美の起原で月乃カエル展、人間には見えない世界を描く

【銀座新聞ニュース=2023年9月22日】D2グループの不動産管理業のセルピエーロ・ダーウィン(中央区銀座7-15-5、03-5565-0511)が運営する画廊「銀座画廊 美の起原」(中央区銀座8-4-2、高木屋ビル、050-3150-9998)は9月22日か28日まで月乃カエルさんによる個展「それでも世界は美しいのだよ」を開く。

銀座画廊 美の起原で9月22日か28日まで開かれる月乃カエルさんの個展「それでも世界は美しいのだよ」のフライヤー。

2022年の「美の起原展」で大賞を受賞した作家の月乃(つきの)カエルさんが受賞記念として新作を中心に個展を開く。

タグボートによると、月乃カエルさんの世界は「見えない階層」でできているという。「作品には人間の文化から生まれた記号や模様、建物が立ち並び、そこではゾウやイルカや人、様々な生き物が共に生命を営んでいる。光を通す透明樹脂や、光を集めるラメやラインストーンが散りばめられ、生き物の多様性を保つ理想郷のように、バラバラな素材たちが個々の魅力を発揮して一つの世界を創り上げている」としている。

月乃カエルさんが描く世界は、「生き物たちが個々に『見る』世界の集合」で、「ゾウは人間より遥か高いところから世界を見渡し、イルカは深い海の中で音波を使って周囲を認識する。同じ大地で生きていても、あらゆる生き物はそれぞれ違った見え方で世界を捉えている」とし、月乃カエルさんは「そんな生き物の意識や感情の重なりを描き出し、光を透かして人間には『見えない』世界を覗かせてくれる」。

月乃カエルさんは会社員時代の46歳の時に「子供の頃の忘れ物を取りに戻るような感覚」で創作活動をはじめ、以来、幼少の記憶をベースに「自身が存在する世界について知りたい」という思いを形にするべく、作品を作り続けている。

月乃カエルさんは1963年生まれ、1986年にIT企業に就職し、システムエンジニアとして仕事をし、2009年にデジタルイラストの制作をはじめ、2014年には独学で3Dアートの制作をはじめ、2017年にはyutaokuda(ユタオクダ)さんとアートユニット「yueru(ユエル)」を結成し、2019年に会社を退職し、作家活動に専念している。

2016年7月に「TAGBOAT ART FES Independent(タグボート・アート・フェス・インデペンダト)2016」で大邱特別賞(2019年8月に特別賞)、2021年12月に「2021美の起原展」で奨励賞、2022年1月に「Brain Brunn ART AWARD(ブレイン・ブルン・アート・アワード)2022」で大賞、2022年11月に「2022美の起原展」で大賞を受賞している。

開場時間は12時から18時30分(最終日は16時)。入場は無料。