【銀座新聞ニュース=2024年10月27日】ギャルリー志門(中央区銀座6-13-7、新保ビル3階、03-3541-2511)は10月28日から11月2日まで荏原庸公による絵画作品 出版記念展を開く。
2023年に47歳で逝去したアーティストの荏原庸公(えばら・ようこう、1976-2023)が抗HIV薬の副作用に苦しみながらも描いた晩年の作品を含む約85点を掲載した画集が刊行されたのを記念して原画展を開く。今回は画集の中より37点を選んで展示する。
荏原庸公の画集は9月27日に「荏原庸公 絵画作品 EBARA Yoko Art Works」(誠文堂新光社、2970円)が、10月9日にその英仏語版「OEuvres d’art de Yoko Ebara(ウーブル・ダール・ドゥ・ヨウコウ・エバラ、荏原庸公のアート作品集)、1976-2023」(誠文堂新光社、2970円)が刊行されている。
出版社によると、今回の画集はデザイナーなどの活動をしていた、あるアーティスト(荏原庸公)の死後、発見された絵画、水彩、色鉛筆、サインペン、マーカー、グリッターなどを駆使したミクストメディアなど85点ほどの作品を所収している。それらを人物、抽象、デッサン、クロッキーなどテーマ別に分類したが、それらの作品は美術雑誌のイラストレーション部門などに応募された一部を除き未発表だった。
荏原庸公は、フランス留学時代にHIV(Human Immunodeficiency Virus=ヒト免疫不全ウイルス)の感染が発覚し、2004年に帰国、HIVの発症はしていなかったが、抗ウイルス薬の副作用で死の淵に追いこまれながら、その苦痛に耐えて作品を描き続けた。「学生時代から探求したチベット仏教的宇宙観、テキスタイルやファッションアートなどの影響も受けた作品群は、未知のあふれる才能が表現されている」としている。
「荏原庸公 絵画作品 EBARA Yoko Art Works」は1.絵画(Contemporary art)、2.人物(Portraits)、3.抽象(Abstract paintings)、4.デッサン(Drawings)、5.ファッションアート(Fashion drawings)、6.資料編(Documents)、荏原庸公年譜などで構成されている。
荏原庸公は1976年神奈川県川崎市生まれ、フランス・パリのスタイリスト専門学校「ステュディオ・ベルソー(Studio Bercot)」(1954年に開校、2023年に閉校)を卒業、フリーでテキスタイルデザイナー、フランス語翻訳業などの活動をして、2023年10月に逝去した。
開場時間は11時から19時(最終日は16時)、入場は無料。
