丸善日本橋でガラス工芸協展、神田正之、吉井こころ、田邉玲子ら

【銀座新聞ニュース=2024年7月21日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は7月24日から30日まで3階ギャラリーで「日本ガラス工芸協会 夏のガラス展」を開く。

丸善・日本橋店で7月24日から30日まで開かれる「日本ガラス工芸協会 夏のガラス展」のフライヤー。9人の作品が紹介されている。

1972年に設立された「日本ガラス工芸協会(JGAA)」(練馬区中村北4-14-4、03-3577-0908)の所属する理事長の神田正之さんをはじめ、選抜会員9人による「夏のガラス展」で、王侯貴族のようなグラスやキラキラ光るガラスの五重の塔、ガラスの花のブローチやガラス絵の額、ガラス粉から創った蝶の精、「とんでもなく凝ったおしゃれな花器やディッシュなど、アートなガラス」を展示販売する。

今回、出品するのは神田正之さん、齊藤幸夫さん、須賀訓さん、副理事長の田邉玲子さん、中村和美さん、新倉(にいくら)晴比古さん、福田勝司(かつし)さん、副理事長の吉井こころさん、力石直子さん。

日本ガラス工芸協会は1972年にガラスを共通の素材として創作活動をしている作家、クラフトマン、デザイナーたちが呼びかけ、正会員56人で設立され、岩田久利(1925-1994)が理事長に就任し、1974年に最初の「日本のガラス展」を開き、1978年に2回目を開き、以降、3年ごとに協会展、毎年として企画展を開いており、現在の会員数は約100人。

神田正之さんは1956年東京都生まれ、1982年に多摩美術大学立体デザイン科ガラスコースを卒業、ドイツのグラスハウス「アム・ヴァッサートゥルム」にてアシスタント、1983年にデンマークの「エーベルトフトグラス」にてアシスタント、1985年から1987年まで多摩美術大学立体デザイン科副手、1989年にデンマーク政府給費留学生としてデンマークデザインスコーレ(ガラスコース)、デンマーク王立美術アカデミーで制作(1993年まで)、1996年に「神田ガラス工房」を埼玉・所沢市に設立した。

2002年に「第1回現代ガラス大賞展・富山2002」で入選(2005年に奨励賞)、2003年に「第2回KOGANEZAKI(黄金崎)・器のかたち・現代ガラス展」で日本ガラス工芸協会賞、2022年に日本ガラス工芸協会理事長に就任している。

齊藤幸夫さんは1953年埼玉県生まれ、1969年に「保谷硝子」に入社(2001年まで)、1990年に国内外切子実演ツアーを担当、ブランドプロモーション活動に参加し、2007年に「東京国際ガラス学院講師展」に出品し、2008年から「’08日本のガラス展」に出品(2012年、2015年にも出品)、同年に全日本スキー技術選手権大会のチャンピオントロフィーを制作、2015年にガラス展「空」などに出品している。

須賀訓さんは埼玉県生まれ、1991年度に東京ガラス工芸研究所を卒業、朝日現代クラフト展で最優秀賞、日本クラフト展、埼玉美術展などで入選している。

田邉玲子さんは1952年東京都生まれ、1972年に女子美術大学造形科グラフィックデザインを卒業、同年に三越に入社、グラフィックデザイナーとして勤務し、1977年に三越を退社、2000年に東京商工会議所よりカラーコーディネイター1級を取得、2004年にJABA日本ブラストアート協会展で入賞(2006年まで3年連続で入賞)、2005年に個展、2006年に日本手工芸展で入選、「第61回新匠工芸会東京展」で新人賞を受賞している。

2007年に伝統工芸諸工芸部会展で入選、新匠工芸会で入選(2009年に努力賞)、2008年に日本ガラス工芸協会に入会、2009年に「第5回雪のデザイン賞」で奨励賞、2010年に日本手工芸美術展で金賞、2014年に新匠工芸会で会友賞などを受賞、2018年に台湾にて展示会を開いている。現在、日本ガラス工芸協会副理事長。

中村和美さんは1964年東京都生まれ、1990年に武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科を卒業、1991年にHOYAクリスタル事業部に入社、1997年まで所属、その後、独立した。1996年に「’96日本のガラス展」に出品し、以後毎回出品している。

新倉晴比古さんは1954年奈良県生まれ、1979年に多摩美術大学立体デザイン科を卒業、1999年に「日本のガラス2000年」展(サントリー美術館)に出品し、「’99日本のガラス展」で会員部門賞(2005年に藤田喬平賞、2015年にJGAA賞)、2011年に銀座巴里に「夕顔」(女神キャストレリーフ)を製作している。

福田勝司さんは1963年東京都生まれ、1989年に横浜国立大学大学院工学研究科修士課程を修了、電機メーカーに入社し、1999年にメーカーを退職し、「グラス工房達風(たっぷう)」を設立し、ステンドグラス作家として独立し、2000年にフランスに遊学(モンタルジーのステンドグラス工房に短期留学など)、同年に銀座で個展、2002年に日本現代ガラス展(能登島)でステンドグラス作品として唯一入選、同年に第1回ステンドグラス美術展で入選した。

2007年に無鉛ステンドグラスの制作設備を開発し、その手法を「フュージング画(=無鉛ステンド)」として制作をはじめ、2015年に竜ヶ崎市のふるさと納税返礼品に採用され、2017年にイタリア・フィレンツェの美術館でグループ展に参加している。

吉井こころさんは1973年神奈川県生まれ、1998年に多摩美術大学ガラスコースを卒業、1998年から2001年まで「ODELIC」の照明器具デザインに従事、2008年に「第44回神奈川県美術展」で大賞、2011年に「富山現代ガラス展」で入選(2018年入選)、2012年に「第5回現代ガラス展in山陽小野田」で隈研吾審査員賞、2017年と2018年に日本美術展(日展)で入選している。

2018年に東京藝術大学大学院美術研究領域工芸専攻を修了、2021年に「国際工芸アワードとやま」で入選、日本ガラス工芸協会でJGAA賞、2022年に「国際ガラス展金沢2022」で入選、2022年から2023年までオーストラリア・シドニー大学社会芸術学部に留学、2024年に東京藝術大学大学院美術研究領域後期博士課程を修了している。

力石直子さんは1976年愛知県生まれ、1999年に女子美術大学芸術学部工芸科ガラスコースを卒業、同年に「99日本のガラス展」の公募部門で入選、2001年に同大学大学院領域・陶造形を修了している。

24日、27日、28日の14時からギャッリートークを開く。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。