ポーラ銀座でアネックス展、鎌田友介、入江早耶ら海外研修6人

【銀座新聞ニュース=2025年2月12日】化粧品業界国内4位のポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)が運営するポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル、03-3563-5501)は4月13日まで「ポーラ ミュージアム アネックス展2025」を開いている。

ポーラミュージアムアネックスで4月13日まで開かれている「ポーラ ミュージアム アネックス展2025」のフライヤー。

「ポーラ ミュージアム アネックス展」は公益財団法人「ポーラ美術振興財団」(事務局・品川区西五反田2-2-3、03-3494-8237)が行っている「若手芸術家の在外研修助成」を受けたアーティストの研修成果を披露する展覧会で、2025年で23回目となる。

この助成事業は、1996年からポーラ美術振興財団が実施している活動のひとつで、40歳未満のアーティストを対象に海外での研修を援助し、活発な創作活動を奨励しようとするもので、2024年までに448人を助成している。

今回も6人のアーティストを前期(2月7日から3月9日)と後期(3月14日から4月13日)に分け、前期は「軌跡(ルーツ)を辿る」とし、さまざまな文化的背景を持つアーティストが自身の内面や感情、価値観などを丁寧に掘り起こし、表現の原点を見出していく。出品しているのは鎌田友介さん、武田竜真(たつま)さん、スクリプカリウ落合安奈(Ana Scripcariu-Ochiai)さん。

後期は「マテリアルの可能性」とし、自身の創造性を最大限に発揮して素材の特性を深く理解することで、その魅力を引き出しながら、これまでにないユニークな表現創出を追求する。出品するのは入江早耶(さや)さん、安西剛さん、多田佳那子さん。

また、3月7日から9日の3日間、東京国際フォーラムホールE&ロビーギャラリー(千代田区丸の内3-5-1)で開かれるアートの見本市「Art Fair Tokyo(アートフェア東京)2025」に出品し、作品を販売する。前売が4000円、当日が5000円。

鎌田友介さんは1984年神奈川県生まれ、2011年に東京藝術大学美術学部先端藝術表現科を卒業、2013年に同大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程を修了、2019年に公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員として韓国、アメリカ、ブラジルで研修し、2023年に第1回福岡アートアワード市長賞を受賞している。

武田竜真さん1988年熊本県天草郡生まれ、2013年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を首席で卒業、福沢一朗賞、2017年にドレスデン美術大学ディプロム課程を修了、2018年に公益財団法人吉野石膏美術振興財団在外研修員としてドイツで研修、2020年にドレスデン美術大学カールステン・ニコライクラスマイスターシューラー課程を修了している。

2011年にトーキョーワンダーウォール2011でトーキョーワンダーウォール大賞、2011年度に多摩美術大学交友会奨学生、同年度に日本学生支援機構で優秀学生顕彰、奨励賞、2015年にアートオリンピア2015で実行委員特別賞、2016年に公益財団法人現代芸術振興財団から助成、2021年に公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員としてオランダで研修している。2022年にドイツ芸術基金財団の特別助成、同年に公益財団法人熊谷正寿文化財団現代アート作家の助成、同年に公益財団法人野村財団から芸術文化の助成(2024年も)、2023年に公益財団法人松浦芸術文化財団の現代芸術家助成を受けている。

スクリプカリウ落合安奈さんは1992年埼玉県生まれ、2015年に石橋財団国際交流油画奨学生としてトルコ、ドイツ、ポーランド、イングランド、スコットランドで学び、2016年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を首席で卒業(学部総代、買上賞)、2019年に同大学大学院美術研究科修士課程グローバルアートプラクティス専攻を修了、2019年に同大学大学院博士後期課程美術研究科美術専攻彫刻に在籍している。

2015年に「上野芸友賞」、2019年に「Residence project」でベトナムに滞在、2022年から2024年まで公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員としてルーマニアで研修、2020年にルーマニアの「Y.A.C. RESULTS 2020」を受賞、同年に「Liga Studentilor Romani din Strainatate(LSRS)」芸術部門で大賞、同年に「Forbes Japan 30 UNDER 30」を受賞、2021年に「TERRADA ART AWARD 2021」で鷲田めるろ賞などを受賞している。

後期に展示する入江早耶さんは1983年岡山県生まれ、2008年にドイツ・ベルリンのヴァイセンゼー(Weissensee)美術大学に交換留学、2009年に広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程を修了、2019年に公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員としてアメリカ・ニューヨークで研修している。

2005年にデザイナーズウィーク2005で富士通賞、2007年に新・公募展2007Re-Actで天野太郎賞、2009年に「AMUSE ARTJAM in Kyoto 2009」で森本千絵賞、2010に第13回岡本太郎現代芸術賞で入選、同年に六甲ミーツ・アート:芸術散歩2010で入選、2012年に第6回資生堂アートエッグでShiseido Art Egg賞、2014年に岡山県新進美術家育成I氏賞で奨励賞、2020年に文化庁文化芸術活動の継続支援事業に選ばれる。2021年に小笠原敏晶記念財団の新型コロナウイルス特別助成、2023年に野村財団芸術文化助成でアメリカで研修している。

安西剛さんは1987年埼玉県生まれ、2009年に東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科を卒業、2011年に同大学大学院映像研究科メディア映像専攻を修了、2020年に公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツで研修している。

2014年にハンガリー・ブダペストの「Chimera Art Award」を受賞、2015年に英国ロンドンの「RBS Bursary Awards 2015」を受賞、2016年に大和日英基金の奨励助成、2025年に「GFX Challenge Grant Program 2024 Regional Grant Award」を受賞している。

多田佳那子さんは1989年広島県生まれ、2012年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業、2013年に韓国の弘益大学校油画科に協定留学、2015年に同大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了、2017年にオーストリアのウィーン美術アカデミーに入学、同年にヒロシマ平和創造基金のヒロシマスカラシップに選ばれ、2020年に公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員としてオーストリアで研修、2021年に公益財団法人吉野石膏美術振興財団の若手美術家の在外研修に対する助成を受けている。2024年5月にドレスデン美術アカデミーに留学している。

開場時間は11時から19時。入場は無料。会期中は無休。