【銀座新聞ニュース=2024年9月30日】中堅の映画配給会社のギャガ(港区南青山2-22-8、TYビル)と今回が劇場映画3作目となる自主映画製作会社で配給を担当する未来映画社(京都府京都市伏見区)は10月5日にTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-2、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で「侍タイムスリッパ-」の「大ヒット」御礼の舞台あいさつを開く。
「侍タイムスリッパ-」は8月17日に未来映画社の単独配給で池袋シネマ・ロサ1館で公開され、9月13日にはギャガが共同配給につき、全国120館以上に拡大し、9月末には148館にまで増え、このままいけば、興行通信社の映画ヒットランキングでトップ10入りの可能性も出ている。
この「大ヒット」を記念して、5日11時15分の回上映終了後に、監督、脚本、撮影、編集を手がけた未来映画社の代表取締役の安田淳一さんをはじめ、助監督の「山本優子」役の沙倉ゆうのさん、「撮影所所長・井上」役の井上肇さん、「斬られ役俳優・安藤」役の安藤彰則さんが舞台に登場して御礼のあいさつをする。
ウイキペディアによると、「侍タイムスリッパ-」は未来映画社の社長の安田淳一さんが愛車の「NSX」(ホンダ)を売却して、制作費をねん出し、10人ほどのスタッフで制作、安田淳一さんが監督、脚本、撮影、編集のほか、車両からチラシ作成、パンフレットの制作と11役以上をこなしている。また、映画の中で助監督役を務めた未来映画社所属、東映京都俳優部に所属している女優の沙倉ゆうのさんが実際の撮影でも助監督、制作、小道具などスタッフとしても活躍した。
映画は幕末の会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也さん)が長州藩士を襲撃した夜、落雷によって現代の京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまい、「斬られ役」として生きていくという時代劇コメディ映画だ。脚本に感銘を受けた東映京都撮影所が「自主制作で時代劇をつくる、などと言ったらいつもなら全力で止めるが、これは本(脚本)がおもしろいから、是非やりたい」と全面協力している。2024年のカナダのファンタジア国際映画祭に出品され、観客賞金賞を受賞している。
物語は幕末の京都、会津藩士の高坂新左衛門は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまうところからはじまる。目をさますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。
新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、がく然とする。一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する。
「未来映画社 note.」によると、安田淳一さんは1967年京都府生まれ、大阪経済大学在学中から映像制作業をはじめ、仕事に打ち込むあまり卒業に8年かかり、結婚式のビデオ撮影を皮切りに、幼稚園発表会、企業ビデオ、マルチカムによるイベント中継・収録などから映画製作にも広げ、2013年に自主制作した第1作目の「拳銃と目玉焼」の劇場公開にあたって宣伝配給を行う「未来映画社」を設立した。
映画制作だけではなく、配給・公開を通して制作費を回収し、再び映画を制作するというサイクルの確立を目指しており、「拳銃と目玉焼」を2014年春からミニシアターで先行公開し、同年秋には東映系シネコンで全国6都市のロードショーを実現した。2017年に未来映画社2作目となる「ごはん」を制作、監督も務め、全国5都市のシネコンにてロードーショーとなり、現在、未来映画社第3作目となる「侍タイムスリッパー」が公開されている。
チケットは9月30日24時からネットで販売をはじめ、劇場窓口が10月1日オープン時から販売する。料金は一般2000円、大学生・専門学生1500円、高校生・3歳以上中学生まで、障がい者1000円、シニア1300円。