元AD太田和彦、Ph十文字美信が対談

【銀座新聞ニュース=2023年6月4日】国内最大手の化粧品メーカー、資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は6月6日から7月30日まで資生堂ギャラリー(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル、03-3572-3901)で「あいだ に あるもの-1970年代の資生堂雑誌広告から」を開く。

資生堂ギャラリーで6月6日から7月30日まで開かれる「あいだ に あるものー1970年代の資生堂雑誌広告から」のフライヤー。

資生堂が時代ごとに創造してきたクリエイティブワークの一端を紹介する企画展で、第1回目の今回は1970年代の資生堂のブランド「シフォネット」、男性用化粧品「MG5」や「ブラバス」、香水「モア」などの雑誌広告約150点をグラフィックと映像で展示する。

資生堂では「これらの広告に見られるビジュアル・イメージとそこにそえられた文言(コピー)の組合せにより、その『あいだにある』ギャップや余白から、見る者の想像力を掻き立てるスペースを創りだ」すとしている。

ビジュアル・イメージとコピーを映像・現物を通して展示するとともに、アンビエントユニット「UNKNOWN ME(アンノウン・ミー)」のメンバーでもあるグラフィックデザイナーでアーティストの大澤悠大(ゆうだい)さん、プロデューサーで建築家のH.Takahashi(タカハシ)さん、さらにビジュアルアーティストで、宝塚大学東京メディア芸術学部非常勤講師の原田康さんが映像と音のインスタレーションを公開する。

展示される草刈正雄さん(右)と団時朗が出演した「MG5」の広告(1971年)。コピーライター(C)が細川拓一郎さん、写真家(Ph)が小川隆之さん、アートディレクター(AD)が犬山達四郎さん、デザイナー(D)が中山禮吉さん、スタイリスト(ST)が淵崎絹枝さん、モデル(M)が草刈正雄さんと団時朗。

「artscape」によると、「アンビエント」は比較的静かな音響の微細な変化を表現の基調とし、ある特定の場所や空間に雰囲気を添えることを指向した音楽としている。

資生堂によると、1970年代は、若者たちのファッションやライフスタイルに影響を及ぼす雑誌メディアが登場し、その誌面は読者を惹きつけ、多くの流行を生みだしたという。資生堂はこうした時流にのり、連続した広告を展開した。そこには商品の訴求はほとんどなく、ビジュアル・イメージとコピーとの間にあるギャップや余白から生じる物語性に満ちた魅惑があったという。また、シリーズとして連続展開することで、ブランドイメージを強固なものにしたとしている。

また、3月22日に逝去した俳優の団時朗(だん・じろう、1949-2023)を偲んで、団時朗の出演した資生堂広告作品をスペシャルムービーとして流す。

6月16日18時から資生堂ギャラリーで、グラフィックデザイナーで元資生堂のアートディレクター、1970年代の「シフォネット」の連作広告を手がけた太田和彦さんと、写真家で太田和彦さんとの「シフォネット」連作広告を撮影し、真行寺君枝(しんぎょうじ・きみえ)さんがモデルとなった「ゆれる、まなざし」の広告撮影を手がけた十文字美信(じゅうもんじ・びしん)さんが「異端の資生堂広告」について対談する。定員は50人(先着順)で、資生堂ギャラリーHPから申し込む。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は18時)、月曜日は休み。入場は無料。16日の対談も無料。