【銀座新聞ニュース=2025年3月20日】ギャルリーためなが(中央区銀座7-5-4、03-3573-5368)は3月22日から4月20日までロレンツォ・フェルナンデスさんによる個展を開く。

ギャルリーためながで3月22日から4月20日まで開かれるロレンツォ・フェルナンデスさんの個展に出品される作品「孤独への恐れ/ミノタウロス」。牛とゴリラのおもちゃをミノタウロス、背後の写真を美の女神ヴィーナスに見立て、美の対極の存在として描いている。貝殻は彼が閉じ込められている迷宮を囲む海、毛糸玉は勇者テセウスを導く道しるべというように、神話のエッセンスが散りばめられ、青や紫、茶色が彼の威厳と、孤独から救われる未来への希望をも感じさせている。
現代スペインリアリズムを代表する画家のロレンツォ・フェルナンデス(Lorenzo Fernandez)さんが4年ぶりにギャルリーためながで開く個展で、ギリシャ神話にインスパイアされた作品が加わり、より一層ドラマチックなストーリー性が際立った新作を含む約40点を展示する。
L・フェルナンデスさんは14歳から学んだスペイン伝統のバロック絵画技法をもとに、独自のリアリズムを確立させ、細部まで緻密に描かれた画面は一見すると写真のようだが、非現実的な焦点のぼかしや複数の視点を組み合わせた構図によって、写真では表現しきれない現実を超越した空間を生み出している、としている。
また、モチーフは身近なものでありながら、その一つひとつに象徴的な意味が込められている。ギリシャ神話シリーズ「孤独への恐れ/ミノタウロス」では、牛とゴリラのおもちゃをミノタウロス、背後の写真を美の女神ヴィーナスに見立て、美の対極の存在として描いている。
今回の個展で公開する「美しさを超えて/ヴィーナスの誕生」と題した作品は、1940年代に活躍した女優ヘディ・ラマー(Hedy Lamarr、1914-2000)を貝殻から現れるヴィーナスとして描写、その隣に、ロマネスク美術(ヨーロッパ中世の美術様式で、主に11世紀から12世紀にかけて栄えた)において忠誠と誠実を象徴する犬の彫刻を、背後には、技術の象徴でもあるロボットの頭部を描き、作品に過去と未来、美、自然、テクノロジーといったさまざまなテーマを含ませている。
ウイキペディアによると、「ギリシア神話」は古代ギリシア(前7000年の初期から前3200年の末期まで)において語り継がれていた神話や民間説話の集成で、初期には口承であったが、紀元前6世紀頃より文字化され、世界の始原や神々の物語、英雄の物語、さまざまな事件や出来事の詳細が体系化されて行った。
詩人が新しい物語を古い伝承から作り出し、古典劇作家などが当時の宗教や、社会の問題を反映させた作品を作り出すことで、多様性に満ちた浩瀚(こうかん)な文学や芸術となった。古代ギリシア市民の基本教養であり、さらに古代地中海世界の共通知識でもあった。、

同じく出品される「美しさを超えて/ヴィーナスの誕生」は、1940年代に活躍した女優ヘディ・ラマー(Hedy Lamarr、1914-2000)を貝殻から現れるヴィーナスとし、その隣に、ロマネスク美術において忠誠と誠実を象徴する犬の彫刻を、背後には技術の象徴でもあるロボットの頭部を描き、作品に過去と未来、美、自然、テクノロジーといったテーマを含ませている。
L・フェルナンデスさんは1970年スペイン・マドリード生まれ、1984年からスペインの伝統的なバロック絵画を学び、1993年からコンセプチュアル・アート(概念芸術)の第一人者であるペドロ・カルヴァン(Pedro Calvin)さんに師事し、伝統と現代性を融合させた独自の画風を確立した。
2006年にギャルリーためながパリでの初個展を皮切りに、世界各国のアートフェアに参加している。作品はスペインの美術館や財団、日本の地中美術館(香川・直島)にも収蔵されている。
22日16時から18時まで11年ぶりに来日するロレンツォ・フェルナンデスさんが来場してレセプションを開く。
開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は17時)。入場は無料。