丸善丸の内で永井郁子「わかったさんスイートポテト」原画展

【銀座新聞ニュース=2025年1月31日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は1月30日から2月28日まで3階児童書売場壁面ギャラリーで永井郁子さんによる「わかったさんのスイートポテト」原画展を開いている。

丸善・丸の内本店で2月28日まで開かれている永井郁子さんの「わかったさんのスイートポテト」原画展に展示されている絵本の表紙。

「わかったさん」シリーズは1987年から作家の寺村輝夫(1928-2006)が文章を、永井郁子さんが絵を手がけた、クリーニング屋の娘「わかったさん」が、配達の途中でまきこまれる不思議な世界を描き、話のなかにお菓子作りのカギがあり、巻末で実際の作り方をわかりやすく解説している絵本シリーズ。

その後、永井郁子さんが寺村輝夫の世界観を受け継いで、物語(企画、原案は寺村輝夫)と絵を描き、あらたに「わかったさんのあたらしいおかしシリーズ」として刊行をスタートしている。その第1弾が2024年9月に刊行した「わかったさんのスイートポテト」(あかね書房、税別1200円)で、第2弾が5月に刊行される予定。

「わかったさんのあたらしいおかしシリーズ」としては1987年12月に「わかったさんのクッキー」を刊行して以来、1988年2月に「わかったさんのシュークリーム」、同年5月に「わかったさんのドーナツ」、同年11月に「わかったさんのアップルパイ」、1989年3月に「わかったさんのホットケーキ」、1989年11月に「わかったさんのプリン」、1990年6月に「わかったさんのアイスクリーム」、1990年11月に「わかったさんのショートケーキ」、1991年5月に「わかったさんのクレープ」、同年11月に「わかったさんのマドレーヌ」を刊行している。

また、2017年9月に寺村輝夫の原文を元に、永井郁子さんが過去に刊行した「わかったさん」シリーズを再構成して、企画、構成を担当して絵をつけ、新しいレシピも加えた「わかったさんとおかしをつくろう!」シリーズ3冊を刊行した。「わかったさんの こんがりおやつ」(税別1200円、あかね書房)、「わかったさんの ひんやりスイーツ」(税別1200円、あかね書房)、「わかったさんのふんわりケーキ」(税別1200円、あかね書房)の3冊。

「わかったさんのスイートポテト」はクリーニングの配達中にサツマイモほりを手伝ったわかったさん、気がつけばスイートポテトを食べたいというヤーぼっちゃんのために、あっちこっちへ走りまわることに…!?

永井郁子さんは1955年広島県豊田郡(現三原市)生まれ、1978年に多摩美術大学油画科を卒業、1979年に「ピノッキオ」(集英社)のさし絵画家としてデビューし、1986年に「童話創作入門講座」(池袋コミュニティーカレッジ)で、寺村輝夫より童話創作を学び、1987年から2001年まで寺村輝夫とのコンビにより「わかったさんのおかし」シリーズ、「かいぞくポケット」シリーズ、「まほうつかいのレオくん」シリーズ、「わたしまじょですマヤイです」シリーズ、「ダイマはちび悪魔」シリーズを刊行した。

2003年に「ドラゴンまるのぼうけん」シリーズの「ブォオーン!クジラじま」で絵本作家としてデビューし、2004年に山下明生さんより児童文学を学び、2009年にビーゲン・セン(尾下千秋)さん作「きせつのえほん」シリーズをスタートし、同年に広島県三原市ふるさと大使に就任、2011年に下村昇さん著「唱えて覚える」シリーズを刊行、2013年におしゃれさんの「茶道はじめて物語」シリーズ(茶道を楽しく学ぶ絵本)をスタートした。

また、絵本のテーマソングに合わせて子どもたちといっしょにダンスを踊り、読み語りをする「えほんダンスパフォーマンス」を各地で開いている。2016年からお話し会などで「絵本で茶会」と題して、読み聞かせと子どもたちにお点前を披露している。2018年に梅光学院大学子ども学部客員教授、同年に「わかったさんのこんがりおやつ」で第5回料理レシピ本大賞絵本賞を受賞している。

開場時間は9時から21時(最終日は19時)まで。入場は無料。