ためながで木村佳代子展、塗り重ねて宇宙を表現、前日サイン会も

【銀座新聞ニュース=2024年11月6日】ギャルリーためなが(中央区銀座7-5-4、03-3573-5368)は11月9日から12月8日まで木村佳代子さんによる個展「VIS VIVA FLORA」を開く。

ギャルリーためながで11月9日から12月8日まで開かれる木村佳代子さんの個展「VIS VIVA FLORA(ヴィス・ヴィヴァ・フローラ)」に出品される作品「Noble Tower(ノーブル・タワー)2024-01」。

また、木村佳代子さんが11月7日に作品約90点を掲載している初画集「FLORAIZON フロレゾン 木村佳代子作品集」(日貿出版社、税込4400円)を刊行することから、ギャルリーためながで個展開催の前日の8日17時から20時まで画集の販売と、木村佳代子さんによるサイン会を開く。

今回のタイトル「VIS VIVA FLORA(ヴィス・ヴィヴァ・フローラ、花の生きる力)」は画家の木村佳代子さんが花のモチーフに込めた「生命の強さ・美しさ」を表しており、「力強よく生きる命だからこそ、同時にその終わりが色濃く浮かび上がるように、ふとした瞬間に誰しもが感じることのあるこの世界の『時間』『命』『死』、またそれらを包括する『宇宙』を表現」(画廊)している。今回は新作約40点を展示する。

また、会場ではイタリアのフレグランスブランド「サンタ・マリア・ノヴェッラ(Santa Maria Novella)」(世界最古の薬局)とのコラボにより、花の香りに包まれる優雅なひと時を提供する。

木村佳代子さんは「花の秘めたるエネルギーの盛衰の中に、宇宙、時間、命、死といった普遍的テーマを落とし込み、それらの象徴として花を描いています。モチーフとなる花は、植物園などでの取材からフォルムの美しさや面白さを感じるものを選び出し、不必要に美化せず、花の持つ存在感を活かし、細い筆を用いて線の重なりで形を描き起こします。何層にも絵具を塗り重ねることで生まれる下地の深い奥行きが、画面に独特の風合いを与え、細密かつ鮮やかに描いたモチーフとの対比がより際立ちます」としている。

11月7日に刊行される木村佳代子さんの初画集「FLORAISON フロレゾン 木村佳代子作品集」の表紙。

木村佳代子さんは1971年東京都生まれ、1994年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、卒業制作買い上げで大和銀行蔵(後に明王物産へ移管)、1996年に同大学大学院美術研究科修士課程を修了、1995年に個展を開き、1999年に第1回野村賞、芸大美術館蔵に、2014年にFACE2015で損保ジャパン日本興亜美術賞で入選している。

9日16時から18時まで木村佳代子さんが来場してレセプションを開く。

17日14時から16時まで、誠品生活日本橋(中央区日本橋室町3-2-1、COREDO室町テラス2階)で武蔵野美術大学造形学部油絵学科教授の諏訪敦さん、彫刻家の金巻芳俊(よしとし)さんと木村佳代子さんによる出版記念トークイベントを開く。参加費は5400円(書籍代含む)。すでにネットPeatix(https://peatix.com/?lang=ja-jp)で受け付けている。

諏訪敦さんは1967年北海道生まれ、1992年に武蔵野美術大学大学院修士課程を修了、1994年に文化庁派遣芸術家在外研修員として2年間、スペイン・マドリードに在住、1995年に第5回バルセロ財団主催の国際絵画コンクールで大賞、2003年に第22回損保ジャパン美術財団選抜奨励展で秀作賞、2018年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科教授、2020年に紺綬褒章などを受賞している。、

金巻芳俊さんは1972年千葉県生まれ、1999年に多摩美術大学美術学部彫刻学科を卒業、2001年に二科展で特選(2005年に90回記念特別賞、2008年に会友賞、2010年に損保ジャパン奨励賞)、2009年にTAGBOAT スプリング・アワード2009で美術手帖賞、同年に日本芸術センター第1回彫刻コンクールで審査委員賞、2012年に損保ジャパン美術財団選抜奨励展で新作秀作賞などを受賞している。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は17時)。会場で画集も販売する。入場は無料。