蔦屋書店で新井碧、五十嵐大地、角田笑香ら10人「交差」展

【銀座新聞ニュース=2024年9月27日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は9月28日から10月16日までイベントスペース「GINZA ATRIUM」でグループ展「Intersection2」を開く。

銀座蔦屋書店で9月28日から10月16日まで開かれるグループ展「Intersection2」のフライヤー。出品者の作品は上段左から新井碧さん、角田笑香さん、森ゆららさん。下段左が西浦裕太さん、右が山田美優さんの作品。

今回の「Intersection(インターセクション)」は、作風もコンセプトもまったく異なる10人の若手作家が「交差する」場で、2023年6月に1回目を開き、前回は「コロナ禍の約4年を経て、人々が再び交差し始めた今、芸術においてもまたさまざまな交差が起き始めており、作家がそれぞれの世界が交差し、ひとつの世界を共につくりあげる」としていた。今回は10人の出品者がそれぞれの思いで制作しており、100号を超える大型作品や木彫立体作品などを展示する。

今回、出品しているのは新井碧(みどり)さん、五十嵐大地さん、角田笑香(えみか)さん、那須佐和子さん(前回に続いて2回目)、西浦裕太さん、ペロンミさん、フカミエリ(ふかみ・えり)さん、森ゆららさん(前回に続いて2回目)、山田美優(みゆ)さん、弓月(ゆづき)さんの10人。

新井碧さんは鑑賞者に「描く行為」自体を身体的に想像・追体験させる手法で、生命と時間の在り方について問う作品を制作している。五十嵐大地さんは複製技法を用いて自作したモチーフを静物画として描く一連のプロジェクトを通して、イマージュの伝達とその変化から見られる普遍性を考察している。角田笑香さんは人物画を中心に描き、絵画自体は物質であるという事実と具象的なモチーフを描くことで立ち現れるドラマ性を融合させた作品を制作している。

那須佐和子さんは古典絵画の時代と現代人である自らが属する時代を対比させながら、絵画の可能性を模索するような風景画と人物画を描いており、それらの作品を通して距離、つながり、関係について思考している。西浦裕太さんは不思議な風景が閉じ込められたような独創的な木彫作品を制作している。ペロンミさんは生活の中で抱いた幻想をパネルに描きとめ、自己省察を繰り返しながら柔らかな描線でキャラクター絵画を描いている。

フカミエリさんは絵画について、また現代に生きる自分にとって可能な絵画について、美術の系譜のみならず、自身の時代や社会、文化を踏まえながら模索し実践している。森ゆららさんは、映画、音楽、芸術、書籍、人、自然、宇宙から受けたインスピレーションをもとにリスペクトと愛情をもってロマンティックなストーリーを想像し、独自の色彩感覚で表現している。

山田美優さんは時代や社会の流れの狭間に生きる者を投影した作品を制作している。現代人の持つ独自の浮遊感、つかみどころのなさといったものを捉え、都市と自然の中間的存在として砂状の素材を用いている。弓月さんは社会の歯車の中で、聞こえないふり、見ないふり、そして存在さえも無かったことにされてきた者たちに焦点を当てて作品を制作している。

新井碧さんは1992年茨城県生まれ、2015年に東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業、2022年に京都芸術大学修士課程芸術研究科美術工芸領域油画専攻を修了、2021年に「ターナーアワード2020」で入選、2022年に京都芸術大学 大学院修了展2022で優秀賞を受賞している。2021年から個展を開いている。

五十嵐大地さんは1996年東京都生まれ、2020年に東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業、2022年に同大学大学院油画第6研究室を修了、2018年から個展を開いている。

角田笑香さんは2001年福島県生まれ、2024年に武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻を卒業、2024年に同大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コースに在籍中。

那須佐和子さんは1996年東京都生まれ、2021年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 を卒業、2023年に同大学大学院美術研究科修士課程油画第一研究室を修了している。修了時にO氏記念賞奨学金を認定される。2022年から個展を開いている。

西浦裕太さんは1974年神奈川県横浜市生まれ、1997年にタンザニアのパガモヨ芸術大学スカルプチャープロジェクトを修学、2000年に東洋美術学校中国水墨画科を卒業、2005年にドイツのハンブルク芸術大学(hfbk)専修課程を中退している。2017年から個展を開き、2023年には中国杭州市で個展を開いている。

ペロンミさんは1987年宮城県仙台市生まれ、宮城大学を中退、2021年から個展を開いている。

フカミエリさんは大阪府生まれ、2024年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、現在、同大学大学院美術研究科修士課程油画第六研究室に在籍している。2022年から個展を開いている。2016年に「トーキョーワンダーウォール」で入選、2019年に「アートオリンピア 2019」で準佳作、2020年に「FACE2021」で入選、2021年に「長亭GALLERY展2021」で奨励賞(2022年に人気賞)、「WATOWA ART AWARD」で青井茂賞と家入賞、「シェル美術賞2021」で入賞、「ミス iD2021」(um!ち家)で芸術賞、2023年に「anonymous collection」で大賞、2024年に東京藝術大学油画卒業生制作学内審査展で取手市長賞などを受賞している。

森ゆららさんは1996年東京都生まれ、2020年に東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業、2022年に同藝術大学大学院美術研究科修士課程第一研究室を修了している。2024年に個展を開いている。

山田美優さんは1994年東京都生まれ、青山学院大学法学部を卒業、2020年に個展を中目黒蔦屋書店で開いている。

弓月さんは2004年生まれ、2023年に東京藝術大学絵画科油画専攻に入学している。

開場時間は11時から20時(最終日は18時)。作品は会場で27日18時から販売する。また、オンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」では30日11時から販売する。