シャンテ「レイブンズ」で浅野忠信、瀧内公美、ギル監督が挨拶

【銀座新聞ニュース=2025年3月21日】中堅映画配給会社のアークエンタテインメント(文京区小日向2-11-11、03-5940-6015)は3月29日にTOHOシネマズシャンテ(千代田区有楽町1-3-2、日比谷シャンテ、050-6868-5001)で「レイブンズ」の公開を記念して、浅野忠信さん、瀧内公美さんらによる舞台あいさつを開く。

3月28日から一般公開される「レイブンズ」((C)Vestapol,Ark Entertainment,Minded Factory,The Y House Films)。

29日12時30分の回上映終了後に、監督のマーク・ギル(Mark Gill)さんをはじめ、主人公の写真家「深瀬昌久」役の浅野忠信さん、その妻「深瀬洋子」役の瀧内公美(たきうち・くみ)さんが舞台に登場してあいさつする。

eiga.comによると、「レイブンズ(Ravens)」は監督のマーク・ギルさんが浅野忠信さんを主演に迎え、世界的に高い評価を受け続ける写真家・深瀬昌久の波瀾万丈な人生と、彼の最愛の妻にして被写体であった洋子との物語を、実話とフィクションを織り交ぜながら描いたフランス、日本、ベルギー、スペインの合作によるダークファンタジーラブストーリーとしている。2024年10月のオースティン映画祭でマーキー(Marquee)映画観客賞を受賞した。

物語は北海道の高校を卒業した深瀬昌久は、父の写真館を継がずに上京する。さまよう日々のなかで、深瀬は美しく力に満ちた女性・洋子と恋に落ちる。洋子は深瀬の写真の主題となり、2人はパーソナルでありながら革新的な作品を生みだしていく。

家族愛に憧れる深瀬は洋子の夢を支えるため懸命に働くが、ついに彼女の信頼を裏切ってしまう。深瀬の心の闇は異形の“鴉の化身”へと転生し、哲学的な知性で彼を芸術家の道に導こうとする。

ウイキペディアによると、深瀬昌久は1934年2月25日北海道中川郡美深町生まれ、深瀬写真館の長男で、1956年に日本大学芸術学部写真学科を卒業、第一宣伝社に入社し、広告写真を撮影、1960年に初の個展「製油所の空」を開催、1964年に日本デザインセンターに転職、1963年に出会った鰐部洋子さんと結婚、1967年に河出書房新社写真部長に就任、1968年に河出書房新社が倒産し、退社し、フリーランスとなり、以降は写真作家としてカメラ雑誌を中心とした雑誌媒体に作品を発表した。

1971年に写真集「遊戯」を刊行、故郷の北海道に帰郷し、深瀬写真館で家族の記念写真を写し(後に「家族」としてまとめる)、1974年に- 荒木経惟(のぶよし、1940年生まれ)さん、東松照明(1930-2012)、細江英公(えいこう、1933-2024)、横須賀功光(のりあき、1937-2003)、森山大道(だいどう、1938年生まれ)さんとともに「ワークショップ写真学校」を開講(1976年まで)し、1976年に洋子さんと離婚し、代表作「烏」を撮影し、写真展「烏」を開き、同年に石川佳世子さんと再婚した。

1977年に仔猫を譲り受け、「サスケ」と名づけ、同年に写真展「烏」で第2回伊奈信男賞を受賞し、1978年に写真展「洋子」を開き、写真集「洋子」を刊行し、1年間撮影し続けたサスケの写真集「ビバ! サスケ」と「サスケ!!いとしき猫よ」を刊行した。1979年に1歳を過ぎて活発ではなくなったサスケのカンフル剤として仔猫を譲り受け、「モモエ」と名づけ、2匹を撮影した写真で写真集「猫の麦わら帽子」を刊行、写真展「鴉(からす)1979」を開いた。

1983年にかつて暮らした松原団地を中心に、30年のあいだで移り住んできた14カ所を訪れて撮影した「歩く眼」(「日本カメラ」10月号から12月号)発表、写真展「歩く眼〈1〉」と「歩く眼〈2〉」を同時開催し、超大型ポラロイドカメラで作品を制作、「遊戯」(「カメラ毎日」1983年12月号)として発表した。

1985年に10年ぶりに深瀬写真館で「家族」の撮影を再開(1989年まで撮影)、1986年に写真集「鴉」を刊行、1987年1月に父・助造が死去(享年74)、1988年に写真展「父の記憶」を開催、1989年に深瀬写真館が廃業、母みつえさんは特別養護老人ホームに入居、弟夫妻は離婚、妹夫妻は札幌に移り、事実上、一家四散となる。

1990年に個展「私景 旅の便り」を開催、1991年に写真集「父の記憶」と写真集「家族」を刊行し、1992年に石川佳世子さんと離婚し、写真展「私景’92」を開催、6月20日の深夜、新宿ゴールデン街にある「南海」の階段から泥酔して転落、脳挫傷のため重度の障害を負い、以降、特別養護老人ホームで介護を受けながら過ごし、2度とカメラを手にすることはなかった。2012年6月9日に脳出血で死去、享年78。

公式サイトによると、マーク・ギルさんは英国マンチェスター生まれ、2007年に中央ランカシャー大学を卒業、18歳でワーナー ミュージックとのレコーディング契約を結び、後に「モナコ」(ピーター・フック=Peter Hook、1956年生まれ=が1990年代後半に組んでいたユニット)に参加、その後、映像への転向を志す。

映画監督として、長編デビュー作はUKロックシーンのアイコン的存在であるスティーブン・モリッシー(Steven Patrick Morrissey、1959年生まれ)さんの青春を描いた「イングランド・イズ・マイン モリッシー はじまりの物語」で、2017年にエジンバラ国際映画祭のクロージング上映を皮切りに世界各国で公開され(日本では2019年)、英国の最も権威ある映画賞のひとつ、マイケル・パウエル映画賞にもノミネートされた。

また、短編作品「ミスター・ヴォ―マン」は、第86回アメリカアカデミー賞短編映画賞、2012年に英国アカデミー賞短編映画賞にノミネートされている。最近では、 AIアーティストのVoltaine(ボルテイン)と協力して、映画からのバリエーションAI生成ビデオを作成している。

チケットはインターネットで20日より販売を開始、劇場窓口でも20日オープン時から販売している。料金は2000円均一。作品は「PG12」に指定されており、12歳未満の小学生以下には親または保護者の助言・指導が必要とされる。