中央の百貨店11月、5店共プラス、高額品が堅調、外国人は倍増も

(終わりの方に参考として10月の百貨店業界の売上高と訪日外国人観光客売上高の数字を入れてます)
【銀座新聞ニュース=2023年12月2日】中央区とその周辺の主要百貨店の11月の売上高(速報値、店頭ベース)は、日本橋三越、日本橋高島屋、大丸東京店、銀座三越、松屋銀座の5店ともプラスだった。5店舗とも前年を上回るのは26カ月連続となっている。

11月の売上高が30%増と10月に続いて5店の中でもっとも売り上げを伸ばした銀座三越。

11月は「前半に気温が平年より高く推移したことにより秋冬物衣料品へのマイナス影響があったものの、中旬以降は気温低下により防寒衣料などが回復した」(J.フロントリテーリング)ことや、「高額品が堅調だったことに加え、気温の低下に伴いコートやマフラー、手袋など冬物衣料雑貨にも動きが見られ」(高島屋)たとしている。また、訪日外国人観光客売上高(免税売上、インバウンド)は「国内百貨店計(既存店)で単月の過去最高売上高を更新した」(三越伊勢丹ホールディングス)。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比7.4%増(10月速報値8.1%増、確定値7.7%増、小型店舗を含む、確定値ベースでの店舗別売上額は2019年5月から未公表、10月の商品別では、子ども服・洋品、呉服寝具他、家庭用品計、その他がマイナスで、ほかはプラス)と店頭ベースでは27カ月続けて前年を上回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同30.0%増(同速報値35.0%増、確定値35.0%増、但し空港型免税店の売り上げを除く、10月の商品別ではサービスのみがマイナス、ほかはプラス)と26カ月続けてプラスとなった。

11月は伊勢丹新宿本店、日本橋三越では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に冬物衣料品(ブルゾン、ジャケット、コートなど)やハンドバッグ、宝飾、化粧品が引き続き売り上げを牽引した。前年比は三越伊勢丹計で12.0%増、国内百貨店計で9.2%増であった。

訪日外国人観光客売上高(免税売上、インバウンド)は10月に続いて、国内百貨店計(既存店)で単月の過去最高売上高を更新した。全体傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや宝飾・時計など高付加価値商品に関心が見られる。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同9.8%増(同速報値12.0%増、確定値11.7%増)と26カ月続けてプラスとなった(10月の全店の商品別売り上げはその他衣料品、家電、その他家庭用品、生鮮食品、菓子、惣菜、その他、食堂・喫茶、その他がマイナス)。

11月の店頭売上高は、国内顧客、訪日外国人観光客売上高とも好調に推移したことから2022年11月、2018年11月を上回った。高額品が堅調だったことに加え、気温の低下に伴いコートやマフラー、手袋など冬物衣料雑貨にも動きが見られた。

このため、11月の店頭売上高は同9.8%増(2019年11月比10.3%増、2018年11月比5.7%増)、訪日外国人観光客売上高は同121.4%増(2019年11月比75.5%増、2018年11月比52.7%増)、訪日外国人観光客売上高を除いた店頭売上高は同4.3%増(2019年11月比6.2%増、2018年11月比2.4%増)だった。

商品別売上高(14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、子ども情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、サービスが前年実績を上回った。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同13.7%増(同速報値17.3%増、確定値17.3%増)と26カ月続けてプラスとなった(10月の全店の商品別売り上げは紳士服・洋品、その他の衣料品、その他雑貨、家具、家電、その他食料品、その他がマイナス)。

11月は、前半に気温が平年より高く推移したことにより秋冬物衣料品へのマイナス影響があったものの、中旬以降は気温低下により防寒衣料などが回復したことに加え、ラグジュアリーブランド、化粧品が引き続き好調を持続したことなどから、大丸松坂屋百貨店合計では対前年11.2%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では同11.0%増となった。

店舗別では、15店舗中11店舗が前年実績を上回った。大丸松坂屋百貨店合計の訪日外国人観光客売上高(速報値)は、172.7%増(客数同277.3%増、客単価16.7%減)であった。2019年11月比30.5%増、2018年11月比31.2%増だった。

また、大丸松坂屋百貨店合計(既存店、法人・本社などを除く)は前年比11.1%増、2019年11月比13.3%増、2018年11月比1.9%増だった。うち国内売上高(訪日外国人観光客売上高を除く既存店)は同3.1%増、2019年11月比11.4%増、2018年11月比1.0%減だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同24.9%増(同速報値31.5%増、確定値31.5%増、10月の商品別では呉服寝具他、家電、サービス、その他がマイナス)と26カ月続けてプラスとなった。

11月の銀座店は、前年に対して約25%増となる大幅な伸びを示した(コロナ前となる2019年11月対比で約28%増)。化粧品は前年比約20%増、ラグジュアリーブランドは同約45%増(2019年11月比約124%増)、宝飾品も同141%増(2019年11月比約260%増)になるなど銀座店の強みとなるカテゴリ-を軸に、さらには、気温の低下に伴い防寒衣料などの季節商材も順調に推移し、売り上げを大幅に伸ばした。

訪日外国人観光客売上高については、円安などが要因となり、コロナ前となる2019年11月比で108%増となるなど全館を力強く牽引した(訪日外国人観光客売上高が銀座店全体に占めるシェアは約36%超。コロナ前で平均約25%)。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内72社180店舗(総従業員5万1005人)の10月の売上高は前年同月比6.1%増の4531億39321万円と、20カ月続けてプラスとなった。

10月は気温が高く推移したことで、秋冬物や防寒商材の動きは鈍かったものの、高付加価値商品の増勢や訪日外国人観光客の活況が売り上げ全体を押し上げた。各社が企画した物産展などの食品催事やイベントも奏功した。コロナ前の2019年10月比では消費増税の反動から19.9%増とふた桁の伸びを示した他、特殊要因のない2018年10月比でも同水準を維持しており、回復基調は鮮明となっている。入店客数は2.6%増(20カ月連続プラス)となった。

顧客別では、訪日外国人観光客売上高が円安効果に加え、国慶節・中秋節休暇などによる客数増もあり178.9%増(19カ月連続、シェア8.5%)の383億円と、2014年10月の調査開始以来、最高額(従来は2019年4月の344億円)を更新した。2019年10月比では前月より20.4ポイントアップの49.7%増と、4カ月連続でコロナ前の実績を上回っている。国内市場は0.4%増(20カ月連続、シェア91.5%)とプラスを維持している。

地区別では、主要都市(10都市、25カ月連続)が、訪日外国人観光客需要と増勢が続く高額商材などから、8地区で前年実績をクリアし、合計9.1%増と好調に推移した。地方(10都市以外の7地区、2.5%減)は5地区で前年割れとなり、4カ月ぶりにマイナスに転じた。

商品別では、主要5品目(衣料品、身の回り品、雑貨、家庭用品、食料品)のうち、4品目で前年実績を超え、このうち、身のまわり品と雑貨はコロナ前の2018年10月比もクリアした。ラグジュアリーブランドのバッグや時計、宝飾品など高額商材や化粧品は、引き続き国内外ともに好調に推移している。

主力の衣料品は、天候与件からコートが苦戦したものの、ジャケットやカットソーなど軽衣料は好調だった。食料品は、惣菜がわずかに前年割れしたが、ギフトや手土産需要などから好調な和洋菓子が牽引し、再びプラスに転換した。年末年始の需要に向けて、おせちやクリスマスケーキの予約がスタートしたが、滑り出しは堅調に推移している。

全国の百貨店の10月の営業日数は前年より0.1日増の30.9日、104店舗の回答によると、入店客は47店が増え、30店が減ったとし、69店舗の回答によると10月の歳時記(秋物商戦、秋の行楽)の売り上げについては14店が増え、8店が減ったとしている。

東京地区(12社22店)の10月の売上高は前年同月比8.0%増の1323億9793万円と、26カ月続けてプラスとなった。

国内88店舗の訪日外国人観光客需要の10月の売上高は同178.9%増の約383億8000万円と19カ月続けてプラスとなり、国内の百貨店に占めるシェアが8.5%としている。

このうち、一般物品売上高は同171.9%増の約337億1000万円と31カ月続けてプラス、化粧品や食料品などの消耗品売上高が同242.7%増の約46億7000万円と15カ月続けてプラス、購買客数が同406.5%増の約36万人と18カ月続けてプラス、1人あたりの購買単価が同44.9%減の約10万4000円で、17カ月続けて前年を下回った。

人気のあった商品(2022年11月からランキングなし)は化粧品、ハイエンドブランド、婦人服飾雑貨、食料品、紳士服・洋品が上位に入った。

免税手続きカウンターの来店の多かった国(2022年11月からランキングなし)は中国本土、韓国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシアとなっている。