【銀座新聞ニュース=2024年9月2日】ギャルリー志門(中央区銀座6-13-7、新保ビル、03-3541-2511)は9月2日から7日まで「第10回文学と版画展-文学へのオマージュ」を開いている。
国画会(港区浜松町2-1-16、北田ビル、03-3438-1470)や日本版画協会(杉並区高円寺南4-51-1、03-6379-9596)、日本美術家連盟(中央区銀座3-10-19、美術家会館、03-3542-2581)、春陽会(千代田区六番町、1番町一番館、03-6380-9145)といった団体の版画部に所属する版画家12人が1冊の文学書からインスピレーションを受けてイメージを醸成し、同時に装丁も行った作品を展示している。今回が10回目になる。
19世紀に写真が発明されるまで、版画は本のさし絵として重要な役割を担い、昔から版画と文学は切っても切れない関係にある。そうした中で、版画家が自由に文学書を選んで、自ら版画作品として展示する。
今回は、銅版画家の太田策司(さくじ)さん(国画会会員)がインドの宗教的哲人、精神教師、教育者、神秘家のJ・クリシュナムーティー(Jiddu Krishnamurti、1895-1956)の「自我の終焉」(1981年)、銅版画家の園城寺建治さん(国画会会員、日本美術家連盟会員)が美学、美術史学者、元神戸大学教授の岩山三郎(1920-1996)の「美の哲学」(1966年)、銅版画家の斎藤郷子(さとこ)さん(国画会会員)が英国の小説家、脚本家で、2017年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロさん(Sir Kazuo Ishiguro、1954年生まれ)の「クララとお日さま(Klara and the Sun)」(土屋政雄さん訳、2021年)。
リトグラフ作家の佐々順子さん(国画会会員)が作家の奥平亜美衣(おくだいら・あみい)さんの「アインソフの物語」(2021年)、版画家の鈴木智恵(ともえ)さん(日本版画協会会員)が作家の小川糸さんの「糸暦(いとごよみ)」(2023年)、銅版画家の白木ゆりさんが劇作家の三好十郎(1902-1958)の「浮標(ぶい)」(1940=昭和15=年)、銅版画家の髙橋洋子さん(日本美術家連盟会員)が詩人の萩原朔太郎(1886-1942)の「月に吠える」(1917=大正6=年)。
リトグラフ作家の竹内美穂子さん(春陽会会員)がインドの詩人、思想家のR・タゴール(R Tagore、1861-1941)の「詩と人生」(高良=こうら=とみ他訳、1967年)、版画家の田原優子さんが幸田文(あや、1904-1990)の「木」(1992年)、版画家の永井雅人さん(日本版画協会準会員)が哲学者の斎藤幸平さんの「ゼロからの『資本論』」(2023年)、版画家の萩原季満野(きみの)さん(日本版画協会会員)が作家、キュレーターの原田マハさんの「板上に咲く」(2024年)、リトグラフ作家の箕輪香名子さん(春陽会会員)が宮沢賢治(1896-1933)の童話「注文の多い料理店」(1924年)を出品する。
2日に作家による説明会を開く。
開場時間は11時から19時(最終日は17時)、入場は無料。