【銀座新聞ニュース=2024年9月21日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は9月25日から10月1日まで3階特設会場で松田みきこさんらによる「ポーセリンアートセレクション」を開く。
「ポーセリンアート」に関わる7人の作家が出品する。出品するのは「SionCorona(シオンコローナ)」(文京区)を主宰する松田みきこさん、「Petitfontaine(プティフォンテーヌ)」(武蔵野市吉祥寺)を主宰する千葉さき子さん、「L’atelier de Marie(ラトリエ・ドゥ・マリ)」を主宰する森真理さん、「アトリエセラン」(神奈川県川崎市麻生区上麻生4)を主宰するなが田カガリさん、「ポーセラーツ器.輝(H.po)」を主宰する星野裕子さん、「ClayArt(クレイアート)」を主宰する五十嵐はるこさん、「AtelierMioko(アトリエ・ミオコ)」(田園都市線青葉台駅)を主宰する丸岡美保子さんの7人。
なが田カガリさんによると、「ポーセリンペインティング(ポーセリンアート)」とは、ポーセリン(porceiain、磁器)とart(芸術)を組み合わせた言葉で、磁器に絵付けをしたり、専用の水で貼るシールを皿やカップに貼り付けて電気炉(電気窯)に入れ、約800度の高温で焼成して仕上げるクラフトをさす。一般には「ポーセラーツ」と呼ばれている。磁器に絵を描く工芸で、「陶磁器絵付け」ともいう。
焼き物には土器、陶器、炉器(せっき)、磁器という4種類があり、土器は粘土に水を加え、こねて練り固めることによって成形し、 焼き固めることで仕上げた容器をいう。陶器は土器に釉薬(ゆうやく)というガラス質の液体でコーティングして、高温で焼成し、耐水性を持たせたものをいう。土器よりは硬いが、磁器よりは焼き締まらず、不透明。
磁器はガラス質の多く含まれた土や動物の骨を砕いた粉末を練って成型したもので、釉薬をかけてさらに硬質に仕上げる。高温で焼成されるので耐水性があり、叩いた時に金属音がする。肌は白い。炉器は素地(きじ)が固く焼き締まった焼き物で、非透光性である点で磁器と区別し、気孔性のない点で陶器と区別する。茶器や土管、火鉢などの大形物に用いる。
磁器にする絵付けには、釉薬のかかった完全に使用が可能な製品に絵付けをする上絵付け(オングレーズ)と、釉薬をかける前の素焼きの状態(ビスク)に絵付けをする下絵付け(イングレーズ)の2種類があり、ほとんどが上絵付けとされている。上絵付けの焼成温度は一般的には780度から800度で、ポーセラーツもカテゴリー的には上絵付けに入る。ウェッジウッドやロイヤルドルトンなどのヨーロッパのブランド食器は上絵付けされている。
下絵付けは1250度という高温で焼成し、磁器表面に施されている釉薬が溶け出し、絵の具が釉薬の下に潜り込む。焼き上がった下絵付け作品は絵付けされた絵が完全に釉薬の下に入り込むので仕上がりが艶やかになる。ロイヤルコペンハーゲンのイヤープレートは下絵付けで制作されている。
また、それぞれ専用に開発された絵の具が使用されていて、上絵付け専用の絵の具を下絵付けに使用することはできないし、その逆も同じ。
開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。