ヴァニラで三代目彫よし「幕末の暗殺図」展、人斬り以蔵、直弼ら

【銀座新聞ニュース=2024年10月18日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は10月19日から11月4日まで「三代目彫よし」の中野義仁さんによる個展「慚愧と懺悔【人斬り無惨-残酷血みどろ絵巻】」を開く。

ヴァニラ画廊で10月19日から11月4日まで開かれる「三代目彫よし」こと、中野義仁さんの個展「慚愧と懺悔」のフライヤー。

「三代目彫よし」こと、中野義仁(よしひと)さんは、神奈川県横浜市にスタジオを構え、50年以上にわたり、和彫を究める刺青彫師で、その日本画はアメリカのスミソニアン・アメリカ美術館(ワシントン)や、モリカミミュージアム(フロリダ)などに所蔵されている。ヴァニラ画廊では、2009年の三代目彫よしこと、中野義仁さんによる幻武者図、生首・幽霊図、百鬼図、水滸列伝図に続き、15年ぶりとなる個展を開く。

今回は2020年から制作された、人斬り玄斎(河上彦斎=かわかみ・げんさい=1834-1872、1864年8月12日に兵学者の佐久間象山=1811-1864=を暗殺)、人斬り以蔵の岡田以蔵(いぞう、1838-1865、土佐藩士の井上佐市郎=1834-1862=を暗殺)、土佐藩士の坂本龍馬(りょうま、1836-1867、亀山社中=のちの「海援隊」を結成し、1867年12月10日に暗殺される)、近江彦根藩の第16代藩主で、江戸幕府の大老、井伊直弼(なおすけ、1815-1860、1860年3月24日、桜田門外の変により暗殺される)などの暗殺図をモチーフとした掛け軸21幅を公開し、三代目彫よしこと、中野義仁さんが描く壮絶な血飛沫滴る暗殺秘録の全貌に迫るとしている。

過去から未来に新しい時代を希求し歴史を変えた、一殺多生の暗殺をテーマにして、想像力と造詣の深さ、圧倒的な画力を駆使し、確実に急所を衝く殺法を臨場感のある情景に落とし込んでおり、命をかけてとどめの一撃を刺す、暗殺者たちの並々ならぬ気魄が圧巻の血みどろ絵を紹介する。

中野義仁さんは1946年静岡県島田市生まれ、中学卒業後、造船所の溶接工として働き、21歳の時、横浜の「彫よし」により、背に天女と龍の刺青を彫り、1971年に「彫よし」の部屋住み弟子になり、1979年に「三代目彫よし」を襲名し、1985年にイタリア・ローマの「タトゥーコンベンション」に参加し、世界の刺青愛好家と交流し、2012年にイギリス・ロンドンの「サマセット・ハウス」で個展、その後、アメリカ・ロリダ州モリカミ・ミュージアムに風神雷神の掛け軸2幅が、ワシントンD.C.スミソニアン・アメリカ美術館に竹藪幽霊と昇竜の2幅が所蔵されている。現在、研究資料のために蒐集されたものは、横浜の「文身歴史資料館」にて広く一般に公開されている。

妻の中野真由美さんは、2000年に横浜駅近くに設立した公立の「タトゥーミュージアム」の総支配人。また、息子の中野一義さんが2020年に「四代目堀よし」を襲名している。

開場時間は12時から19時(土・日曜日・祝日、最終日17時)で、入場料1000円。無休。