【銀座新聞ニュース=2024年2月5日】中堅の映画配給会社の東京テアトル(新宿区新宿1-1-8、御苑テアトルビル、03-3355-1010)は2月10日にシネスイッチ銀座(中央区銀座4-4-5、旗ビル、03-3561-0707)で「一月の声に歓びを刻め」の公開を記念して出演者らによる舞台あいさつを開く。
10日15時10分の回上映終了後に、監督の三島有紀子さんをはじめ、船でやってきた者「れいこ」役の前田敦子さん、船で向かう者、初老の「マキ」役のカルーセル麻紀さん、酪農家で、船を待つ者「誠」役の哀川翔さん、マキの長女「美砂子」役の片岡礼子さん、「龍」役の原田龍二さん、誠の娘「海」役の松本妃代さんが舞台に登場してあいさつする。
公式サイトによると、「一月の声に歓びを刻め」は監督の三島有紀子さんが「ある事件」をモチーフに、自主映画として企画をスタートし、47年間向き合い続けたオリジナル脚本による作品で、「性暴力と心の傷」というテーマに挑み、心の中に生まれる罪の意識を静かに深く見つめる映画としている。中島(北海道・洞爺湖)、八丈島(伊豆諸島)、堂島(大阪)の3つの「島」を舞台に、3人の物語が交錯する。
物語はお正月、洞爺湖の近くで1人暮らしするマキの家に家族が集まり、彼女が作ったおせち料理を囲むところからはじまる。マキはかつて次女れいこを亡くしており、一家団らんの場に喪失の雰囲気が漂う。
八丈島に暮らす牛飼いの誠のもとに、娘の海が5年ぶりに帰省する。誠は交通事故で妻を亡くし、男手ひとつで海を育てた。海は妊娠しており、結婚さえ知らずにいた誠は複雑な思いを抱く。
元恋人の葬儀に参列するため故郷の堂島を訪れたれいこは、レンタル彼氏をしている男トト・モレッティ(坂東龍汰さん)に声をかけられる。過去のトラウマから誰にも触れることができない彼女は、そんな自分を変えようと、男と一晩過ごすことを決意する。
ウイキペディアによると、三島有紀子さんは1969年大阪府大阪市生まれ、神戸女学院大学文学部を卒業、在籍中に自主映画を撮り始め、卒業後、NHKに入局、「NHKスペシャル」や「トップランナー」などの企画・監督を務め、劇映画を作るため2003年にNHKを退局した。その後、東映京都撮影所などで助監督、脚本執筆などを経て2007年にテレビドラマ「京都地検の女」、2009年に「妄想姉妹 文学という名のもとに」などの演出を手がけ、2009年に映画「刺青 匂ひ月のごとく」で監督デビュー、脚本を担当した「世界がお前を呼ばないなら」で2009年サンダンスNHK国際映像作家賞の優秀作品に選ばれた。
2014年に「ぶどうのなみだ」で第38回モントリオール世界映画祭のワールド・グレイツ部門に招待出品、2015年に「繕い裁つ人」が第16回全州国際映画祭、第18回上海国際映画祭日本映画週間に招待され、2016年に「少女」が香港、台湾で公開され、2017年に「幼な子われらに生まれ」が第41回モントリオール世界映画祭で、最高賞のグランプリに次ぐ審査員特別グランプリを受賞、第42回報知映画賞で監督賞を受賞、2023年にセミドキュメンタリー映画「東京組曲2020」を監督した。演劇ユニット「カッパドキア夫人」のリーダーを務めている。
チケットはすでにチケットぴあを通じて先行抽選を販売中で、6日11時締め切り。7日10時から一般発売する。料金は全席指定で2200円均一。