蔦屋書店で深堀隆介監修「金魚」展、絵画や切り絵、立体等10人

【銀座新聞ニュース=2024年8月22日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)傘下の銀座蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は10月13日までBOOK売り場で「Curated by Riusuke Fukahori 金魚美抄2024×銀座蔦屋書店ーGoldfish Art Collection」を開いている。

銀座蔦屋書店で10月13日まで開かれている深堀隆介さん監修の「金魚美抄2024×銀座蔦屋書店ーGoldfish Art Collection(ゴールドフィッシュアートコレクション)」のフライヤー。

現代美術家で金魚絵師の深堀(ふかほり)隆介さんが監修している「金魚美抄(びしょう)2024」と銀座蔦屋書店のコラボ展で、深堀隆介さんをはじめ、10人の作家が金魚に関する作品やグッズを展示している。今回は、絵画やイラスト、切り絵などの平面作品、フェルトを使った立体作品、ミクストメディアによる現代アート作品など、それぞれの技法、表現を駆使した魅力的な「金魚」の数々を展示販売している。

深堀隆介さんが監修する「金魚美抄」展は、2017年に金沢21世紀美術館で初めて開かれ、2回目を経て2024年は「金魚美抄2024」展として金沢、三重と巡回。9月5日から10月22日には広島県三次市の奥田元宋・小由女美術館で開かれる予定。

今回出品しているのは金魚に魅せられ、創作している美術作家の深堀隆介さんのほか、女性のイラストレーターで水彩画家の岩本夏樹さん、少女や金魚、動植物をモチーフに独自の世界観で作品を展開するアクリル画家の上田風子さん、消しゴム判子作家の京楽(きょうらく)堂(片山瑳紀=かたやま・さき)さん、ミニチュアの金魚など水棲生物を中心に、12分の1サイズのドールハウスやミニチュア作家の小林美幸さん、動植物をモチーフとした水彩画家の西村はるさん(今回はグッズと書籍のみの出品)。

「生命」の逞しくも儚い美しさと一瞬の躍動を鮮やかな色彩を使い表現し、金魚も代表的なモチーフとして描き続けている油彩画家の藤本絢子さん、墨と和紙で金魚モチーフの作品を描く日本画家の堀としかずさん、金魚切り絵作家の雅人-masato-(名嘉元雅人)さん、羊毛フェルトで金魚作品を制作している矢萩ひかるさん、江戸切子作家でガラス工芸家の但野英芳(ひでよし)さん。

深堀隆介さんは1973年愛知県名古屋市生まれ、1995年に愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸専攻学科を卒業、卒業後はフリーの活動を経たのち、名古屋のディスプレイ会社にデザイナーとして勤務、1999年に退社後、本格的に創作活動を開始、アクリル透明樹脂にアクリル絵の具で何層にも重ねて描く「2.5Dペインティング」と称される技法により立体感のある金魚を作り出し、一合枡と五勺枡を使った「金魚酒」などを制作、その作品は、まるで目の前に水があり、命のある金魚が泳いでいるかのような迫真性がある。2003年に「金魚酒」で「ターナー・アクリル・アウォード2003」で今井祝雄賞、2007年に貸工場を改装し、アトリエ「金魚養画場」を開設している。

2000年に旧富士銀行ストリートギャラリーに採用され、2001年に京都嵯峨芸術大学アートコンペ2001で特別賞、2003年にみずほ銀行ストリートギャラリーに採用され、2006年に第9回岡本太郎現代芸術大賞展2006で入選、2012年に香港の「PERSPECTIVE(パースペクティブ)透視 40under40 2012」ART部門を受賞している。現在、横浜美術大学客員教授、愛知県弥富市広報大使を務めている。

岩本夏樹さんは1989年静岡県生まれ、2013年に多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン科を卒業、2013年にチャリティ展覧会「多摩美術大学校友小品展2013」でチャレンジ賞、2017年に公募展「ZEN(ゼン)展」で優秀賞などを受賞している。

上田風子さんは1979年栃木県生まれ、2001年に東京工芸大学芸術学部デザイン学科を卒業、2003年に同大学大学院芸術学研究科メディアアート専攻デザイン領域を修了、2000年にひとつぼ展で入選、同年にイラストレーションヨコハマ・コンペティション2000で優秀賞、2001年にJACA・日本ビジュアルアートで特別賞、2004年にVOCA展に出品している。2005年に創形美術学校非常勤講師(2007年まで)。

京楽堂さんは東京都生まれ、2016年に首都大学東京都市教養学部都市教養学科理工学系生命科学コースを卒業した。13歳から消しゴムはんこ作りを趣味で始め、2015年から「京楽堂」の屋号でインターネット上やイベントで作品を発表、2017年にZEN展絵画部門で消しゴムはんこ作品で優秀賞、2018年に第41回三菱商事アート・ゲート・プログラムで入選している。

デザインカッター1本で、生物学やピクセルアートなど、さまざまな分野と消しゴムはんこを結びつけ、独自の世界観のある作品を制作している。

小林美幸さんは兵庫県神戸市生まれ、武庫川女子大学英米文学科を卒業、高校生の時にドールハウスの世界を知り、結婚後の1988年から粘土でミニチュア小物の制作を始め、2012年よりシカゴやニューヨークのミニチュアショーに出展、2013年よりアメリカIGMA(イグマ)スクールにて講師を担当、2017年と2020年に「金魚美抄展」にも参加している。

西村はるさんは福岡県生まれ、九州産業大学芸術学部デザイン学科を卒業、2010年より福岡や東京で個展を中心にアートイベントなどで活動している。動植物をモチーフとした色彩豊かな作品を制作している。

藤本絢子さんは1985年大阪府生まれ、2008年に京都市立芸術大学美術科油画専攻を卒業、2011年に京都造形芸術大学院修士課程芸術表現専攻洋画領域を修了、2009年に第7回三菱商事アートゲートプログラムで入選(第10回、第17回、第18回も入選)、2010年に第2回松陰芸術賞(京都造形芸術大学学長奨励賞) 、ALBION AWARDS(アルビオンアワード)2010で銀賞、2014年に第29回ホルベイン・スカラシップ奨学生に認定され、2015年に第2回うたづ(宇多津)Art Award 2015で大賞、Young Creators Award(ヤングクリエイターズアワード)2015で優秀賞などを受賞している。

堀としかずさんは1991年愛媛県生まれ、2012年に嵯峨美術短期大学イラストレーション領域を卒業、主に墨と和紙を使って日本画の余白や雲の描き方、付喪神などを取り入れながらモチーフを自分の世界観に落とし込んで表現している。

2014年にアートストリーム2014アーツサポート関西賞、2015年にヤングクリエイターズアワード2015でMIギャラリー賞(2017年にMIギャラリー賞、オーディエンス賞)などを受賞している。

雅人-masato-さんは東京都生まれ、2008年に日本デザイン専門学校工業工芸科クラフトデザイン専攻を卒業、2014年から金魚切り絵作家として活動を開始している。和紙を染めたり、作品に奥行きを作ることで影を出し、金魚が泳いで見えるような立体感を出すようにしている。

矢萩ひかるさんは1991年北海道旭川市生まれ、北海道教育大学を卒業、羊毛フェルトや布を使って人や猫と同じ空間を泳げる、ふわふわ軽くて可愛い金魚を作っている。

但野英芳さんは1970年東京都生まれ、日本デザイン専門学校を卒業、日本総合計画研究所を経て、1992年に父親の但野孝一さんに師事し、1994年に第6回江戸切子新作展で東京カットガラス組合理事長賞(1995年に江東区優良賞、1996年にアイデア賞、1997年に中小企業公社理事長賞、1998年と1999年に江東区議会議長賞、2001年と2002年、2004年、2015年に江東区長賞、2003年、2008年、2009年、2012年に東京都知事賞、2005年と2006年、2017年に経産省関東経済産業局長賞、2018年に藤巻百貨店賞)を受賞した。

1995年に東京ガラスアート展’95で入選、1997年に全国伝統的工芸品コンクールで入選(以後7回入選)、1998年にテーブルウェア・フェスティバル’98暮らしを彩る器展で入賞(2000年に入選)、2003年に大阪工芸展で日本貿易振興会大阪本部長賞(2004年に入選、2005年に大阪市長賞)、2007年に第7回関東伝統工芸士会作品コンクールで(財)伝統的工芸品産業振興協会長賞、2014年に第17回日本伝統工芸士会作品展で有田町長賞(2016年に衆議院議長賞)などを受賞している。

2006年に経産大臣指定の伝統的工芸品江戸切子の伝統工芸士に認定され、2012年に江戸切子伝統工芸士会副会長、2019年に国の伝統工芸士を返納した。

開場時間は10時30分から21時。入場は無料。