日比谷「雨の中の慾情」公開で成田凌、中村映里子、森田剛が挨拶

【銀座新聞ニュース=2024年11月18日】カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのカルチュア・エンタテインメント(品川区上大崎3-1-1、目黒セントラルスクエア)傘下の映画配給事業のカルチュア・パブリッシャーズ(同上)は11月30日にTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-2、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で「雨の中の慾情」の公開を記念して出演者による舞台あいさつを開く。

11月29日から一般公開される「雨の中の慾情」((C)2024 「雨の中の慾情」製作委員会)。

30日9時30分の回上映終了後と13時05分の回上映前に、マンガ家「義男」役の成田凌さん、「福子」役の中村映里子さん、自称小説家の「伊守」役の森田剛さんが舞台に登場してあいさつする。

ウイキペディアによると、「雨の中の慾情」は、マンガ家のつげ義春さんが1981年12月に「夜行11」(北冬書房)に発表した短編マンガ作品で、表紙絵の下に「この作品が6、7年前にぼんやり空想に耽っていたものをコマ割りにして書き止めおいたもので、発表するつもりもなくここに掲載することに何の意味もない、ただこういう空想をしただけだ」という説明書きがある。絵コンテのままでの発表で、つげ義春さん自身は「だから作品じゃないですよ」と編集者の権藤晋(すすむ)さんとの対談で述べている。

また、公式サイトによると、 絵コンテのまま発表されたつげ義春さんの「雨の中の慾情」は2024年にヨーロッパ最大規模のマンガ祭であるフランス「アングレーム国際漫画祭」で歴史に残るべき作品に授与される「プリデュPATRIMOINE(パトリモワーヌ、遺産賞)にノミネートされた。この作品は「定本・夢の散歩」(北冬書房、1983年11月)に収録されている。

この異端作をベースに片山慎三さんが監督・脚本(大江崇允=たかまさ=さんが協力)を手がけ、つげ義春さんの同名短編を独創性あふれるラブストーリーとして映画化した。2023年3月に劇中のほとんどのシーンを台湾にて撮影し、昭和初期の日本を感じさせるレトロな町並みが多い台湾中部の嘉義市(かぎし、ジアイー)にてオールロケを敢行し、2人の男と1人の女の切なくも激しい性愛と情愛を描き出す。

10月30日に第37回東京国際映画祭の「コンペティション部門」として先行上映し、台湾では11月11日に第44回台北金馬映画祭にて先行上映された。

物語は貧しい北町に住む売れないマンガ家の義男は、アパート経営のほかに怪しい商売をしている大家の尾弥次(竹中直人さん)から、自称小説家の伊守とともに引っ越しの手伝いに駆り出される。

そこで離婚したばかりの福子と出会った義男は艶めかしい魅力をたたえた彼女にひかれるが、彼女にはすでに恋人がいる様子。伊守は自作の小説を掲載するため、裕福な南町で流行っているPR誌を真似て北町のPR誌を企画し、義男がその広告営業を手伝うことに。やがて福子と伊守が義男の家に転がり込んできて、3人の奇妙な共同生活が始まる。

片山慎三さんは1981年大阪府豊中市生まれ、中村幻児さん主宰の「映像塾」を卒業、韓国の映画監督で、後に2019年の「パラサイト 半地下の家族」でアメリカのアカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞を受賞するポン・ジュノさんの作品「TOKYO!」(2008年、「シェイキング東京」)でポン・ジュノ組に参加し、助監督を務め、2009年の韓国映画「母なる証明」でも助監督として参加した。

2011年の「僕たちのアフタースクール」や「苦役列車」(2012年)、「はなちゃんのみそ汁」(2015年)、「全裸監督」(2019年)などで助監督を務め、2019年の「岬の兄妹」で映画監督としてデビューした。この作品でSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018 国内コンペティション最優秀作品賞、観客賞、第29回日本映画批評家大賞新人監督賞を受賞した。

2020年に映画「そこにいた男」の監督、2022年に「さがす」の監督・脚本を手がけ、この作品で日本映画監督協会新人賞、第47回報知映画賞で監督賞、第14回TAMA映画賞で最優秀新進監督賞を受賞、2023年の映画「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」で内田英治さんと共同監督を手がけた。

チケットはチケットぴあを通じて先行抽選を受付中で、19日23時59分締め切り。23日10時より一般発売する。料金は全席指定で2200円均一。作品は「R15+」(15歳未満は鑑賞できない)に指定されている。