ポーラ銀座で鈴木ヒラク展、16点組「海と記号」やインスタ等

【銀座新聞ニュース=2025年4月23日】化粧品業界国内4位のポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)が運営するポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル、03-3563-5501)は4月25日から6月8日まで鈴木ヒラクさんによる個展「海と記号」を開いている。

ポーラミュージアムアネックスで4月25日から6月8日まで開かれる鈴木ヒラクさんの個展「海と記号」に出品される「海と記号 #06」(2025年、シルバーインク、顔料、土、アクリル、キャンバス、16点組のひとつ、photo by Ooki Jingu、((C)Hiraku Suzuki Studio))。

「描く」と「書く」の間を主題に、平面、インスタレーション、壁画、彫刻などを制作する鈴木ヒラクさんが16点組の「海と記号」などを展示する。

鈴木ヒラクさんは、ドローイングの概念を拡張し、空間や時間に潜在する線を探求している。世界各地の古代の洞窟(どうくつ)壁画から、植物や鉱物、光の軌跡といった非人間の描く線の断片までをアーカイヴし、身体を通して再構築することで、「ドローイングの生態学」ともいえる独自の体系を生み出している。

今回、中心となるのは、深海や宇宙を想起させる瞑想的な青の背景に、シルバーで描かれた連作「海と記号」(2025年)で、会場では16点組の大型キャンバスが円環状に配置され、水中を漂う発光プランクトン、あるいは細胞分裂や超新星などを想起させる記号群が脈動する。

ポーラでは、「光を反射するインクは、液体や粒子の飛沫となって広がり、ミクロな海洋世界とコズミック(宇宙的)な視点が入れ替わりながら、生成と消滅の連続性を映像的に物語っている」としている。また、考古学的遺物の写真をシルバーで塗り消し、架空の記憶を描き出す「Casting (Ocean、キャスティング・オーシャン)」(2025年)や、新作映像インスタレーションも展示する。

鈴木ヒラクさんは1978年宮城県仙台市生まれ、神奈川県育ち、2001年に武蔵野美術大学映像学科を卒業、2008年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻を修了、2009年に財団法人「東京都歴史文化財団」の助成により、オーストラリア・シドニーのアートスペース・シドニー(Artspace Sydney)に滞在、2011年に財団法人「東京都歴史文化財団」の助成により、英国チェルシー・カレッジ・オブ・アーツ(ロンドン芸術大学チェルシー校)に滞在、同年にアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)フェローシップでアメリカ・ニューヨークに滞在した。

2012年に公益財団法人「ポーラ美術振興財団」の在外研修員としてドイツ・ベルリンに滞在、2017年にフランス・パリの「The international FID Prize drawing contest(インターナショナル・FIDプライズ・ドローイング・コンテスト)」でグランプリを受賞、2023年に文化庁芸術家在外研修員としてフランス・ケリュのDRAW international(ドロー・インターナショナル)に滞在、2024年に第35回タカシマヤ美術賞(助成金200万円)を受賞している。

開場時間は11時から19時。入場は無料。会期中は無休。