【銀座新聞ニュース=2025年2月10日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は2月8日から28日までアートウォールで新埜康平さんによる個展「a day on the planet」を開いている。

銀座蔦屋書店で2月28日まで開かれている新埜康平さんの個展「a day on the planet(ア・デイ・オン・ザ・プラネット)」に展示されている「Greatest of All Time#8」(顔料、銀箔、膠、柿渋、キャンバス、2024年)。
アーティストの新埜(あらの)康平さんはウォールアートやスケートボード、HIPHOPなどのストリートカルチャーや1990年代の映画の影響を受けながら、人物や情景をモチーフにした作品を、膠(にかわ)や和紙、胡粉などを使うことで、日本画特有の有機的なあたたかみを感じさせる作品を描いている。
記憶の切り取りをマンガのコマ割りで表現したり、ブラウン管テレビをイメージした厚みのある支持体によって、日常を映画のワンシーンのように表現している。
今回は、文字や竹をモチーフに銀箔や銅箔を使用した新作約10点を含む作品を展示している。多くの光を取り込む箔の美しさや映り込みを際立たせるための新たな試みとして、展示エリアの平台にミラーを設置し、その上に作品を置き、覗き込んだ時に、作品とともに鑑賞者の顔が映り込むことで、作品を身近に感じられる仕掛けとなっている。
新埜康平さんは日々の普遍的な出来事や情景をテーマに日本画材の箔など経年と共に変化する素材を使った作品を制作している。「日常のなかでは映画のようなドラマチックな展開や大きな出来事はあまりないけれど、”なぜか忘れられないモノ”の集合体で生活は満ちています。日々の生活は幾つもの季節を超えていきます。気がつけば空が夏を知らせて、茜色が秋を呼んで、やがて夜が冬に変わり、木漏れ日が春を迎える。そこには額縁がなくても絵になるような景色があると思います。等身大の日常を切り取り、自然や季節の中で手に入る日本画材を用いて変化し続ける作品」を描いている。
新埜康平さんは1990年東京都生まれ、2020年に第16回世界絵画大賞展でサムトレーディング賞(2021年にミューズ賞)、2021年に第56回神奈川県美術展で入選、2021年に第39回 上野の森美術館大賞展で入選、同年に「3331 ART FAIR」でコレクター・プライズを授与され、2022年 に「Independent Tokyo 2022」でKATSUMI YAMAT0賞(2023年に小山登美夫賞)、同年に「第1回Idemitsu Art Award(旧シェル美術賞)」で入選、2023年に「第3回Artist New Gate」でファイナリスト、同年に「metasequoia(メタセコイア)2023」で笹貫淳子賞などを受賞している。
開場時間は10時30分から21時(最終日は18時)。入場は無料。ECプラットフォーム「OIL by 美術手帖」でも販売している。