【銀座新聞ニュース=2025年4月15日】日本デザインコミッティー(中央区銀座3-6-1、03-3561-2572)は4月16日から6月9日まで松屋銀座(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)7階「デザインギャラリー1953」で「コーア・クリント?ーデンマーク家具デザインのはじまり」を開く。

松屋銀座の「デザインギャラリー1953」で4月16日から6月9日まで開かれる「コーア・クリント?ーデンマーク家具デザインのはじまり」に展示される2024年に復刻された「イングリッシュチェア」と、右は在りし日のコーア・クリント。
デンマークの建築家、家具デザイナーで「デンマーク近代家具デザインの父」と称せられるコーア・クリント(Kaare Klint、1888-1954)のデザインした家具類を展示する企画展で、コーア・クリントのデザインした家具類を販売するカール・ハンセン&サン(Carl Hansen&Son)ジャパン(渋谷区千駄ヶ谷3-15-7、AMBRE、03-6455-5522)が協賛している。
コーア・クリントがデザインして、1931年に発表された「KK44880 イングリッシュチェア」、1914年にデザインし、1915年に発表された「KK96620 フォーボーチェア」、1933年に発表した「KK47000 サファリチェア」、1930年に発表された「KK87830 プロペラスツール」などがあり、その一部が今回展示される。
ウイキペディアなどによると、コーア・クリントは1888年デンマーク・フレデリックスボル生まれ、父親は建築家、デザイナーとして著名なペーダー・ヴィルヘルム・イェンセン・クリント (Peder Vilhelm Jensen-Klint、1853-1930)で、コペンハーゲンの専門学校、ジェンスモラージェンセンス家具学校(Jens Moller-Jensens furniture school)を卒業、1914年に「フォーボーチェア」を設計、1933年に「サファリチェア」を発表している。1929年のバルセロナ万博のデンマーク館の展示デザインを手掛けている。
1924年にデンマーク王立芸術アカデミーのおける家具科の創設に参加し、後に教授を務めた。今日、コーア・クリントは、デザイン界に大きな改革をもたらしたことで高く評価されており、デザインの歴史、実際的な機能の研究を通し、建築や家具デザインの基本となる概念を追求し、様式を重視したそれまでの建築や家具デザインの手法を大きく改革した。
プロポーションと空間の把握、使用する人を最優先し、人をデザインの基本と捉えることから、その作品は「人のためのデザイン」と評価され、求められる機能を優先するデザイン手法をデンマーク家具界に広めた。
カール・ハンセン&サンは1908年にカール・ハンセン(Carl Hansenn)が創業した家具会社で、1915年に家具工場を設立し、寝室の家具を専門とし、1934年に息子のホルガー・ハンセン(Holger Hansen)が経営を引き継ぎ、1951年にアメリカの家具メーカーなどと共同で販売会社「サレスコ(Salesco)」を設立し、中でも1949年に発表されたハンス・J・ウェグナー(Hans Jorgensen Wegner、1914-2007)がデザインした「Yチェア」(CH24)が大きな成功を収めた。
1988年に息子のヨルゲン・ゲルナー・ハンセン(Jorgen Gerner Hansen)が事業を引き継ぎ、1991年に日本に子会社を設立した。2002年に創業者の孫、クヌッド・エリック・ハンセン(Knud Erik Hansen)が代表取締役に就任している。
開場時間は11時から20時(最終日は17時)まで。入場は無料。