東宝24年映画、初の900億円台に、12月は13%減に

【銀座新聞ニュース=2025年1月16日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)はこのほど、2024年の映画営業部門の興行成績(速報ベース)が前年比17.9%増の913億4127万円と初めて900億円を突破したと発表した。

12月6日から一般公開されている「劇場版ドクターX FINAL」((C)2024「劇場版ドクターX」製作委員会)。興行通信社によると、6日から9日の初日3日間でトップ10ランキングの2位にランクイン、13日から15日が3位、20日から22日が5位、27日から29日が5位、1月3日から5日が5位、10日から12日が8位にランクされている。1月5日までの累計で観客動員数が201万人、興行収入が27億円を突破している。

過去の映画営業部門の興行成績をみると、2008年が前年比12.8%増の739億1460万円、2009年が同11.4%減の654億9331万円、2010年が同14.3%増の748億6961万円、2011年が同21.0%減の591億1111万円、2012年が同25.4%増の741億3577万円、2013年が同9.2%減の673億2289万円。

2014年が同8.4%増の729億6541万円、2015年が同0.3%増の731億5117万円、2016年が同16.8%増の854億2671万円と2014年から2016年まで3年連続で700億円を超え、とくに2016年は「君の名は。」の大ヒットもあって当時としては歴代1位の成績で、初めて800億円を超えた。

2017年はその反動で同21.4%減の620億2311万円に落ち込み、2018年も同2.4%減の605億3664万円と2年連続で600億円台、2019年は同27.4%増の771億318万円と700億円台を回復、2020年も同6.7%減の719億2370万円と2年ぶりのマイナスだったものの700億円台を維持した。2021年は同7.3%減の666億4726万円と3年ぶりに700億円を割り、2022年も同5.7%減の628億3384万円だったが、2023年は同比24.4%増の774億5808万円と4年ぶりにプラスとなり、3年ぶりに700億円台を回復した。2024年はさらに初めて900億円を突破した。

これまでの興行成績は2016年の854億円が最高だったが、2024年はそれを超えた。2024年に配給した作品数は29点で、1位が「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」(4月12日公開)の158億円、2位が「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」(2月16日公開)の116億4000万円、3位は「キングダム 大将軍の帰還」(7月12日公開)の80億3000万円、4位は「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」(2023年12月22日公開)の63億2000万円、5位は「ラストマイル」(8月23日公開)の59億1000万円だった。

また、TOHO(トーホー)シネマズ、関西共栄興行、東京楽天地という連結3社ベースの東宝グループの映画館の2024年の興行成績は同9.2%減の609億4148万円だった。

一方、2024年12月の映画営業部門の興行成績は前年同月比12.9%減の49億0676万円で、10月から3カ月続けてマイナスになった。

12月は例年、3月や8月と並んで観客動員数がもっとも多い需要期で、過去をみると、月別の映画営業部門興行成績を発表している2009年が39億円、2010年が62億円、2011年が49億円、2012年が42億円だったが、2013年に99億円、2014年に102億円、2015年に67億円、2016年に72億円、2017年に40億円と2013年から2016年まで60億円超で推移してきた。

2018年は22億円と月別数字を公表した2009年以来、初めて20億円台にとどまったが、2019年は33億円、2020年は2014年以来、6年ぶりに128億円と100億円の大台を突破し、2021年はその反動で大幅なマイナスとなったものの70億円、2022年も75億円、2023年が56億円だった。

新たに12月に公開されたのは、6日公開の「劇場版ドクターX FINAL」、11日公開の「NCT DREAM Mystery Lab: DREAM()SCAPE in CINEMAS」(TOHO NEXT)、13日公開の「映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、20日公開の「聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団」の4本だった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、12月6日から8日の週は「劇場版ドクターX FINAL」が初週で2位、「室井慎次 生き続ける者」が4週目で5位、「六人の嘘つきな大学生」が3週目で7位、「PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX」が2週目で9位、とトップ10入りは前週より2本増えて4本だった。

13日から15日の週は「劇場版ドクターX FINAL」が2週目で3位、「映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」が初週で4位、「室井慎次 生き続ける者」が5週目で7位、「六人の嘘つきな大学生」が4週目で10位、とトップ10入りは前週と同じく4本だった。

20日から22日の週は「劇場版ドクターX FINAL」が3週目で5位、「聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団」が初週で6位、「映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」が2週目で8位、とトップ10入りは前週より1本減って3本だった。

27日から29日の週は「劇場版ドクターX FINAL」が4週目で5位、「聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団」が2週目で6位、「映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」が3週目で7位、とトップ10入りは前週と同じく3本だった。

12月に映画館で上映された東宝の配給作品(TOHO NEXTを含む)は、「映画『グランメゾン・パリ』」(12月30日公開)、「聖☆おにいさん THE MOVIEーホーリーメンVS悪魔軍団」(12月20日公開)、「映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』」(12月13日公開)、「劇場版ドクターX FINAL」(12月6日公開)。

「NCT DREAM Mystery Lab: DREAM()SCAPE in CINEMAS」(12月11日公開)、「『ルパン三世 カリオストロの城』公開45周年記念上映」(11月29日公開)、「PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX」(11月29日公開)、「六人の嘘つきな大学生」(11月22日公開)、「室井慎次 生き続ける者」(11月15日公開)、「室井慎次 敗れざる者」(10月11日公開)、「スマホを落としただけなのに-最終章-ファイナル ハッキング ゲーム」(11月1日公開)、「ラストマイル」(8月23日公開)ほか。