【銀座新聞ニュース=2024年9月1日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は9月4日から17日まで春川ナミオの個展「MASSTER CLASS」を開く。
ヴァニラ画廊によると、春川ナミオ(1947-2020)は、一貫して豊満な女性のお尻を描き続けた稀代のアーティストで、豊かな作品は斯界だけにとどまらず、国内外のアーティストに広く影響を与え、春川ナミオの描く唯一無二のエロティック・ファンタジーは、多くのファンを現在も魅了し続けている。
上品な美しさを秘めた女性を描き続けた春川ナミオは、独自のユーモアを交えながら女性上位の世界観を構築した。今回は貴婦人からキャリアウーマン、教師、スポーツウーマン、令嬢、看守、ドミナといったあらゆる女性が、多様なシチュエーションにおいて顔面騎乗を謳歌する作品に焦点を当てた作品を展示する。また、原画の展示販売の他、参考資料の展示、書籍・グッズも発売する。
春川ナミオは生前、ペン、筆、その他、いろいろな用具を使ったが、結局は鉛筆に戻った。春川ナミオはこれまで何百、何千枚とお尻を中心とした絵を描いてきたが、「どれだけの人が自分の絵を知ってくれているだろうか?おそらく誰も知らないでしょう。それでもこの絵は何十年も生き続けているのです。それは鉛筆と共に心で描いているから」と主張していた。
ウイキペディアによると、春川ナミオは1947年大阪府生まれ、自営業のかたわらSM雑誌などに独特のサディスティックな豊満美女を描き続けてきた。昭和30年代に「奇譚クラブ」の読者投稿欄に投稿し、男性マゾヒズムをテーマにした独特の絵柄でマニアの支持を集め、「奇譚クラブ」からデビューした。
欧米のウェブサイトで春川ナミオの絵を掲載しているアダルトサイトも増え、彼の名前を知らなくても絵は見たことがあるという人はおり、専門サイトも存在している。マゾの世界を独特のタッチで描いていることで知られ、長らく画業と他の仕事の二足のわらじをはいていたが、晩年は画業に専業していた。雑誌イラスト以外に、AVのパッケージイラストやアドバイザーなども手がけ、よりお尻に密着した創作を続けてきた。
2011年に個展「デカメロン」、2012年に個展「ドミナの園」、2014年に「第2回現代日本のエロティックアート展」、2015年に「マグナマテル(Magna Mater)-豊饒の海」、2017年にヴァニラ画廊で個展「エスプリ」、2019年4月に個展「ビーナス・カリピゲ(VENUS CALLIPYGE、ビーナスのような美しいお尻)」を開いている。
イラストレーターのみうらじゅんさん(1958生まれ)は、思春期に見た春川ナミオの画が心に残っており、2000年に小説「Slave of love」を連載するにあたって春川ナミオに挿絵を依頼し、それにちなみ、没年の2020年に「みうらじゅん賞」を贈った。
開場時間は12時から19時(土・日曜日17時)まで。入場料は1000円。18歳未満は入場できない。