【銀座新聞ニュース=2025年2月10日】中堅の映画配給会社のギャガ(港区南青山2-22-8、TYビル)と今回が劇場映画3作目となる自主映画製作会社で配給を担当する未来映画社(京都府京都市伏見区)は2月15日にTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-2、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で「侍タイムスリッパ-」の監督の安田淳一さんによるティーチインを開催する。
「侍タイムスリッパ-」は2024年8月17日に未来映画社の単独配給で池袋シネマ・ロサ1館で公開され、9月13日にはギャガが共同配給につき、全国120館以上に拡大し、9月末には148館、日刊スポーツによると、12月25日には355館にまで増えている。さらに、公式サイトによると、2025年2月から東京都内だけでも船堀シネパルが7日から上映、また、14日からTOHOシネマズ新宿、MOVIX亀有、109シネマズ木場、イオンシネマ板橋、イオンシネマシアタス調布、イオンシネマ多摩センター、イオンシネマむさし村山と8館で上映予定、28日からはCINEMA NECOでも上映する予定となっている。
「侍タイムスリッパ-」は製作費が2600万円で、日刊スポーツでは12月25日時点で興行収入が8億1700万円としている。
こうした中で、監督の安田淳一さんが2月15日12時50分の回上映終了後に舞台に登場してティーチインを開く。
ウイキペディアによると、「侍タイムスリッパ-」は未来映画社の社長の安田淳一さんが愛車の「NSX」(ホンダ)を売却して、制作費をねん出し、10人ほどのスタッフで制作、安田淳一さんが監督、脚本、撮影、編集のほか、車両からチラシ作成、パンフレットの制作と11役以上をこなしている。また、映画の中で助監督役を務めた未来映画社所属、東映京都俳優部に所属している女優の沙倉ゆうのさんが実際の撮影でも助監督、制作、小道具などスタッフとしても活躍した。
映画は幕末の会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也さん)が長州藩士を襲撃した夜、落雷によって現代の京都の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまい、「斬られ役」として生きていくという時代劇コメディ映画だ。脚本に感銘を受けた東映京都撮影所が「自主制作で時代劇をつくる、などと言ったらいつもなら全力で止めるが、これは本(脚本)がおもしろいから、是非やりたい」と全面協力している。2024年のカナダのファンタジア国際映画祭に出品され、観客賞金賞を受賞している。
物語は幕末の京都、会津藩士の高坂新左衛門は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまうところからはじまる。目をさますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。
新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、がく然とする。一度は死を覚悟する新左衛門だったが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻していく。やがて彼は磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩き、斬られ役として生きていくことを決意する。
「未来映画社 note.」によると、安田淳一さんは1967年京都府生まれ、大阪経済大学在学中から映像制作業をはじめ、仕事に打ち込むあまり卒業に8年かかり、結婚式のビデオ撮影を皮切りに、幼稚園発表会、企業ビデオ、マルチカムによるイベント中継・収録などから映画製作にも広げ、2013年に自主制作した第1作目の「拳銃と目玉焼」の劇場公開にあたって宣伝配給を行う「未来映画社」を設立した。
映画制作だけではなく、配給・公開を通して制作費を回収し、再び映画を制作するというサイクルの確立を目指しており、「拳銃と目玉焼」を2014年春からミニシアターで先行公開し、同年秋には東映系シネコンで全国6都市のロードショーを実現した。2017年に未来映画社2作目となる「ごはん」を制作、監督も務め、全国5都市のシネコンにてロードーショーとなり、現在、未来映画社第3作目となる「侍タイムスリッパー」が公開されている。
チケットはすでにネットと劇場窓口で販売している。料金は一般2000円、大学生・専門学生1500円、高校生・3歳以上中学生まで、障がい者1000円、シニア1300円。