【銀座新聞ニュース=2025年3月21日】バンダイナムコホールディングス傘下のおもちゃ事業、映像音楽事業、ビデオゲーム事業、アミューズメント事業を展開する「ハピネット」(台東区駒形2-4-5、駒形CAビル、03-3847-0521)グループの映画配給会社「ハピネットファントム・スタジオ」(旧ファントム・フィルム、渋谷区千駄ヶ谷5-23-15、A-PLACE代々木、03-6862-0361)は3月24日にTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-2、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で「ムーンライト」を上映する。
「A24×ハピネットファントム・スタジオ×TOHOシネマズコラボレーション」による上映で、1月から4月まで「毎月24日はA24の日」とし、1月24日は「シビル・ウォー アメリカ最後の日」、2月24日が「関心領域」で、3月24日が「ムーンライト」を上映する。
3月24日は18時24分の回上映終了後に、ハピネットファントム・スタジオ代表取締役社長の小西啓介さんと、映画ジャーナリストの立田敦子さんが登場してトークイベントを開く。
イベントでは2018年のトロント映画祭のプレミア上映で、「ムーンライト」に出会い、衝撃と感銘を受けた小西啓介さんが、いかにしてA24サイドと交渉し、日本配給するに至ったのか、「今だからこそ明かされる買い付けの裏話」を披露する。
また、立田敦子さんが第89回アカデミー賞授賞式での「ラ・ラ・ランド」と「ムーンライト」の作品賞発表の際の「取り違えプニング」の真相と、本作の魅力について語る。
「A244(エートゥエンティフォー)」は2023年10月に日本の総合映像会社ハピネットファントム・スタジオとの間で独占パートナーシップ契約を締結し、今後は「A24」の製作作品の日本における配給や関連グッズ展開などをハピネットファントム・スタジオが独占的に担当することになっている。その一環として、今回、1月から4月までTOHOシネマズを含めた3社のコラボ企画を実施し、4月まで毎月24日に「A24」の映画を上映する。
「ムーンライト」は史上初めて主要キャストがアフリカ系のみで作品賞を受賞した映画となった。2017年2月26日の第89回アカデミー賞授賞式で、「ムーンライト」は8部門でノミネートされ、作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門で受賞した。その作品賞の発表に際して、史上最多14部門で候補に挙がった「ラ・ラ・ランド」が、誤って受賞作品と発表される大ミスが発生した。
ウイキペディアによると、作品賞のプレゼンターは「俺たちに明日はない」の50周年を記念してウォーレン・ベイティ(Warren Beatty、1937年生まれ)さん、フェイ・ダナウェイ(Faye Dunaway、1941年生まれ)さんがプレゼンターを務め、ステージに立った。封筒を開けるとベイティは受賞者の発表をためらい、直後にダナウェイに見せると彼女は「ラ・ラ・ランド」の勝利を宣言した。
しかしながら、「ラ・ラ・ランド」のプロデューサーがステージに上がって受賞スピーチを始めると、オスカーのスタッフが駆け寄り、封筒を取り上げて発表に間違いがあったことを説明した。「ラ・ラ・ランド」のプロデューサーの1人であるフレッド・バーガー( (Fred Berger、1981年生まれ)さんが「どうやら我々は負けだったようだ」と述べてスピーチを締めくくり、同じくプロデューサーのジョーダン・ホロウィッツ(Jordan Horowitz、1980年生まれ)さんにマイクが戻って本当の受賞作が「ムーンライト」であることが発表された。
ホロウィッツさんは正しい受賞作が記されたカードをカメラに示した。そして再びベイティさんがマイクの前に立ち、誤って「ラ・ラ・ランド」の主演女優賞のエマ・ストーン(Emily Jean “Emma” Stone、1988年生まれ)さんのカードを読み上げてしまったと説明した。短い混乱の後、改めて「ムーンライト」のプロデューサーたちが受賞スピーチを行った。
ハリウッド・リポーターによると、投票結果を集計し、封筒を準備し、プレゼンターに渡しているプライスウォーターハウスクーパース(PwC)は常に2組の封筒を用意してステージ際に保管していた。静止画像からステージに立つベイティさんとダナウェイさんが「Actress in a Leading Role」と記された予備封筒を持っていることが確認できる。
ニューヨーク・タイムズの記事では、「封筒のデザインが原因の可能性がある。今年の封筒はデザインが変わっており、赤い紙に金の文字で書かれている。それは文字を読みにくくしている可能性がある。封筒のデザインと発注はPwCではなく映画芸術科学アカデミーの担当のはずだ」としている。
さらにPwCは授賞式中にはソーシャルメディアを使わないようにスタッフに指示していたが、封筒配布担当者は間違ったものを渡す直前にTwitterを使っていたと報じられている。
物語はマイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロン(少年時代はアシュトン・サンダース=Ashton Sanders=さん、その後はトレバンテ・ローズ=Trevante Rhodes=さん)は、学校では「リトル(チビ)」と呼ばれていじめられ、家庭では麻薬常習者の母親ポーラ(ナオミ・ハリス=Naomie Harris=さん)から育児放棄されていた。
そんなシャロンに優しく接してくれるのは、近所に住む麻薬ディーラーのフアン(マハーシャラ・アリ=Mahershala Ali=さん)夫妻と、唯一の男友達であるケヴィン(アンドレ・ホランド=Andre Holland=さん)だけ。やがてシャロンは、ケヴィンに対して友情以上の思いを抱くようになるが、自分が暮らすコミュニティではこの感情が決して受け入れてもらえないことに気づき、誰にも思いを打ち明けられずにいた。そんな中、ある事件が起こる。
チケットは3月22日0時(21日24時)からインターネットで販売し、22日オープン時から劇場窓口で販売する。料金は一般2000円、大学生以下1000円。作品は「R15+」(15歳未満は鑑賞できない)に指定されている。