日比谷「カミノフデ」完成上映会で鈴木梨央、楢原嵩琉ら挨拶

【銀座新聞ニュース=2024年7月10日】中堅映画配給会社のユナイテッド・エンタテインメント（新宿区西新宿3-3-15、ワシントンホテルANNEX、03-5309-2570）は7月18日にTOHOシネマズ日比谷（千代田区有楽町1-1-2、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068）で「カミノフデｰ怪獣たちのいる島」の完成披露上映会を開く。

18日18時30分から上映をはじめ、その前に総監督の村瀬継蔵（けいぞう）さんをはじめ、時宮健三の孫「時宮朱莉」役の鈴木梨央（りお）さん、時宮朱莉の同級生「城戸卓也」役の元音楽ユニット「Foorin（フーリン）」の楢原嵩琉（ならはら・たける）さん、「時宮優子」役の釈由美子さん、特殊美術造形家「時宮健三」役の佐野史郎さん、プロデューサーの佐藤大介さんとMCを務めるニッポン放送アナウンサーの新行市佳（しんぎょう・いちか）さんが舞台に登場してあいさつする。

「カミノフデｰ怪獣たちのいる島」は「ゴジラ」シリーズなどで怪獣造形の礎をつくった美術造形家・村瀬継蔵さんが88歳にして初総監督を務め、自身が1970年代に香港の映画会社ショウ・ブラザーズからの依頼で制作したプロットを基に映画化した特撮ファンタジーという。「仮面ライダー」シリーズなどのデザイナーとして知られる高橋章さんがオリジナルコンセプトデザインを担当し、「ゴジラ」シリーズの怪獣デザインを手がけた西川伸司さんが今回も怪獣デザインを担当、「雲の神様」と呼ばれる背景絵師・島倉二千六（ふちむ）さんら日本を代表する特撮クリエイターが参加している。

物語は特殊美術造形家・時宮健三が亡くなったところからはじまり、祖父である時宮の仕事にあまり良い思い出がなかった朱莉は複雑な心境でファン向けのお別れ会を訪れていた。

そこには特撮ファンである同級生の卓也の姿もあった。朱莉と卓也は時宮の古い知り合いだという穂積（斎藤工さん）と名乗る若い男と出会う。祖父が映画を作ろうとしていたことを初めて知る朱莉。穂積はおもむろに鞄から「神の筆」の小道具である筆を手にする。
「世界の消滅を防いでください」
穂積のその言葉とともに朱莉と卓也は光に包み込まれた。

気づくと2人は映画「神の筆」の世界に入り込んでいた。そして、映画に登場しないはずの怪獣ヤマタノオロチがこの世界のすべてを破壊し尽くそうとする光景を目の当たりにする。元の世界に戻るため、2人は時宮が作るはずだった映画「神の筆」の秘密に迫っていくことに。

ウイキペディアによると、村瀬継蔵さんは1935年北海道池田町生まれ、現在、造形美術会社「有限会社ツエニー」の会長。1957年に23歳で上京して、アルバイトとして東宝の特殊美術に参加、1958年に東宝に入社した。同年の「大怪獣バラン」や、1963年の「マタンゴ」などの着ぐるみ造形を助手として手がける。

1965年に知人の劇団へ移籍するという形で五社協定を乗り越え、大映初の怪獣映画となる「大怪獣ガメラ」を手がけ、この仕事をきっかけに東宝から独立して「エキスプロダクション」の設立に参加し、1966年に日本テレビ系の「快獣ブースカ」や1967年にTBS系の「キャプテンウルトラ」などを担当し、1967年に韓国初の怪獣映画「大怪獣ヨンガリ」、1969年に台湾映画「乾坤三決斗」の造形も手がけた。

1970年の日本万国博覧会では、テーマ館「太陽の塔」の内部に建つ「生命の樹」に取りつけられた恐竜を、円谷英二（1901-1970）の紹介でいくつか手がけている。1972年に「エキスプロダクション」から独立し、造形美術会社「ツエニー」を設立した。折からの変身怪獣ブームに伴い、1971年から1973年の「仮面ライダー」（テレビ朝日系）、1972年の「超人バロム・1」（日本テレビ系）、1972年から1973年の「ウルトラマンA」（TBS系）、1972年から1973年の「人造人間キカイダー」（テレビ朝日系）、1973年から1974年の「クレクレタコラ」（フジテレビ系）などの造形を手がけた。

1976年に香港のショウ・ブラザーズに招かれて「蛇王子」の造形を担当、1977年に「北京原人の逆襲」の造形だけでなく、火だるまとなった北京原人が高層ビルのセットから落下する場面のスタントも演じている。その後は1988年の「帝都大戦」（東宝）や1991年の「ゴジラvsキングギドラ」（東宝）などのセットや造形を手がけた。現在は映画、テレビ以外にも、CM映像や劇団四季の舞台造形・美術など幅広く活躍している。2024年に第47回日本アカデミー賞協会特別賞を受賞している。

また、子息の村瀬文継さん（特殊造形）も、同じく子息で「ツエニー」の社長の村瀬直人さん（エグゼクティブプロデューサー）もスタッフとして今回の映画に参加している。

チケットはすでにオンラインと劇場窓口で販売している。料金は全席指定で2500円均一。入場者には西川伸司さんがヤマタノオロチイラストを描いた特製うちわをプレゼントする。